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アンテナショップ探訪「長野県編」<後編>

引き続き、長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」をレポートします。前回は「鹿ソーセージ」などのジビエ食材や「すんき漬け」、また「柿巻きゆべし」といった長野ならではのおいしい名産品をご紹介しました。今回も同店ショップサブリーダー柴田さんにお話を伺っています。

アンテナショップ探訪「長野県編」<後編>

アンテナショップ探訪「長野県編」<前編>

https://p-dress.jp/articles/6329

長野県、またの名を信州。南北約220kmと長く、日本で4番目に広い面積を持ち、1998年には冬季オリンピックが開催された場所としても有名です。日本アルプスを始め、八ケ岳山麓、軽井沢、志賀高原などへレジャーに訪れた方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」を訪れました。

さて、改めて店内をぐるりと見回すと……

「ナニコレ?」とつぶやかずにはいられない品々が。東京と長野、さほど遠い距離ではないのに、どうしてこんなに知らないものがあるのでしょう。

■働き者のマストアイテム「なぎそねこ」

──今さらすみません、お会いしたときから気になっていたのですが、何を背負っていらっしゃるのですか? ほかの店員さんたちも背負っていらっしゃいますが……。

「あ、これですか? 『なぎそねこ』です。なにせ長野は寒いので、室内でも防寒着が必須。しかし作業をするうえで袖や前身頃があると邪魔なので、冷えやすい背中だけを暖めるようにこのような形になりました。

『なぎそねこ』は木曽郡南木曽町で古くから伝わるもので、暖かいのに動きやすいということで、県外の方も買っていかれますよ」

──取材中、「なぎそねこ」を3枚ほど手に取る女性を発見。家族用に買っていくのでしょうか。確かに身軽なのに暖かそうで、とても実用的そうです。

ちなみに、なぜ「ねこ」なのかというと「猫のように暖かいから」「ねんねこはんてんを転じた」など諸説あるそう。ともあれ、ネーミングもほっこりしますね!

■食べたい人も、飲みたい人もどうぞ! 「バルカウンター」

──お店の真ん中にあるのは、イートインコーナーでしょうか? さっき、女性の方がワインを飲みながら何やら召し上がっていましたが。

「はい。この場で信州の味わいを楽しんでいただけるコーナーが、この『バルカウンター』です。今は、高野豆腐の煮物や粕汁がついた『雑穀米ごはんせっと』や、おやき、生ビールなどをお出ししています。(※)季節によってメニューが変わります。

長野はぶどうの産地でもあり、最近はこぢんまりとしたワイナリーが増え、長野産ワインも多く出回るようになりました。同店にはソムリエがいます。ご希望のお客様にはお好みに合った長野産ワインとのマリアージュをおすすめしています」

──定食を食べられるだけでなく、ビールやワイン、さらにマリアージュまでご用意していただけるのですか……。なんて至れり尽くせりなアンテナショップ!

ちなみに長野は4つのワインバレーを持ち、ワイン用ぶどうの生産量は全国第1位。列車内でワインの飲み比べができる「信州ワインバレー列車」もあるそうです。(※)期間限定。

■聞いたことはあります。でも食べたことはありません。あぁ、これが例の……

「Mさん、ちょっとこちらへ……」

──取材班・Aが商品を撮影中、取材に同行してくださっていた次長・保科さんがニコニコしながら筆者に手招き。

はい、なんでしょうと答え終わる前に、言葉を失った筆者。見たのは……

「昆虫食です。聞いたことはあるでしょう? 僕たちは、子どものころよく食べたものですよ。昔は田んぼで採ってきたイナゴをつくだ煮にして、当たり前のように食べていました。これはカイコのさなぎ、こっちは蜂の子」(保科さん)

──……。

「昆虫食は高たんぱくで低カロリー。ダイエットや美容にもおすすめです。諏訪湖の方では、いなごのつくだ煮をソフトクリームにトッピングした『バッタソフト』が人気です。見た目はグロテスクですが、食べてみるとおいしいですよ」(同)

──……いなごや蜂の子のつくだ煮が甘辛くて香ばしいというのは、聞いたことがあります。食糧が豊富になかった時代には、貴重なたんぱく源であったことも頭ではわかっています。でも……。

……ご興味のある方は、ぜひ「銀座NAGANO」へ足を運んでみてください!

■サブリーダー柴田さんおすすめの厳選商品は、こちら!

