1. DRESS [ドレス]トップ
  2. ライフスタイル
  3. 東京で幸せに生きるコツは「人と比べる」のをやめること【佐藤あつこ】

東京で幸せに生きるコツは「人と比べる」のをやめること【佐藤あつこ】

忙しすぎる日常が流れる東京。あまりにも忙しすぎて、情報が多すぎて、本当に自分が幸せなのか、不幸なのか、その基準を人と比べることによってのみ、判断するとつらくなる現状です。自分は自分、人は人。自分の幸せは自分で決める。そのスタンスで生きる人が都心での暮らしで幸せになれる人だと思います。

東京で幸せに生きるコツは「人と比べる」のをやめること【佐藤あつこ】

一度、東京一極集中について整理をしてみたいと思っていました。

何が問題なのか? 

東京に一極集中することによって、どうして少子化が進むのか?

少子化といえば、東京都です。

2016年の東京都福祉局発表の数字によると、合計特殊出生率が日本全国平均で1.42人であるのに対し、東京都は1.15人です。最低値は新宿区の0.97人。

近年、東京への一極集中を評価し、「東京が競争力を失うと、その冨を得るのは、実は海外の諸都市であって地方ではない」という主張も確かに存在します(『東京一極集中が日本を救う』) 。

つまり、少子高齢化社会においては、富が全国に分散されることにより、競争力が低下し、海外の諸都市を利するという原理だそう。これは一面で真理である一方、都心部にありがちな、厳しい子育て環境により、出生率の低い東京圏に人口が集中することは、ますます日本全体の人口減少につながる、と私は思います。

写真提供:中央区役所広報課

■なぜ、他者に無関心な人が増えるのか

人口が一極集中すると起きるのは、人が密集することで生じる競争原理の激化と、他者への無関心です。

第44回世論調査では、約5割の人が同じ階に住む人を「ほとんど知らない」と答えています。

マンション化率がダントツ1位である東京においては、「日本型福祉社会」を支えている「連帯と相互扶助」という家族や隣人との協力関係を破壊してしまう一面を持っています。

タワマンのドロドロとしている様子をドラマで描いた『砂の塔』 は、松嶋菜々子さんの謎の隣人と、子育てに追われる菅野美穂さんの演技がリアルでした。

あれは恐ろし過ぎる「作品」であるとしても、実際に、市場原理に影響を受け、「競争が当たり前」の地域が蔓延することにより、子育て中のお母さん同士でも、集合住宅の階数による価格差、我が家とよそのお家という意識が生まれ、他者への思いやりや愛情が希薄になってしまいます。

これはダイレクトに、家族や地域社会を壊すことへつながると考えられます。

■時代の流れで進んだ核家族化

現在の情報化社会に関する数々の提言を残したアルビン・トフラーは、新しい時代の波は、「古い社会と古い文化を脇へと押しやる」ものと定義しました。

トフラーによると、自給自足が主流であった農業文明から、産業文明を迎えると、ほとんどの人々は、他者によって作られた食糧や財貨、サービスに依存しながらの生活を始めました。

自給自足がなくなり、日本では、1930年に農業人口が半数以下となり、1955年にはサービス人口が農業人口を超え、市場による交換が経済の中心部分に位置し、男性は働きに出かけ、女性は家事に従事するという、分離を生み出すことに。

家計という単位において、生産と消費を区別するのに好都合であった核家族へと変化し、時代が大家族の必要性を、脇へと押しやったのです。時代の流れですね。

産業文明から現在への変化においては、人々の嗜好も多様化し、社会の構成員自体が細分化されたことで、大新聞や大衆雑誌は軒並み発行部数を落とし、メディアが非マス化しています。

■自分の幸せは自分で決める

これまで以上にグループ構成員ごとの部分間調整、考え方や価値観の違いと共通認識をお互いに共有するまでに要する時間と労力がかかり、構成員ごとの部分間を流れる大量の情報も必要とされるようになりました。

つまり、人も組織も、インターネットを利用し、常に大量の情報を求め続けることが、今後も予測されているのです。

東京一極集中とは、つまり忙しすぎる日常だと思います。

忙しすぎて、情報が多すぎて、本当に自分が幸せなのか、不幸なのか、その基準を人と比べることによってのみ、判断してはいけない。

自分は自分、人は人。

境遇、環境、職業、所得の差を「立場の違い」と理解して、自分の幸せは自分で判断したいと思いませんか? 

いろいろな人と関わることで、比べるのではなく、自分のチャレンジのヒントにして肥やしにしていく。立場の違いの中で、それぞれの幸せを見出していく。

それができるようになりたいと、思うんです。

佐藤 あつこ

地方議員であり、子育てママとして日々奮闘中。地元である東京都中央区では、自民党において戦後55年体制からたった2人目の女性議員(子育てママとしては唯一)である。 2017年は地方議員として活動しながら、子どもの「お受験...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article