投資初心者がまず押さえたい「分散投資」の考え方とは
分散投資とは、できるだけ相関性が低い、「異なる値動きをする」金融商品に分散して投資することで、何かひとつ(もしくは複数)の商品が値下がりしたときの変動幅を小さくするという理論。投資をする上で必ず押さえておきたい要素です。今回は分散投資の話をメインに、長期投資、複利など、投資ビギナー向けにお伝えします。
例えば今、手元に当面の生活費を除いて、投資にまわしても良い、極端な話「もしゼロになったとしても困らない」資金が100万円あったとします。
あなたは、そのお金をどのように投資していきますか?
■一極集中は危険! 「分散投資」の考え方とは
100万円すべてを使って有名な会社の株を買う、もしくは、怖いので知っているものを少しずつ買っていく……いろいろなやり方があると思いますが、基本的には全資産を一極集中でバーンと投資することはおすすめしません。
「卵はひとつのかごに盛るな」は有名な投資の格言ですが、投資をするときは必ず「分散投資」という考え方を頭に置いて、投資をしていきましょう。
前回のコラム「投資とキャリア、考え方は同じ。リスクとリターンの関係性を知っておく」でもお伝えしましたが、株と債券は基本的に逆の値動きをします。
分散投資とは、できるだけ相関性が低い、「異なる値動きをする」金融商品に分散していくことで、何かひとつ(もしくは複数)が値下がりしたときの変動幅を小さくするという理論です。
そうすることによって、平均化されていき、大きなリターンも狙いにくくなりますが、投資全体の値動きを安定させることができます。
さらに、もうひとつポイントがあります。それは「長期投資」です。数カ月や1〜2年といった短期間での売買を目的とせずに、10年、20年、30年と長い期間をかけて、(例えばゴールを「老後資金」と決めるなど)お金を育てていくような気持ちで投資に向き合っていくことです。
そうすれば、仕事や家事がある中、急に大幅な下落があったとしても、「今は使わないから」と、一喜一憂せずにどんと構えて資産形成をしていくことができます。
■分散投資は何を分散するの?
では、何をどうやって分散していけばよいのでしょうか。基本的には以下の3つです。
1.通貨(国や地域)を分散する
2.商品(金、株、債券、不動産などといったアセット)を分散する
3.時間を分散する
日本で生活するうえで、「日本円」は欠かせません。皆さんは日頃、円資産を使って生活していると思いますが、ひとつ目の分散として、円資産とそれ以外の外貨資産を持つ方法があります。
外貨も、先進国だけでなく新興国などに目を向けても良いかもしれません。長い目で見れば人口増加や経済発展が見込めるため、成長の余地が大きいでしょう。
また、金融商品ごとにも分散していきましょう。個別に選ぶのが大変! という場合は、投資信託がおすすめです。
ファンドにより違いがありますが、株や債券、国内外に分散されているパッケージのようなイメージです。案外、手軽に始めやすい商品と言えるでしょう。
また、一度にたくさん買ってしまうのは推奨しません。値段が高いときだと、少ししか買えません。一方、値段が低いときにはたくさん買えます。月々の購入単価がほぼ一定に安定するよう、毎月コツコツと買い増ししていく方法がおすすめです。
■お金が殖えるのは断然複利! 複利の効果を知る
分散投資をしながら、長期に渡って資産形成をすることがポイント、ということはご理解いただけたと思います。最後に単利と複利の違いと、複利の効果についてお伝えします。
例えば、年利3%の金融商品があって、100万円を運用したとします。単利でも複利でも、1年目は103万円に殖えるという結果は同じです。
2年目になると、単利はもう一度、100万円の元本に3万円の金利が付くので、103万円+3万円で106万円です。
一方、複利で運用できた場合には、2年目は103万円に対して3%、という計算になるので106万9000円です。さらに3年目は109万2727円……という風に、雪だるま式にお金が増えていきます。
▶単利:元本に対して、金利がつく
▶複利:元本+利子に対して、金利がつく
実はこの複利の力がものすごいんです。数年だとインパクトは少ないですが、20年、30年と長い時間をかけると非常に大きな差が出てきます。もし投資信託を買うのなら、分配型ではなく再投資型を選ぶなど、複利の効果もしっかり意識していきましょう。
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