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クロスフィットが「今」に集中する私をつくってくれた【新世界を嗜む】

『DRESS』1月特集は「新世界を嗜む」。2018年は新世界=「未体験の趣味」と出会ってみませんか。趣味は自分の生きる世界を広げてくれて、日々を今よりもっと素敵にしてくれるもの。本記事で紹介するのは「相撲観戦」。週2回クロスフィットを楽しむ会社員、Yoshimiさんに寄稿いただきました。

クロスフィットが「今」に集中する私をつくってくれた【新世界を嗜む】

『DRESS』1月特集は「新世界を嗜む」。ここで定義する新世界とは、未体験の趣味の世界。

思いっきり笑った、感動して泣いた、目標を達成して感動した、のめり込みすぎて時間を忘れていたetc.。趣味を通じて得るさまざまな感情や経験は、私たちの人生をカラフルにしてくれるもの。

「自分の人生にこれがないとつまらない」「これがあるおかげで日々が楽しい」。そんな風に思える趣味はありますか?

ある人はもちろん、ない人も、2018年は新世界に足を踏み入れて、新しい趣味と出会ってみませんか。趣味が自分の生きる世界を広げてくれて、日々を今よりもっと素敵なものにしてくれるはずです。

スポーツ(観戦含む)系、文化系に分けて、趣味に熱中している人たちが、魅力や楽しみ方を愛のある文章で語り尽くします。

ここでは、「クロスフィット」という新世界へ飛び込んで楽しむ会社員、Yoshimiさんの例を見てみましょう。

■近年話題のトレーニング「クロスフィット」

クロスフィットをご存知ですか? クロスフィットとは、近年カリスマトレーナーAYAさんでも話題のファンクショナルトレーニングです。スタミナ、柔軟性など身体の要素を10個に分け、それぞれにアプローチするもの。

例えば、スタミナをつけたいのであれば、負荷はそれぞれが持てる最大の重さよりも軽めの重さで、回数が多い動きや時間が長い動きを取り入れる。

柔軟性をつけたいのであれば、身体の部位を意識してストレッチをかけながらの動きを行う。という風に、アプローチしたい要素によってトレーニングの内容が異なります。

精神的にも身体的にも健康になることを目的としたトレーニングは、ストイックでかつとても充実。近年、話題になっています。

■できない悔しさから、クロスフィットにたどり着いた

私とクロスフィットとの出会いのきっかけは、2017年5月、日本で初めて開催されたスパルタンレース(*1)でした。

*1 リーボックが主催する、障害物とランニングを組合せたレース。世界中で開催されています。

ジムに週5回通い、体力に自信があった私ですが、モンキーバー(うんてい)やホイスト(縄についた重りを引き上げる)、サンドバッグキャリー(砂の入った袋を持った状態でコースを歩く)、ロープクライム(縄登り)など、次々と登場する障害物に太刀打ちできず……。

クリアできない分、ペナルティとしてひとつの障害物につき30回のバーピージャンプ(*2)が課されます。合計で150回のバーピージャンプを行い、なんとか完走。

*2 バーピージャンプとは、腕立て伏せで胸を地面に付けた状態から、膝を伸ばしてジャンプする動きのこと。アップダウンの上下運動が激しく、30回行うと息がかなり上がります。

自分の身体なのに思い通りに動かせないなんて……と衝撃を受けました。そして、悔しい! 次のレースでは今回よりも成長したい! そんな思いが湧き上がりました。

どうしたら強くなれるのか……。近道はクロスフィットだ、という考えに至りました。

■1時間のトレーニングで1日運動した感覚がある

レースの前に広尾のクロスフィットで、スパルタンレースの練習会に一度参加したことがありました。

クロスフィット特有の、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて行うトレーニングは非常に刺激的。吐きそうなほど辛いと感じながらも、心は充足されます。たった1時間のトレーニングなのに、1日分運動したかのような疲れが身体を襲います。

例えば、有酸素運動ではローイングマシン(ボートを漕ぐ動き)、バイク、ランニング、二重飛び、ボックスジャンプなど。

無酸素運動ではバーベルを使用したスクワット、クリーンアンドジャーク、スナッチ、ランジ、懸垂、トゥズトゥバー(バーにぶら下がった状態から身体の反動を使い、つま先をバーに当てる動作)、マッスルアップ、ケトルベルスイング、ウォールボールなど。

入会して5カ月の今でも、初めてする動きが登場するためとても新鮮です。

短い時間で追い込むのが初めての経験で開眼。レースの後、すぐにクロスフィットへの入会を決意しました。

それまで通っていたジムの退会手続きを経て、2017年7月にクロスフィットへ入会。週2回クロスフィットでのトレーニングを継続しています。

トレーニングをするときは、コーチや仲間が一緒です。最大15名のクラスのためコーチも都度アドバイスをしてくれます。一人ひとりの適切な重さ、回数になるようにコーチと相談するのも普通です。

