デニムはいくつになっても履修が難しい科目。大人女性とデニムとの付き合い方
歳を重ねれば重ねるほどデニムから遠ざかる女性がいる。逆にデニムを味方につける女性もいる。その違いは何だろう? 私がデニムを穿くときに気をつけているコーデのポイント。
■デニムは「どうでもいい日」に着る服ではない
普段は素敵なスーツ姿の上司(中年男性)が、休日出勤でデニム姿になったのを見てがっかりした経験は、会社勤めの女性なら誰にでもあるのではないだろうか?
それは彼が、「今日は身なりはどうでもいい日」という意識で服を着ているから起こる現象だ。
デニムは「どうでもいい日」に選ぶ素材ではない。
デニムを「うんとカッコよく着るぞ!」という意気込みで身に着ける。
それが大人の女性がデニムを選ぶときの大事な心構え・最初の志だと思っている。
デニム姿が素敵な女性と残念な女性の差――それはスタート時点の志にあるのだと思う。
■私が所持するデニムたち
私が現在所持しているデニムたち。
レッドカードとYANUKがお気に入り。一番手前のブラックスキニーデニムは最近新しく仲間入りしたALLSAINTSのもの。
この他、部屋着やご近所着にしているZARAのブルーデニムとホワイトデニムも持っている。
■デニムはいくつになっても履修が難しい科目
私はデニムにそれほどこだわるタイプではない。何万円もする海外ブランドの高額なデニムを毎年買うようなこともないし、洗濯機でじゃぶじゃぶ洗うのを嫌って、部分手洗いするほどデニムを溺愛しているわけではない。
そんな私がデニムについてあれこれ書くのは少々気が引けるが、それでも「いくつになっても、カッコよくデニムを着る女でいたい」という志を失わずに生きていこうとは思っている。
デニムは上手に着こなすのがとても難しいアイテム。
いくつになっても履修は難儀だ。
■大人の女性だからこそ、気を配りたい6つのポイント
私がデニムを穿くときに気をつけているポイントは以下の6つ。
・素材が安っぽい黒と合わせない
黒とデニムは相性がいいので、つい安直にコーディネートしがち。
でも実はこの黒がクセモノ。素材の安物感がわかってしまうニットやカットソーを一緒に着ると、デニムスタイルは一気に「疲れた感」がにじみ出てしまう。要注意。
・ボーダー服を合わせない。
30代の子育て期、ボーダー服を集めていたので、さんざんデニムと合わせて生きていた。でももう卒業。
「ボーダーさえ着ていればおしゃれに見えるだろう」というずるい考えはあるときに捨てた。
ボーダー服は女性から「艶」「湿度」「色」を奪い取るアイテム。
だからこそ、いい大人になったら、もうデニムとは合わせない。
・上半身のボディラインを出さないようにする。
デニムって、たとえ緩めのものだとしても、下半身のラインが勝負の服。
そこに上半身までボディラインがくっきり出る服を合わせると、痛々しい感じになってしまう。特に背中が丸みを帯びる40代以降は要注意。上半身は大きめのシャツやニットなどがおすすめ。上半身のラインは徹底して隠す。
・アクセサリーを盛る、重ねる。
普通にシャツにデニムだけのコーデでは寂しく、普段着のようになってしまう危険大。大人の女性ならば、小さなアクセサリーや大ぶりのアクセサリーなど緩急つけて盛る。そこが子どもっぽいデニムスタイルを脱するポイントだ。
・どこかしら女っぽく着る(プリティに着るということではない)
今私がチェックのシャツにコンバースを合わせてデニムを着ると、「おしゃれなカジュアル」には絶対にならない。
高尾山に登山にいく中高年グループの一員になってしまう(笑)。
自分から発せられる「糖度」(女度)が減ってきている今、ここは冷静に見極めが必要な点。
ボーイフレンドデニムを穿いたとしても女っぽく。これが指針。
「男か女かわからない」後ろ姿になることだけは避けようと思っている。
具体的には、首、(首、足首、手首)を露出させる。華奢な靴を履く。
これだけ気をつければ一気に女っぽいデニムスタイルに。
・ハードなダメージデニムを着ない
膝がぱっくり開いていたり、傷が随所にあるハードなダメージデニム。
海外のセレブが着ているのを見ると、カッコいいので「私も着てみたい!」という気持ちが起こる。
でもここは冷静になる。
髪・肌・身体・歯・爪など、全身まるごとパーフェクトに清潔感を醸し出せる人でないと着こなせない。
そもそも普通の体型の、平凡な暮らしを送っている私には似合わない……。
そう冷静にジャッジし、私は早々にWANTリストから外した。
ダメージデニム以外に大人の女性が似合うデニムはいくらでもあると思って。
