■「相談」という形でプライドを保つ
筆者の周りで、彼女と復縁したきっかけは、「自分から相談事を持ちかけた」ことだったという男性が結構います。
「相談って、何を話したの?」と尋ねると、
「仕事の悩み」
「家族のこと」
「精神的な病気になったこと」
「友人が悩んでるって嘘をついて」
など、いろいろな答えが返ってきました。
プライドが高くて自分からは復縁を申し出ることのできない男性が、どうして別れた女性に相談を持ちかけるなんてことができるのでしょうか。
それは、
問題の解決が目的ではないからです。
例えば、仕事でミスが重なって上司からひどく叱責され、配置転換になりそう、という話で元カノに電話をかけます。
女性のほうは、別れた元カレからの連絡に驚きますが、話は復縁ではなく何だか元気がない様子。
心配になってつい「どうしたの?」と尋ねてしまう。
これが男性の本当の目的です。
もし普通に連絡して、こちらは元気に「久しぶり!」と言っても、彼女から「何の用?」と冷たく返されればそこで終わり。
でも、明らかに落ち込んでいる様子を声ににじませながら、「急に電話してごめん……」と言えば、誰だって何かあったのかと心配になりますよね。
よほど嫌いでなければ、元気のない状態でわざわざ自分に電話をかけてきた元カレを放り出すなんてことは、女性はできません。
あえて弱い姿を晒すことで、彼女の同情を引き、自分のペースにしてしまう。
どうしようもなくなって、何とかきっかけを作りたくて、悩んだ末の行動ともいえます。
それでも、「よりを戻してほしい」という本音を隠すことで、男性のプライドはギリギリで保たれている状態です。
元カノに新しい彼氏ができているかもしれないけど、それはそれ。
もしそれを理由に会話を断られても、「復縁をお願いして振られた自分」ではなく「弱って元カノを頼ったけど相手にされなかった」と違う理由で終われます。
つまり、「ダサい自分」ではないわけです。
「相談」という形を取ることで、プライドを保ちながら元カノに接触できるのですね。
■過去を持ち出すことで気持ちを引き出そうとする
ここで、もし彼女のほうも元カレに未練があったなら、話は早いでしょう。
まだ愛情が残っている元カレから連絡があって、何か問題を抱えている。
それなら全力で支えようと思うのが女性ではないでしょうか。
男性のほうは、そんな元カノの未練も期待しています。
もし愛情が消えていたとしても、連絡を取り続けることでまた彼女に恋心が戻るかもしれません。
「支えてもらう自分」を作ることで、元カノの側にいる理由ができます。
あわよくば、このままよりを戻してしまいたい。それが本音です。
自分からは復縁を言い出せないので、状況を利用しながら新しい関係を築いていきたいのですね。
仕事のことを相談しながら、ふと「やっぱり俺のことを一番理解してくれているのはお前なんだな」と言ってみたり、「あのときはひどいことを言ってごめん」と昔のことを謝罪してみたり。
復縁を願っている男性には、必ず女性の気持ちを前向きにしたい、自分との関係を良いものと思わせたい言葉があります。
本当にただ悩みを解決したいだけなら、過去のことは持ち出しません。
ストレートに愛情を伝えられない分、付き合っていたころの女性の言動に感謝したり、自分の悪かったところを反省したりする言葉で、元カノの気持ちを引き出そうとします。
■どこまで付き合うかは女性次第
ですが、男性は大事なことを忘れています。
相談事を持ちかけることで、自分のペースで関係をやり直せると思っていますが、実はこの時点で主導権を握っているのは元カノのほうです。
「つらくて眠れない」と夜中に電話してくる男性は、そうやって甘えることで自分を受け入れてくれることを期待します。
俺のことが心配なら「大丈夫?」と優しい声で言ってくれるだろう、落ち着くまで会話してくれるだろうと思いますが、もしそうでなかったら。
「ごめん、明日早いからもう寝ないと」と電話を切られてしまえば、それ以上追うことはできません。
だって、相手をしてくれない彼女を責められるような関係ではないからです。
付き合っているなら、放っておかれる不満をぶつけられますが、あくまで相談している側とされている側のつながりです。
相手をしてくれるかどうかは、実は元カノ次第。話を聞いてくれる側の都合が優先されます。
次の日に「昨日はごめんね。大丈夫だった?」とLINEをくれるけど、それだって彼女から先にもらわなければ男性のほうからは送りづらいでしょう。
結局、どこまで男性に付き合うかは女性の気持ちで決まります。
連絡を取り合えるようになったなら、男性のほうから早い段階で復縁へ気持ちが向くように仕向けないと、いつまでも甘えるばかりではいずれ話題が尽きたときに困ります。
最終的に、またやり直したい気持ちを彼女に伝える選択肢しかなくなり、それを受け入れてもらって復縁が叶う。
「あわよくば」が通用するのは、女性側にもよりを戻したい気持ちがある場合だけなのですね。
もし、元カレからこんな連絡があったら。
男性の気持ちに寄り添える余裕があるなら、しばらく相談相手になってあげるのも良いと思います。
会話を重ねる中で、やり直せると思えるなら、あなたのほうから手を差し伸べてあげれば元カレは救われます。
ですが、本当にただの相談相手にしかなれないときは、早いうちにそう気づかせてあげるのも、元カレに無駄な時間を使わせないために必要です。
その気がないとわかれば、男性のほうは開き直って本音を言うか、諦めるしかありません。
ですがそれも、ふたりが改めて向き合う機会になります。
まっすぐに復縁を言い出せない男性の気持ちを理解して、お互いに納得のいく結果を出せると良いですね。
37歳で出産、夫と子どもの三人暮らし。何歳になっても恋愛ネタ大好物。恋愛相談家としてこれまで多くの男女から話を聞いてきた経験を活かし、復縁についてのアドバイスや不倫などさまざまな「愛のカタチ」について書いていきます。
人生...