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おひとりさま女性の老後=孤独、とは限らない

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「独身だと老後が孤独」とは本当でしょうか。診察を通じて多くの高齢おひとりさま女性と接している内科医の私。その考えは違うのでは、と思うようになりました。配偶者がいようといまいと、最後はひとりになる女性が多いです。生涯おひとりさまでいる女性のなかにも、人に囲まれ、大切にされる方も少なくないからです。彼女たちの共通項とは。

おひとりさま女性の老後=孤独、とは限らない

内科医をしている岡本彩です。

「独身だと老後が孤独なのでは」と懸念する声を聞くことは少なくありません。でも、実際そうなのでしょうか?

内科医という仕事を通じて、多くの高齢おひとりさま女性と接するうちに、それは違うのではないかと考えるようになりました。

■配偶者の有無に関係なく、最後はひとりで過ごす女性が多い

わたしが担当している患者さんは80歳代がメイン、なかには100歳代の方もいらっしゃいます。女性のほうが長生きなので高齢になるほど女性の割合が増えます。ご自宅で家族と暮らす人も、おひとりで暮らす人も、施設で暮らす人もいます。

女性のほうが男性より平均寿命が長いこと、また夫が年上である夫婦が多いことから、たいていは夫が先に亡くなります。配偶者がいたとしても、同時期に亡くなるという夫婦は珍しいです。

高齢者向けの施設に診察に伺うこともありますが、「夫婦で入居している人たち」が「ひとりで入居している人」より孤独でないかというと、そんなことはありません。

おひとりさま女性には社交的な人も多く、友達をつくって楽しく過ごしている人もいます。いっぽう夫婦で入居する人(特に男性)の中には、配偶者以外の人と話さない人もいます。

■おひとりさまで楽しく過ごす女性たち

わたしがこれまで出会った中で一番楽しそうに過ごしていたのは、生涯独身でお子さんもいない90歳代の女性でした。彼女は歌の先生をしていたので、生徒さんやご友人が毎週施設に訪ねてこられ、いつも賑やか。

わたしの診察でも毎回、「先生のおかげです。ありがとうございます」と笑顔で言ってくださり、多くの人に慕われる理由は、彼女の人柄だなと感じたものです。

ほかにも印象に残っている患者さんがいます。彼女は95歳。結婚歴は不明ですが、お子さんはおらずおひとりでした。いつも彼女の身の回りのお世話をしてくれる男性がいました。てっきり実の息子さんかと思っていたら、なんと昔彼女が乳母をしていた方とのこと。

逆に、お子さんが5人いらっしゃる女性患者さんで、「先生、子どもはちっともわたしに会いに来ません。子どもなんてたくさんいても関係ありません」と言われる方もいらっしゃいます。

人との絆に「血がつながっていること」は必須条件ではないのだなと、患者さんたちと話していて思うようになりました。

■あなたが「結婚したい」理由は?

「いずれ結婚したい」という独身の女性はとても多いですが、「どうして?」と聞くと「老後にひとりで過ごしたくないから」「介護してくれる人がいないと困るから」という人がいて驚くことがあります。

あなたが逆の立場なら、パートナーとしてではなく将来の介護要員として期待される相手と結婚したいでしょうか?

多くの既婚女性患者さんから、「夫と別れたいけど経済的な理由でガマンしている」「子どものことを考えて離婚せずにいる」という相談をされてきました。

もちろん事情はそれぞれでしょうが、わたし個人としては、好きでない人と過ごすくらいなら、ひとりでいたほうが幸福度が高いのではないか、と考えています。

■周りから大切にされるおひとりさま女性の共通項

家族のいるいないよりも、周りに感謝できる人が大切にされている気がします。いつも「ありがとう」「おかげさまで」と口に出す人はやっぱり力になってあげたいと思います。医療関係者や介護関係者も人間ですから。

素敵な高齢おひとりさま女性と出会う度に、わたしも常に周りに感謝できる人でありたいと思います。

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岡本 彩

1982年広島市生まれ。2007年大阪大学医学部卒業。医師。外国人のパートナーとの間にもうけた2児のシングルマザーでもある。 予防医学と訪問診療にたずさわりながら、個人でセミナーやコンサルティング、執筆などもしています。

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