39歳妻、41歳夫。子どもは「そのときになったら考えればいい」
子どもを望んでいないわけでもなく、子どもを授かるために積極的に何かしているわけでもない。自然に任せて子どもができたら、と考えている女性にお話を聞きました。
「子どもは授かりもの。できたらいいなと思っているくらいですね」。そう話す山崎佳代子さん(39歳)は夫とのふたり暮らしで、現在子どもはいません。
「子どもが欲しいからと、積極的に何かをするということはしてないですね。今の生活の延長で、もし授かれたら……というくらい」
力むことなく、あくまで自然に任せてという考え方です。2歳年上という山崎さんの夫とも、積極的な話し合いなどはしていません。
■友達みたいな夫婦
ふたりの関係は、「友達夫婦」と言ってもいいような仲良し。「付き合う前に、2~3年くらい友達として遊んでいた期間もあるので、今もその延長線上という感覚が強いです」。
互いの仕事や趣味で忙しく過ごす中で、小さなメッセージのやりとりを欠かしません。「離れているときは、出張先で見つけた小さな発見や、家にいるときはペットの猫など、本当に些細なことを毎日やりとりしています」。
仲良し夫婦だからといって、“子どもを授かるためのセックス”はしていないと言います。「一緒に寝たりお風呂に入ったりするけど、プラトニックな関係ですね。ほとんどセックスレスです」。
■いつか、そのときになったら考えればいい
子なし夫婦でたまに耳にする、親や親せきからのプレッシャーも特になし。知り合いから言われても、聞き流すことができると言います。
「結婚を意識したとき、この人と一緒にいれば人生楽しそうだなと思いましたね。だからといって、『この人の子どもが欲しい』までは発展しませんでした」。
積極的じゃないからといって、子どもの存在に対してマイナスのイメージを持っているわけでもないようです。
「子どもを持てば、また今まで似ない楽しさや大変さを体験できることはわかっているけど、そのことについては『そのときになったら考えればいい』と思っています。もし、何かが起きて考え方が変われば、積極的に作ることもあり得るかもしれません」。
あくまで今のところは、なりゆきに任せています。
■将来の不安はない
結婚前から猫を飼っているという山崎さん。この猫たちの存在も子どもに対する考え方に影響しているかもしれないと言います。
「どんどん増えて、今は3匹います。この子が子ども代わりになっている側面もあるかもしれませんね。ふたりとも出張が多いのですが、彼らがいるので家を空けないようにはしています」。
子どもを積極的に持たないことで、将来への不安はないのでしょうか。この問いに対しては「これから考えることが出てくるのでは」と言います。
「今の平均寿命は83歳くらい。今私たちは40歳前後なので、ようやく半分まできたところ。今後については、これから考えていくことになると思います。ただ、ふたりだけということに対して不安要素はないですね」。
子どもがいないから、将来誰かに面倒を見てもらえない、なんてことも考えていません。
「健康や美容に対しては気を遣っています。その前提があるうえで、できるだけ自分たちで始末するためにも、稼ぐ方向へ向かうのかなと思っています」
■価値観が共通しているふたり
「友達みたい」と言われる一因に、共通の趣味があるようです。夏になると毎週お祭りへ向かい、さらにモータースポーツ観戦と休日も忙しい。
「彼も私も、仕事も趣味も一生懸命、全力です。互いに忙しすぎて、すれ違ってケンカすることもありましたが、基本的にこまめに連絡も取り合っているし、一緒にいられるときは一緒に過ごしています」
趣味だけでなく、価値観にも共通点があります。ひとつは、出かけた先でトラブルに見舞われても、乗り越えて楽しめること。
「旅行先でトラブルがあると関係に響くカップルもいますが、私たちは基本的にふたりともポジティブ。命を取られるようなトラブルは困りますが、回避できて最後楽しく終われるなら、全然OKというタイプなんです」
どんな機会も、せっかくだからと、臨機応変に楽しむのが上手いのです。さらに、お互いに対する考え方も共通しています。
■「お互い様」が成立する関係
「私たちは『お互い様』『おかげさま』という考え方で、成り立っています。例えば、彼が空港まで迎えにきてくれることについて、周りの人から『優しいね』と言われるのですが、特別なことじゃないと思うんです。誰だって家族、友人など大事な人が来てくれたら歓迎しますよね。そういうことと同じ、当たり前のことを当たり前にしているだけなんですよ」
お互いを大切にしながらも、楽しむことに対しては積極的です。「基本的に、人生を楽しみたいと思って生きています。今は、すごい毎日楽しいです! 『楽』という字は『楽しい』という言葉でも使いますし、『ラク』とも読みますよね。彼といることはいい意味で『ラク』なんです」。
(編集後記)
今を大切にしながら、将来へ進む山崎さん。子どもは授かりものだからこそ、今を楽しみながら気負わず考える姿勢に感銘を受けました。
Text/ミノシマタカコ
2018年5月31日公開
2019年5月11日更新
※文中の数字は取材当時のものです。
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