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ポールダンスは女性であることを楽しめる時間【新世界を嗜む】

『DRESS』1月特集は「新世界を嗜む」。2018年は新世界=「未体験の趣味」と出会ってみませんか。趣味は自分の生きる世界を広げてくれて、日々を今よりもっと素敵にしてくれるもの。本記事で紹介するのは「ポールダンス」。3年半ポールダンスを続けている、整体師の大沼祥子さんに寄稿いただきました。

ポールダンスは女性であることを楽しめる時間【新世界を嗜む】

『DRESS』1月特集は「新世界を嗜む」。ここで定義する新世界とは、未体験の趣味の世界。

思いっきり笑った、感動して泣いた、目標を達成して感動した、のめり込みすぎて時間を忘れていたetc.。趣味を通じて得るさまざまな感情や経験は、私たちの人生をカラフルにしてくれるもの。

「自分の人生にこれがないとつまらない」「これがあるおかげで日々が楽しい」。そんな風に思える趣味はありますか?

ある人はもちろん、ない人も、2018年は新世界に足を踏み入れて、新しい趣味と出会ってみませんか。趣味が自分の生きる世界を広げてくれて、日々を今よりもっと素敵なものにしてくれるはずです。

スポーツ(観戦含む)系、文化系に分けて、趣味に熱中している人たちが、魅力や楽しみ方を愛のある文章で語り尽くします。

まずは、「ポールダンス」という新世界へ飛び込んで楽しむ大沼祥子さんの例から見てみましょう。

■ポールダンスに出会うまで、運動経験はほぼゼロ

ポールダンスに出会ったのは30歳のときだった。当時、整体師であるのにもかかわらず、運動を一切してこなかったのがコンプレックスで、何か続けられる運動を探していたのだ。

恥ずかしながらそれまでに一通りのことは試していた。ヨガにランニング、ピラティスにジム通い、変わったところだとタップダンスなど。それでも一向に続いた試しがなく、もって半年、だいたいが3カ月が限度だった。

今までにないアプローチをしてみよう――そう思って、地元の三軒茶屋で習い事を探してヒットしたのがポールダンスだった。

最初は戸惑いだらけだった。そもそも30歳までまともに運動をしたことがない私が、簡単に手を出せるものではないと思っていたのだ。筋肉量も少ないし体は硬い。

でも、三茶のポール&スタジオ「graceA」のHPに写っている、美しい人たちのしなやかな体に私は魅了された。

「女性」を思いっきり表現している彼女たちには、ポールダンスになんとなくイメージしてしまう“嫌らしさ”は微塵も感じなかった。女として生まれたことを心から喜び、誇っているのが写真からも伝わってきた。

しかもHPをじっくり読んでみると、ダンス未経験、運動未経験でも歓迎とのこと。30代の生徒も多そうだったのもよかった。

そこで思い切って体験レッスンを受けることに。なんでも思い切りはいい方だ。もし合わなかったらやめればいい。そんな軽い気持ちだった。

■ポールダンス初日の思い出

レッスン当日、緊張しすぎて予定より早くスタジオに到着。まだ誰も来ておらず、さらにそわそわしながら待つこと10分。

今まで会ったことがない、ものすごい美人が颯爽と現れた。顔もスタイルも圧倒的に美しく、何よりもオーラがすごい。

彼女の周りだけ光ってるような。大げさではなくそんな印象だった。強く、媚びず、凛とした美しいオーラ。過去30年でこのようなオーラを放つ人を真近で見たことがなかった。一瞬で、ポールダンスの先生だとわかった。

「おはよう! 初めての方?」
「は……はい」

これが精一杯。あまりのオーラに圧倒されていると生徒たちが集まり、あれよあれよとレッスンが始まった。

正直この日のレッスンのことは、緊張のあまりほとんど覚えていない。ただ、ただ先生のオーラや美しい動きに魅了されっぱなしの75分だった。

■セクシーな自分を楽しめるポールダンス

それから3年半、このスタジオに通ってレッスンを続けている。なぜ運動がまったく続かなかった私がポールダンスだけは続けられたのか――。

大きく3つの理由があると思う。前出のように、ポールダンサーに魅了されたことがひとつ。自分の女性性を思い切り表現できる場、としてのポールダンスに惹かれたことがひとつ。

社会にいて普段自分が女性だな。とダイレクトに感じる機会は少ない。でも、スタジオでは違う。

「シルクのシーツをつま先でつまむように足を寄せてきて!」
「そこ、恍惚とした表情で!」

などセクシーな表現がバンバン出てくる。最初は照れるが、ここでは照れる方が恥ずかしい。スタジオは思う存分女性を表現できる場なのだ。

行く度に女で生まれてきたことの喜びを感じられる気がする。

そして最後のひとつは「努力がわかりやすく形になる」という点。「筋肉は裏切らない」なんて言葉もあるが、まさしくポールダンスはそんな感じ。

練習したら練習した分だけできるようになる。筋肉、柔軟不足でできなかった技や振りが、あるときふっとできるようになったときの喜びは格別だ。「またがんばろう!」とウキウキする。

そんなこんなで私は初めて運動が続いている。おまけに、ポールダンスに出会ったことで姿勢がきれいになり、ウエスト周りもスッキリした。「女性らしくなったね」「素敵になったね」と公私で言われることも増えた。

大人になって、こんなにも楽しい! と思えることに出会えたのが何よりも嬉しい。お世辞にもまったく上手ではないが、体が動く限り続けていきたいライフワークのひとつだ。

Text/大沼祥子 
1983年11月2日、神奈川県出身。
20代前半に心身を病んだ事をきっかけに整体師を目指すように。
2012年に「三茶カイロプラクティック整体院」を開院。
施術を重ねていく中で「体と心はつながっている。不調の多くの原因はストレスである」
との思いから2016年に心屋カウンセラーの認定資格を取得。
心と体を癒す心屋カウンセラー整体師として三軒茶屋を中心に活動中。
三茶カイロプラクティック整体院
http://seitai-setagaya.jp

写真提供/著者

ポール&スタジオ graceA
http://www.poledance.jp

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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