──では柴田さん、個人的な好みで構いませんので、おすすめ商品ベスト3を発表してください。

「はい。では、まず『牛乳パン』を。

県民のソウルフードという点では、北海道のアンテナショップさんで紹介されていた『ビタミンカステーラ』と同じかと。長野県民は、牛乳パンを愛しています。

木曽町の『かねまるパン店』さんが牛乳パンの元祖と言われ、今ではさまざまなパンメーカーから販売されています。濃厚なバタークリームがパンの間に挟まれていて、素朴で懐かしいお味です。当店では、かねまるさん以外に、モンパルノさん、小林製菓舗さんなど日替わりで取り扱っています」(柴田さん)

──「牛乳パン」自体は食べたことがないのですが、古い記憶の引き出しの奥に残る「あの味」に近いのでしょう……わかります。「食事」というものが、野菜炒めとか煮物とかじゃなくて、ああいう甘いパンであったらどんなに良いかと憧れた幼い頃の記憶が蘇ります……!

なお、同店では「牛乳パンTシャツ」も販売中。昭和の香り漂うレトロなデザインが素敵です。普段使いにはもちろん、長野出身の方へのサプライズプレゼントとしてもおすすめです。

さて、お次は?

「これは、知る人ぞ知る商品です。『栗きんとんおこげ』(50g/税込842円)。栗きんとんを作った際、お釜にこびりついた栗きんとんをこそげ落としたもので、栗きんとんの甘みとパリパリ感が楽しい商品です。栗きんとんは足が早いですが、こちらは賞味期限が長いので、ゆっくり楽しんでいただけます」

──「お釜からこそげ落とした」と聞いただけで、テンションが上がります! ご飯のおこげ然り、鍋底にこびりついたシチューやカレーの残りや、肉や魚の骨に残った肉をこそげ落としたのって、なぜか格別においしいんですよね。

なお「栗きんとんおこげ」は、大量生産できるものではないので、品切れにご注意ください。

では、最後の3つめを発表していただきましょう。

「実は、私は食べたことがないんですが……」

──え? 食べたことがない?

「はい。『ドライフルーツサラミ』というんですが……」

──ドライフルーツとサラミが合体したものでしょうか? 甘いのかしょっぱいのか、謎ですね。

「肉は入っていないんです。ドライフルーツを圧縮してサラミ状にしたものなんです。そのお値段、なんと4000円……」

──!!!

「ドライフルーツを圧縮するのにコストがかかるんですかねぇ? ドライフルーツ自体、高級食材ですからね。重量もかなりあるでしょう。これだけの量のドライフルーツを使うとなると、それなりのお値段になるのかもしれません……」

──大トリに、食べたことがない商品を選んだ柴田さん。長野県民のおおらかさを感じます!

なお長野は、信濃クルミやドライレーズンなどドライフルーツの名産地でもあります。ドライフルーツ好きな方はぜひ、柴田さんイチオシ(でも味は謎)の「ドライフルーツサラミ」(ハーフ150g/税込2160円、フル300g/税込4320円)をお試しください!

さて、2014年10月にオープンした「銀座NAGANO」。2018年の2月で来場者数285万人を超え、その後も来場者は年々増え続けており、2017年度年は年間100万人近い方が訪れる見込みだそうです。

「来てくださる方が、いつ来ても新鮮な気持ちで店内を回っていただけるよう、長野県内の事業者様と連携しながら最高の商品を仕入れるようにしています」と柴田さん。長野に縁がなかった方も、同店を訪れると自然と長野に愛着がわくことでしょう。

■取材班からのひと言

2階では、「なぎそねこ」だけでなく、「水引」の販売も行っていました。長野県の飯田は、水引製品の全国の70%を生産しているそうです。製品になる前の紐の販売もありました。好きな色の水引を買って、カードやちょっとしたプレゼントの飾り付けができると素敵ですよね。四つ編みは簡単にできて水引の色合いがとても綺麗に見えるそうなので今度チャレンジしてみたいです。ワークショップも開催されているので、ぜひHPをチェックしてみてください。

その他、ワインだけでなく、「よなよなエール」をはじめとした地ビールも多数お取扱いがあり、見ていて楽しめました。私は、ウイスキーを飲むことはないのですが、保科さんおすすめの“長野県限定”の「信州ウイスキー」に惹かれ購入しました。鹿児島の焼酎で有名な「本坊酒造」が長野県でウイスキーを造っているということもポイントでした。ストレートで飲むウイスキー、ちょっとはまりそうです!

■銀座NAGANO 店舗情報

https://www.ginza-nagano.jp/
東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル1F・2F・4F

<アクセス>
東京メトロ銀座駅 A1・B5出口から徒歩1分
JR有楽町駅から徒歩7分

<営業時間>
10:30~20:00(1F・2F)

<定休日>
年末年始

<問合せ>
03-6274-6015(代表)

※商品の発送について
ヤマト運輸にて発送可能。ただし冷凍は不可。

※贈答用の対応について
応相談。

※ベビーカーが入店できるスペースの有無
スペースは狭いものの入店OK。

アンテナショップ取材班

DRESSで連載中のメンバーが、日本各地の美味しい食べ物や、その地方でしか手に入らない名産品を探しに都内にある各地のアンテナショップを取材。ショップからのオススメ商品や、取材班が気に入ってしまった商品を紹介していきます。 ...

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