アンテナショップ探訪「長野県編」<前編>
長野県、またの名を信州。南北約220kmと長く、日本で4番目に広い面積を持ち、1998年には冬季オリンピックが開催された場所としても有名です。日本アルプスを始め、八ケ岳山麓、軽井沢、志賀高原などへレジャーに訪れた方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」を訪れました。
「長野といえば、スキー場とリンゴと野沢菜」程度の知識しかなかった取材陣でしたが、ショップに一歩足を踏み入れるやいなや、驚きの連続。
まず「過去記事、読ませていただきましたよ」とおっしゃったのは、同店ショップサブリーダー柴田さん。なんと事前にバックナンバーを読み、取材当日に紹介する商品とその知識を深めておいてくださったのでした。
■自然と共存しながら、おいしいものを。ジビエと信州サーモン
「まずご紹介したいのが、ジビエです。長野では、豊かな自然環境を守り、人と野生鳥獣が共存できる環境を作っていこうということで、ジビエの有効活用化に取り組んでいます。
こちらのショップでは、『鹿カルパス』『鹿ソーセージ』『猪大和煮』などを取り揃えております。肉にクセがなく、とても食べやすいんです。お酒も進みますよ」(サブリーダー・柴田さん)
──鹿肉や猪は牛肉や豚肉と比べ、高たんぱく、低脂肪、低カロリー。さらにビタミンB2やミネラルを豊富に含んでいるそうで、ダイエットや成人病対策におすすめなんだとか。
肉食かつ正月太りをなんとかしたい筆者としては、絶対に食さなければ!
……あれ? この隣にあるのは、サーモンですか? 長野って、海に面していないんでしたよね?
「そうなんです。長野は魚といえば川魚しか獲れません。川魚は火を通さなければ食べられないので、生で食べられる魚を……ということで、約10年かけて開発されたのが、この『信州サーモン』(70g/税込850円)。ニジマスとブラウントラウトを交配させています。あっさりしているので、白ワインにとても合います」
──私も生サーモンが大好きなんです。特に、スライスしたサーモンを酢じめにして、スライスした玉ねぎを自家製ドレッシングで和えたマリネは、無限に食べられます! あぁ、白ワインが飲みたくなってきた……。
ちなみに、この信州サーモンは養殖のみ。長野で川釣りしても、信州サーモンは釣れません(笑)。
■長野のご飯のお供といえば……
「続けてご紹介するのは、木曽地方の伝統的な漬け物『すんき漬け』。赤カブの葉を乳酸発酵させて作ります。ご飯のお供としてだけでなく、みそ汁やそばなどにも入れて食べます。塩は一切使っていないので血圧が心配な方でも安心して召し上がれますし、漬け物液は乳酸菌を含みますので、ヨーグルトも作れるんですよ」
──お味は、やや酸味があるとのこと。乳酸菌を含むところは、キムチに似ていますね。
乳酸菌は、整腸作用があるだけでなく、内臓脂肪の減少やアレルギー症状の改善効果も期待できるそう。お肌にも良さそうですし、良いことづくめですね!
ところで長野といえば、野沢菜の方がイメージとしては強いのですが、最近の若い方は野沢菜をあまり食べないのでしょうか?
