「ふくよかさん」向けおしゃれのはなし
脳外科医とデザイナーを両立するDrまあやさん。おしゃれが大好きで、個性的なファッションで装うことが多いです。自身を「カラフルデブ」と呼ぶDrまあやさんは、ふくよかな体型だからこそ心がけているおしゃれがあると話します。
ファッションの世界の多様性により、選択肢が広がり、目立った大きなムーブメントも昔ほどなくなり、好みの分散化が起きていて、楽しみ方が三者三様です。
とはいえ、流行に沿って、横並びにほぼ同じ格好で街を歩いている人は多い印象。最近はファッションにお金をかけない、プチプラ、ファストファッションが主流になって、高級ブランドに憧れる人は、少ないのではないでしょうか。
一方で、個性を追求するファッションも進化し、それを容認、尊重する風潮も生まれつつあります。選択肢が増え、自由なファッションが楽しめるようになった日本社会の中で、「おしゃれ」について改めて考えてみます。
■Drまあやにとって、おしゃれとは?
基本的に、目立ちたがり屋なんです。面白い人間になりたいので、その手段が個性的なファッションをすること。
ただ、残念な体型なので、いい目立ち方ができないんですね。ということで、もはや、モテよう! とか痩せて見えるように、なんて思いはありません。
他人にどう思われようと、自分が楽しく面白く服が着ることが目標です。そんなときに、もっと面白い服が世の中にあるといいのにと思い、デブでも着ることができる面白い服を自分で作ってみようと、現在展開中です。
こだわりとしては、髪型は針金で細かくパーマをかけてもらったり、ドレッドヘアーだったこともありますが、今は虹色ヘアーで落ち着きました。
カラフルな髪型なだけで、なんとなく雰囲気が明るく見えることもありますし、髪が黒いと白髪が目立つようになったりしますが、虹色だとそれほど目立ちません。
カラフルデブが街で過ごす様子。
印象が薄い顔のため、メガネにはこだわっております。自称・面白メガネを集めている日本一です。面白いメガネをかけることで、メガネとセットで顔を覚えてもらえる可能性も。
いつもお世話になっているメガネ店で、メガネをリメイクしてもらうこともありますし、場合によってはデザインして製作してもらうこともあります。
服は、とにかくカラフルなものを選びがちですが、Tシャツでも面白さがあるものを選びます。だいたい好きなブランドやお店が決まっていることもありますが、パリコレ、 NY、ミラノのコレクションの情報収集をして、面白そうな作品をチェック。
そこで多少高くても、デザイン性の高いもの、素材のいいもの、かつ面白い色の組み合わせのものを選びます。日本ではなかなか大きなサイズが売ってないし、各ブランドも日本人では大きいサイズを入荷してないので、 NYやLAなどで大きなサイズを購入します。
場合によっては、某ブランドでスカートを上着にリメイクしてもらったり、サイズがない場合は2着分を購入し、あわせて着られるようにしてもらったりしています。もちろん、自分でも生地を購入して、リメイクをして着ているものがたくさんあります。
街で存在感を失うジミデブ。
■ふくよかさんのおしゃれの工夫
ふくよかな女性(ぽっちゃり以上の体型)がおしゃれを楽しむ意味は、多くの場合、自己満足のみ。
色にこだわるもよし、逆に丸く見える格好、太っている分、服の面積も広いわけですから、面白いテキスタイルを生かした服、ギラギラしてミラーボールになる、コスプレとおしゃれの間を極める、などの独特な楽しみ方がいいのではでしょうか。
清潔感も大事にして、暑苦しく見えない色の選び方、だらしなく見えない着こなしの工夫も必要だと思います。ビビッドな色にチャレンジしたり、個性の強いアイテムを着たりして、服に目線を持ってくるのも一案。
Drまあやがファッションを楽しむ一例。
自分に何が似合うのか、一番素敵に見えるスタイルを確立し、「潔さ」の究極形が渡辺直美さんだと思います。
メイクや体型をどのように見せると面白いか、SNSを利用してポジティブに見せていますね。カテゴリのトップに立つと、初めて他のカテゴリの人たちと戦えるチャンスが生まれるんじゃないでしょうか(日本において出る杭は打たれますが、出切ってしまうと賞賛されます)。
デブやブサイクは、残念ながらイケてる一軍女子にはなかなか勝ち目は少ないですが、おしゃれも毎日コツコツ工夫をし、失敗を繰り返しながら、自分なりのスタイルを確立していくものだと思います。
「自己満足」と言ったものの、いつか日の目をみるチャンス(男ウケ、友人ウケ、一般人ウケ、ファッションインフルエンサーetc.)が巡ってくるかもしれません。そのチャンスを逃さないよう、日々精進して、おしゃれを楽しみたいものですね。