「行きたい理由」だけを大切に、かろやかに旅するといいことが起きる【田中里奈】
https://p-dress.jp/articles/6534『DRESS』読者の皆さん、こんにちは。田中里奈です。先月からスタートしたこの連載では、生き方や考え方をテーマにお話をさせてもらっています。今回のテーマは「旅」。行きたい理由がひとつでもあれば、ふらっと軽い気持ちで出かけるのが好きです。シンプルに、行きたい理由だけを持って出かけると、結果的にすごくいい旅になりますよ。
田中里奈さんによる連載、今月は「ごきげんな生活」がテーマです。実は昔はせっかちだったという田中さんが、せっかちな自分とお別れしたきっかけは。そして、せっかちをやめると、自分自身や生活がどう変わっていったのでしょうか――。
こんにちは、田中里奈です。今月のテーマは、「ごきげんな生活」。前回の記事でも少し触れたように、私は「機嫌よくリラックスして過ごしていると、いいことが向こうからやってくる」という持論を持っています。どうしてそう思うようになったのか。そのきっかけを含めて、少しお話しさせていただきますね。
「行きたい理由」だけを大切に、かろやかに旅するといいことが起きる【田中里奈】
https://p-dress.jp/articles/6534『DRESS』読者の皆さん、こんにちは。田中里奈です。先月からスタートしたこの連載では、生き方や考え方をテーマにお話をさせてもらっています。今回のテーマは「旅」。行きたい理由がひとつでもあれば、ふらっと軽い気持ちで出かけるのが好きです。シンプルに、行きたい理由だけを持って出かけると、結果的にすごくいい旅になりますよ。
10代の頃は、私も周囲と違わず“悩み多き青春時代”を送っていました。でも大学1年生の頃、「人は変われる」と確信したのです。その名も、「せっかちやめた事件」。
それまで家族としか行ったことがなかった焼肉屋に、初めて友達と行ったときのこと。我が家のスタイルでは、お皿にある肉はどんどん焼いていき、常に網の上に何かしら乗っているのが当たり前でした。その日もいつものように焼こうとしたところ、友達に何度も「焼くのが早い!」と制止されてしまったのです。
自分のペースで焼けないので、私はイライラしてしまい、心穏やかではない状態に。でも友達のほうは、美味しそうにお喋りしながらお肉を食べていました。同じ焼肉を食べるというシチュエーションなのに、友達は楽しそうで、かたや私はイライラ。そのときに、「もしかして、せっかちってすごく損かも?」と。自分の思うようにペースが進まないことで焦ったり、取り乱したりするのは、誰よりも自分にとって損なことだと気づきました。
そのとき、「せっかちをやめよう」と決意しました。生まれつきの性格で治らないような気がしていましたが、考え方が変わったことで、自然とやめられたのです。「見方を変えるだけで、性格って変えられるんだ」。目からウロコの発見でした。
せっかちをやめてから、ストレスも減らせるようになりました。それまでは、起こってもいないことや考えてもどうにもならないこと、つまり「悩んでも仕方のないこと」にかなりの時間を割いていました。悩みを自分で連れてきて、自分でストレスにしている。これって1ミリも得にもならないから直そう、と思ったのです。
悩みやストレスの原因になりそうなことに出会ったら、「これは今、悩むべき事なのかな」と一度検証し、私が悩んでも仕方がないことだと思ったら、悩むのをやめる。いかに物事を客観的、中立的に見て、自分で解決していくか……ということにも注力していましたね。そんなことを続けているうちに、いつのまにかストレスフリーに。
心の持ち方次第で、物事はどうにだって捉えられる。自分次第で、いくらでも“ご機嫌な生活”は送れる。そのマインドは、仕事の上でも役立ったように感じています。
私が読者モデルを始めた頃、世の中にはたくさんの読モがいました。可愛い子もステキな子もいて、比べて落ち込むことが一度もなかったとは言いませんが、そのときには既に、「どう捉えるのが一番、自分のプラスになるかな?」という考え方ができるようになっていました。
「“私だからできること”を、とにかくやっていこう」と思い、言葉を大切にしてブログを1日何件も書いたり、すべてのファンレターに返事を出したりしていました。マメな性格であることは自覚していたので、それを活かしてがんばろうと。雑誌は作り込まれたものを見てもらう場所だけど、ブログは“自己表現ができる場所”として大切にしていました。
そうして機嫌よくがんばっているうちに、いろいろなお話をいただけるように。気がついたら、ものづくりにも携わるようになっていました。自分にしかできないことを突き詰めていった結果、その“煮こごり”の部分が今の私になった。
うまくいっている人を見たときは、その感覚だけをもらって、真似はしません。今、ライフスタイルを仕事にできているのは、早くにストレスフリーになれたこと、そして「今の私だからできることは何だろう?」という視点を持てたことが大きかったのかなと思います。
構成/外山ゆひら