■デニムを穿いたら、ヘアメイクは普段と変えよう
デニムを着るときにコーデ以上に気を配っているのがヘアメイク。
デニムのコーディネートは素敵なのに、首から上に違和感がある女性を見かけることが多く、我が身も然り? と振り返るようになった。
・メイクを濃くしない
普段ワンピースやスーツをかっちり着ている人が陥りやすいのがこれ。
デニムを穿くときも普段と同じメイクでは濃すぎる。透明感がなさすぎる。
ファンデーションをBBクリームに変え、口紅をグロスに変え、チークやアイシャドウを省略。マスカラだけにして極力薄くしている。
・普段よりも髪の艶に気を配ってヘアスタイリングする
大人の女性は髪形よりも、髪の艶が大事。髪がぼさぼさで傷んで艶がないと、途端に不潔感が出てしまうのが大人の女性のデニムスタイル。
メイクは薄くとも、髪はツヤツヤにすべし。
私は現在ショートボブなので、ストレートアイロンを使用。
デニムを穿くときは念入りに当て、天使の輪が何重にもできるように艶を出すようにしている。
■デニムとストッキングの関係
デニムの下にストッキングを穿くほど不快なものはないと思うのだが、電車や街中で意外に多く見かける。
これってやっぱり変だと思う。
さらにデニムに白っぽいストッキングを穿き、指が露出するサンダルを履いている女性も多い。
デニムを穿くならストッキングは脱ごう。
ストッキングを穿きたいならデニムを脱ごう。サンダルも。
■ホワイトデニムとブラックデニム
同じデニムのパンツでも、ブルーデニムとまったく違うカテゴリーのアイテムとして捉えているのが、ブラックデニムとホワイトデニム。
ブラックデニムはジャケットに合わせて仕事でも穿く。
逆に仕事でデニムを穿くのは、私の場合ブラックデニムだけだ。
昨今、デニムの形は流行が目まぐるしいが、ピタピタの細身のものよりワイドデニムやテーパード、ボーイフレンドデニムなど ゆったりしたシルエットのものが旬。
ただ ブラックデニムだけは、「ピタピタ」「タイト」「スキニー」にこだわっている。
ゆったりしたシルエットのブラックデニムなんて、ただの「黒いズボン」になってしまうから。
ホワイトデニムを穿くときに気をつけているのは、わざと「やんちゃ」に穿くこと。
きれいめにかっちりと穿いてしまうと、垢抜けないコーデになる危険大。
ホワイトデニムは着崩さないとカッコ悪いアイテム。よって仕事のときに穿くことはない。
裾をわざと適当にロールアップしたり、シャツの裾を中途半端に出したりして穿く。
うんとエッジの効いた靴を合わせて穿く。
ブラックデニムとホワイトデニムは ブルーデニムとはまったく違う扱いでコーデを考えている。
■秋に楽しむ予定のデニムコーデ3つ
パンツがワードローブの半分以上を占めている私だが、それでも頑なに細身のパンツを愛用し、昨今流行っているガウチョパンツやワイドパンツを買うことはなかった。
しかし、ちょっとした心境の変化があり、ワイドデニムを買うことに。
ワイドといってもストレートで、やや抑えめの幅感がすっきり着れるYANUKのもの。
ハイウエストなので、ゆったりしたシャツをインして合わせると脚長効果抜群! 今一番お気に入りのデニムである。
ALL SAINTSのブラックスキニーデニムは最近新しく買ったもの。ストレッチ性があるため、とても細身ながら穿いていて快適なのが特徴。
ブラックデニムだけは絶対にスキニーでないと!
限りなくスリムに限りなくタイトに。そこにこだわるべきアイテムだと思っている。
秋冬はゴツめのエンジニアブーツと合わせるのが定番のコーデ。
きれいな薄いブルーのざっくりニットとゴツめのブーツを合わせて。バッグは艶のある型押しのバッグでクラス感をアップ。
華やかな色のカーディガンニットを集めている私。
マカフィーの鮮やかな麻素材のニットカーディガンは秋のはじめに着やすい品。ただ、色がきれいすぎて、合わせるボトムスに悩む。
こんなときにもブルーデニムは大活躍。どんなきれいな色のトップスも、中和させてなじませる力がある。その懐の大きさ、包容力の大きさはデニムの一番の魅力だと思う。
■デニムを味方につけて楽しもう!
いろいろと気を使う点は多いけれど、やはり洗いざらしのデニムを素肌に穿くのは気持ちよいもの。
気持ちも体もリラックスしたい休日、自由な気持ちでおしゃれを楽しみたいときにチャレンジするデニムの着こなし。
人生を歩くように、仕事の経験を積むように、デニムの着こなしも日々修行。
真剣に穿けば穿くほど、身体にも気持ちにも馴染んでいくのがデニムの特徴。
デニムを味方につけて、おしゃれをうんと楽しもう!