結局のところ、コートは何着あれば十分? 2着で乗り切った冬と、20着で過ごした冬 3/3
5枚のコートをスタメンに認定。
けれどそれでメデタシメデタシ、とはならなかった。
子どもたちが大きくなり、もう休日に公園へ行かなくなった頃、下の子を「抱っこ」することも、もうないだろうな、と気づいた年、私は 古いダウンコートを処分して新しく買い足すことはしなかった。
ダウンがこの上なく便利なアウターであることはよくわかっている。
けれど、通勤ではダウンを着ないと決めているので、もはやダウンを着るのは近所のスーパーに行くときと年末年始恒例のスキーに行くときだけになっていたのである。
転職して通勤着が変わると、合うコートも変わった。年齢と共に似合う形、デザインも当然変わった。
暮らしのスタイルが変わると、必要なコートも変わっていくんだ……。
そのことに気づいた私。
そこで、5枚という所持数はキープしつつ、毎年、コートの見直しを行うことにした。
その年その年で、自分の暮らしのライフスタイルと、自分の気分と世の中の流行を鑑みて、クローゼットに吊るされているコートを1枚だけ刷新する。
毎年、どのメンバーが解雇され、どんなルーキーがスタメン入りするか、シビアな5つのコート枠の争奪戦が繰り広げられることに。
こうして一冬の間、5枚のコートで十分楽しめて、ウキウキする時間が毎年過ごせるようになったのだった。
収納スペースとクリーニング代にも無駄がなくなった(笑)。
10年以上着続けているUNTITLEDのアイボリーのコート。
私のクローゼットにて毎年行なわれるシビアなコート総選挙においても、5つの枠にしぶとく生き残っている。
別名「褒められコート」。
■人生に必要なコートは刻々と変わる
女性が冬のはじめにコートを選ぶとき、探すとき。
自分の中にどんな思考が生まれるか? 冷静に向き合ってみる。
「これ、暖かそうだわ。温泉に着ていこう」
「これ着て年末の同窓会に行ったら、褒められるんじゃないかしら?」
「これ着て待ち合わせしたら、きっと彼は私に惚れ直すわ(単なる妄想)」
「これ着たら、仕事ができそうな女に見えるかも?」
さまざまな思いが複雑に絡み合い、自分の中に生まれてくるはず。
その年、その年で その思いは刻々と変わる。
だからこそ、毎年新しいコートが必要なのだ。女には。
毎年コートを新調する言い訳としてこんな理屈をこねてみる。
でもそれでいいではないか。
「新しいコート」ほど、女にトキメキを与えるものはない。
「新しい恋」を除いては。
今年も新しいコート、探しにいこう!
※こちらは2017年10月27日に公開した記事内のリンク切れなどを修正したうえで再掲載したものです。