ファーストネームで呼び合う点には驚きましたが嬉しくもあります。名前を呼び合うことで信頼関係を築きやすいと感じます。

人数が多すぎないため、何度か顔を合わせる方とは自然に会話が生まれます。ハードなトレーニングを乗り越えたときはハイタッチすることも。ハードな経験をともにするからか、仲間意識が生まれやすいのかもしれません。

■クロスフィットを始めて、新しい挑戦をするのが楽しくなった

クロスフィットは毎回メニューが異なります。そのため毎回が刺激的です。

おかげで、日常生活で新たな挑戦をするときでも、困難でもまずやってみよう! とポジティブな考えが持てるようになりました。

とはいえ、トレーニングはハード。クロスフィットで運動していると、吐きそうなほど辛い瞬間が訪れます。

その中でやるかやらないかはすべて自分次第。決められた時間、決められたセットの中でいかに過去の自分に打ち勝つか。

諦めようとすればいつでもやめられるけれど、1歩でも1回でも多くやるぞ! そうやって毎回粘り強くトレーニングを積んでいると、肉体的にも精神的にも感覚が研ぎ澄まされるようになりました。

私が通うジムの場合、クロスフィットのメニューは前日の夜19:00に発表されます(会員専用のWebページで確認可)。クラスが始まると、コーチから当日のメニューの説明があります。

例えば、決められた時間の中でたくさんのラウンドを行うトレーニングはAMRAP(As many rounds as possibleの略)といいます。当日のメニューによって、10分以内、15分以内など制限時間が決められています。

■ある日のメニュー
20分 AMRAP

下記の動きをひとつのラウンドとして、20分間できるだけ多くのラウンドを行います。

2回マッスルアップ
4回ハンドスタンドプッシュアップ
8回 ケトルベルスイング

マッスルアップ(リングにぶら下がり、身体の反動を使ってリングより上に身体を持ち上げる動作)は私はできないため、強度を落としてバンドを使った懸垂へ変更。

ハンドスタンドプッシュアップ(壁越しに逆立ちした状態での腕立て伏せ)もできないため、逆立ちをしない状態での動作へ変更。

このようにできない動作がある場合でも、できる限りの負荷をかけて行うことで身体を作っていけます。動作ができている他の方の動きを見ていると、自分もできるようになりたい! と思いトレーニングに参加する度に刺激を受けています。

負荷をかけるStrengthというトレーニングの場合は、過去の自分の記録を確認しながら当日の重さを決めます(トレーニングの都度Webに記録することで、後から記録を確認できる)。

例えばバックスクワット 1回MAXの70%の重さで5回を5セットという指示などです。

こうやって心身を鍛えているおかげで、仕事でプレゼンテーションをするときも緊張しなくなりました。これは以前より自分に自信が持てるようになったから、だと思います。

以前は人にどう見られてるかを気にしていた私ですが、クロスフィットをきっかけに視点をシフト。自分がどうしたいかを主軸に考え、今この瞬間を最大限に生きる! がモットーになりました。

■クロスフィットを始めて人生が変わった

クロスフィットを始めてよかったことをまとめると……未来への不安がなくなり、「今」に集中できるようになったこと、だと思います。

クロスフィットに通う前は将来に不安を感じていました。いつか病気になったらどうしよう。老後は年金がもらえるのか。人生を終わりから逆算していつも考えるクセがありました。ピンピンコロリで生涯を終えるのが私の願いです。

今は悩んで悶々とする時間が減り、今この瞬間に集中できるようになりました。今というこの瞬間に最大限に力を発揮できるかどうかはすべて自分次第。

トレーニングでそれが身に沁みてわかりました。妥協したときは気持ちよくトレーニングを終えられない。本気でやったときは、たとえ回数が人より少なくても気にならない。他の人と比較するのは無意味。比較する対象は過去の自分。

クロスフィットの目指すところは、健康な身体を作ることです。毎日いろいろな刺激を身体に与えることでホルモンが分泌され、それによって心身ともに健康になれる、と考えられています。

運動を通じて心もトレーニングできていると実感しています。限られた人生の時間の中で、最大限に濃厚な時間を過ごせるクロスフィットは、今私の人生には欠かせません。

Text/Yoshimi
小学生時代は水泳、中学高校時代はバドミントン部で部活動に励む。その後運動習慣がなくなってしまい体重増加。大手のジムに通うもモチベーションが続かず退会。スパルタンレースをきっかけに奮起。今の目標はスパルタンレースでのトライフェクタ達成(※)、各種トレイルラン大会での入賞、トライアスロン完走に向けて日々トレーニングに励む。Instagramは @yoshimiyosshii。通っているクロスフィットジムは @crossfitroppongi

(※)スパルタンレースでは障害物の数と距離のレベルに応じてBEAST,SUPER,SPRINTというカテゴリーが設けられている。2018年は全てのカテゴリーで完走することが目標。

写真提供/著者

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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