湯遊ワンダーランド 1/扶桑社/まんしゅうきつこ
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漫画家のまんしゅうきつこさんが『湯遊ワンダーランド』を発売しました。サウナでの日常を描いた同作品のこと、サウナに通い始めて実感している“美変化”をインタビュー。これを読めば今日早速サウナに行きたくなる!?
サウナ好きの名称「サウナー」という言葉も生まれるほど、サウナブームが巻き起こっている昨今。女性の間でもじわじわとその人気が広まりつつあります。
そんなサウナでの日常を描いた『湯遊ワンダーランド』(扶桑社)を上梓した漫画家のまんしゅうきつこさん。サウナ内のみにとどまらず、サウナ以外にまで及ぶ人間観察模様がシュールで、クスッと笑える作品です。
今回は、まんしゅうきつこさんに、女性にもっと知ってもらいたいサウナの魅力について聞きました。
※こちらは2018年6月17日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。
――サウナデビューをされたのはいつ頃ですか?
学生時代に太ってしまったとき、痩せるために一時期サウナに通っていました。でも、まったく痩せず(笑)。
当時は水風呂にも入っていませんでした。そして本格的にサウナに目覚めたのはここ3年ほどで、現在は週3くらいで通っています。
『アル中ワンダーランド』を出す前は、アルコール依存症で固形物を食べず、ウイスキーしか飲んでいなかった時期でした。ガリガリだったのですが、お酒をやめてから10キロ近く太ってしまったんです。
でも、今はご飯をたくさん食べるわりには体重が増えなくて。学生の頃、痩せるためにサウナに通っても痩せませんでしたが、サウナ→水風呂のサイクルで代謝機能が上がり、太りにくい体質になったのだと思います。直接のダイエット効果はないんですけどね。
――私もサウナ通いをしています。サウナに通い始めてすぐは、まったく汗をかかないですよね。
そうなんです。まったくかかない。でも、何回か通ううちに汗をかき始め、サウナのすごさを実感するようになります。
もうサウナで何でも解決してしまうような気分になり、SNSにも「どこどこのサウナに行った」と書きたくなる頃(笑)。
――一番顕著に実感できた変化は何ですか?
嫌な気持ちをくよくよと引きずらなくなりました。ときには「この野郎!」って思うこともあるじゃないですか。
でも、サウナに行くとそういう気持ちが薄まります。今までは嫌なことがあったらふて寝をしていました(笑)。
それでは全然解決しなかったものが、サウナにはそんな嫌な気持ちを鎮める効果があると感じました。
平熱も1度上がりました。もともと汗をかきにくい冷え性で、35.4度くらいだったのが今は36.4度。常に体が温かい状態です。風邪もひきにくくなりました。
「猿山にこういう顔の猿いますよね」(担当編集)
――先ほど、サウナによって代謝が上がり、太りにくい体質になったとおっしゃいました。他に美容に関して効果を感じることはありますか?
お肌の調子がとても良くなりました! 今、ファンデーションを使っていないんです。基本的には日焼け止めを塗った上に、2000円くらいのフェイスパウダーをはたくだけです。
多分、サウナで毛穴を開いた後、水風呂で頭から冷水をかぶることで、毛穴が引き締まってキメが細かくなっているのだと思います。
サウナ常連のおばちゃんたちは本当に肌が綺麗です。もっと若い女性も美活のためにサウナを利用すればいいのにと、いつも思っています。
――なぜ若い女性のサウナ人口は少ないのでしょうか。
サウナにオシャレなイメージがないからですかね。池袋の「タイムズ スパ・レスタ」は化粧水などのアメニティが有名ブランドのもので、美顔器まで置いてあります。
そういう美容アイテムが充実した施設が増えれば、女性のサウナ人口も増えそうですね。
でも「テルマー湯」や「ラクーア」のように有名な施設、銭湯でも「萩の湯」など、流行っているところは若い女性も多いように感じます。
――銭湯のサウナとスパ施設のサウナ、それぞれ魅力があると思いますが、まんしゅうさんはどちらが好きですか?
どっちも好きです。この前、新宿の「テルマー湯」に行ったら、泥パックがあったりヘアアイロンがあったり、やっぱり総合的に良い! と感じました。でも、少し料金がお高めです。だから、スパ施設はご褒美的な感覚で、普段は銭湯のサウナを利用しています。
――前作は『まんしゅう家の憂鬱』(集英社)、その前は『アル中ワンダーランド』(扶桑社)で、若干シリアスな作品が続いていました。今回の作品にはどのような反響が寄せられていますか?
今まで母に漫画を褒められたことはあまりなかったのですが、今回は初めて「すごくおもしろいわ!」と言われたんです。
サウナ室内でのヌシ(常連のリーダー格の女性)とのやりとりが面白かったらしくて。67歳の母くらいの年齢の人が読んでも楽しめるんだな、とわかりました。
『アル中ワンダーランド』は悲惨すぎたり、『まんしゅう家の憂鬱』は変な行動に走りすぎたりしているところがありますが、『湯遊ワンダーランド』は『アル中〜』と『まんしゅう家〜』の中間にあるような作品という意見もネット上で見かけました。
サウナと水風呂に入ることで、いい感じに人間的なバランスが取れたのかもしれません(笑)。
(編集後記)
まんしゅうきつこさんにとってサウナとは、と尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「サウナに通うまでは、遊園地に行くような非日常の感覚でしたが、今はすっかり歯を磨くとかアイスコーヒーを飲むとか、それくらいの完全な日常と化しました」。
心も体も健康的に、きれいになれるサウナ。『湯遊ワンダーランド』を読むと、サウナ未経験者も、サウナ久々の方も、きっとサウナに行きたくなるはず!
Text・Photo/姫野桂
※こちらは2018年6月17日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。
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