「いえいえ、今でも野沢菜は長野県民のソウルフードです。
野沢菜は、地域によっては『お葉漬け』ともいいまして、家庭ごとに代々のお嫁さんがノートに記したレシピを受け継ぐのが伝統。干し柿の皮を入れる家庭があったり、とうがらしをたっぷり入れる家庭があったりと、レシピはそれぞれ。
また、昔は漬け樽(たる)が木でできていたので、その木に付着している菌も家庭によって違う。だから、それぞれの家庭によってできる野沢菜は味がまったく違うんですよ」
──あぁ、わかります。筆者の祖母が漬けていた漬け物も、独特の味がしていました。ぬか漬けでしたが、ぬか床をかきまぜる頻度とか入れる具材とかで、風味が変わってくるんですよね。同じように野沢菜も、やはり各家庭の味があるのでしょう。
■冬の風物詩「市田柿」(干し柿)
──またもや個人的な話ですが、筆者の母は干し柿が大好きなので、おいしそうな干し柿があると母に送っています。長野では、市田柿(干し柿)が有名でしたね。
「そうなんです。紅葉の時期に農家の軒先に柿がのれんのように吊るされているシーンを見たことがあると思いますが、市田柿はその最たるもの。見てください。鮮やかなオレンジ色を残しつつ、立派な粉を吹いているでしょう? この粉は、甘みの結晶。一般の人が作ると柿が黒ずみがちで、粉もあまり吹きません。
ちなみに長野の冬はほとんど零下なので、吊るしっぱなしだと凍ってしまいます。ですから、まめに手で揉んでやるんです。これも長野の風物詩といってよいでしょう」
──長野といえば、スキー場が多いイメージがありますね。真冬はマイナス10度近くまで下がる地域もあるのだとか。ある地域の学校では、校庭に水をまいてスケートリンクにするのだとか。寒さのレベルが東京とは違います。
さて、こちらには目新しいスイーツらしきものが並んでいますね。
「まず、栗きんとんとガナッシュを詰めた市田柿をビターチョコレートで丸ごとコーティングした『フリュイショコラ市田柿』は、甘いもの好きな方に大人気の商品です。コーヒーのお供にも、お茶うけにもバッチリ。ご年配の方から若い方までファンが多いんですよ。
そして、信州珍味といわれている『柿巻きゆべし』(1本・200g/税込1296円)です。干した市田柿に手作りのゆべしを入れて巻いてあります。いわゆる『ゆべし』とは違い、実をくり抜いた柚子の中に、お味噌を入れて乾燥させて保存食です。しょっぱいのが特徴で、酒の肴(さかな)にもおすすめです。ちょっと召し上がってみますか?」
──そう言って、柴田さんが楊枝(ようじ)に刺した一口サイズの『五百石ゆべし』(1個・120g/税込864円)を持ってきてくださいました。
さて、実食。ふんわり香るゆずの香り。あ、本当だ。ちょっと塩気があります、これがお味噌ですね。噛めば噛むほどゆずの香りが口いっぱいに広がり、食べ応えもしっかり。うん、日本酒が飲みたくなりました(笑)。
「それから、長野はプルーン生産量が日本一ということをご存じでしたか? その中でもおすすめなのが『くらしまプルーン』。8月末から9月初旬にかけて当店で多く入荷しており、生でもおいしく召し上がれます。ビタミンやミネラルが豊富で、抗酸化作用もあり、さらに骨粗しょう症の予防効果もあると言われ、アンチエイジングを目指す女性に人気です」
長野といえば長寿県。聞いているだけで健康になりそうな食品を毎日食べ続ければ、心も体も元気になりそう。長生きできる方が多いのも納得です!
さて次回は、取材陣の目を引いた長野の名産品と、サブリーダー柴田さんが厳選した3品をご紹介します。お楽しみに!
■取材班からのひと言
店舗の奥には、長野県のお菓子がたくさん取り揃えられています。以前、お土産でいただいてから、とても気に入っていてつい買ってしまうのが、信濃路うさぎやの「くるみそば」と、二葉堂の「りんご小径」!
「くるみそば」は、じっくり練り上げられた餡がそば粉の皮で包まれていて、くるみがまぶされています。皮がしっとり、甘さも上品で1切れ、2切れととまらなくなります。
「りんご小径」は、バームクーヘンの生地にリンゴが挟んであり、ホワイトチョコでコーティングされているお菓子です。冷やして食べてみてください!
その他、長野県出身の友人から教えてもらった御菓子花岡のくるみを使ったお菓子も美味しいですよ。1個単位で購入できるので、ぜひ、覗いてみてください!
■銀座NAGANO 店舗情報
https://www.ginza-nagano.jp/
東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル1F・2F・4F
<アクセス>
東京メトロ銀座駅 A1・B5出口から徒歩1分
JR有楽町駅から徒歩7分
<営業時間>
10:30~20:00(1F・2F)
<定休日>
年末年始
<問合せ>
03-6274-6015(代表)
※商品の発送について
ヤマト運輸にて発送可能。ただし冷凍は不可。
※贈答用の対応について
応相談。
※ベビーカーが入店できるスペースの有無
スペースは狭いものの入店OK。