1. DRESS [ドレス]トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「正常化の偏見」は捨てよう!

「正常化の偏見」は捨てよう!

ゴールデンウイークに旅行するなら、旅行保険は忘れずに。自分に限って大丈夫という過信は止めましょう。

「正常化の偏見」は捨てよう!

先日、妹のように可愛がっている友人夫婦と久々にランチをしました。彼女は海外勤務で知り合ったカナダ人と結婚したばかり。食事中もデレデレな様子に、あてられっぱなしでした。
 
今は幸せいっぱいの二人ですが、昨年カナダで結婚式をあげた際には、大きなハプニングに見舞われたのです。式に参列するため、彼女のご両親もカナダへ同行したのですが、その際、お父様が階段から落ち、肋骨を7本も折る大怪我をしました。
肋骨が肺にささり、息もたえだえ、食事だってとれない状況となり、ICUへ。懸命な治療の結果、なんとか切り抜けて、1ヶ月後、日本から救援にやってきた医師と看護師に付き添われ帰国しました。
今はずいぶん元気になっていると聞き、ほっとした私は、仕事柄ずっと気になっていたことを尋ねてみました。
 
「海外では日本の健康保険が使えないし、お金、すごくかかったんじゃない?」
「はい。それは本当に大変でした……。」
彼女の口から語られたのは、私の想像を超える数字でした。
「一時は家を売らなければならないかと考えたほどです。だって、入院費が1日50万円、ICUに至っては1泊170万円もかかるんですよ。飛行機もフルフラットの席でなければ運べないし、ドクターやナースの交通費や日当もありますし……。合計で3000万円は軽く超えてました」
「そんなに~?!」
 
幸い、空港でパッケージの海外旅行保険に入っていたからよかったものの、保険がおりなければ大変なことに。老後資金を吐き出したり、家を売ったりしなければ、海外での治療も、日本への帰国もかなわなかったというのです。話を聞いていて、身の毛がよだちました。
 
私たちは日頃、自分に限って、不運な事故や事件に巻き込まれないと思う傾向があります。これは「正常化の偏見」と呼ばれるもの。でも、人生のリスクは、誰にだってあるのです。いつ何時、あなたや家族にハプニングが訪れるとも限りません。
そろそろ、ゴールデンウイークの旅行プランを立てている人もいるのでは?
不案内な海外では体調を壊したり、怪我をしたりしやすいもの。頻度は少ないけれど、ひとたび起こると大きな損害となるリスクにこそ、保険で備えをしておきましょう。




 

和泉 昭子

生活経済ジャーナリスト、ファイナンシャ ル・ プ ラ ン ナ ー 。大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。現在は、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー、キャリア、コミュニケーションに関す...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article