スキルがないから無理、なんて諦めない。地域初のWebメディアを自力で立ち上げた話
新しい生き方、働き方「パラレルライフワーク」を実践する中里 彩(なかざと あや)さんによる、生き方・働き方をテーマにした連載。第2回目は知識や技術がゼロのなか、独学で身につけたWeb制作スキルの話、最近立ち上げた地元・飯能のローカルWebメディアの話をもとに、自分の限界を決めつけないことの大切さを綴っていただきました。
■愛するふるさと、飯能の魅力を知ってほしいという想い
高校から大学まで東京の学校に通っていた私は、遠いのに中途半端に都内まで通えてしまう飯能の地やローカル特有の田舎クサさ・ダサさにうんざりしていました。大学までは、驚きの片道2時間弱。
とにかくストレスフルな毎日で、「こんな環境に耐え続けなきゃいけないのなら、いっそのこと家出してしまおう」と本気で思っていたほど、地元のすべてがイヤでイヤで仕方がなかったのです。
それがいつからか、「飯能って良いところなんだなぁ」と思えるようになりました。22歳の頃です。ちょっと大人になったのでしょうね。
生まれ育った家のルーツや先祖の話を祖母から聞かされた影響が大きく、”古いモノには価値がある”という考え方が身についたのもこのとき。四季折々の自然の美しさや地域の人びとの温かさも感じられるようになりました。
ローカルに対するバイアスが解けたことによって、逆に飯能のまちの課題解決のためにできることをしたいと考え始めました。
「どうして地元でビジネスをやりたいの?」とよく聞かれるのですが、愛するふるさとのお仕事だからこそ夢中になれるのです。「自分の好きなことしかしない」という信念はここにも現れています。
■限界を勝手につくらず、本気で向き合えば、スキルは何でも身につけられる
飯能のまちの課題は、市内の各エリアの情報がWeb上のひとつの場所に集約されていないこと。この課題自体はどのまちにもあるものですが、非常にもったいないと日頃から感じていました。
それならば自分でやってみよう、と思ったのです。しかし、肝心のWebサイト制作のスキルはゼロ。いきなり壁にぶつかったのです。
今でこそWebサイト制作の仕事をいただいていますが、私がこれを本腰いれて勉強し始めたのは、昨年の12月末。実はまだ1年も経ってないのです。
そこから3カ月で自分の個人のWebメディアをひとつ立ち上げ、4カ月後には企業からWebサイト制作を受注しました。
「hanoum」もすべて自分でつくっています。現在、ありがたいことに他にも企業のコーポレートサイト制作やWebデザイン案件をいただきながら、同時にスキルを磨いています。
自分の意欲次第で、やってみると案外どうにかなるものです。大切なのは、自分の可能性を信じてあげること。
「私にはできない、ここまでだ」と限界をつくり、自分の成長を止めてしまうのは自分なのだとWeb制作を通じて改めて実感しました。
■飯能のローカルWebメディアの編集長として
Webメディアをつくるという課題解決のために情報を集め、スキルを磨くこと2年。ようやくここで、飯能のローカルWebメディア「hanoum」( http://hanoum.jp )をプレオープンすることができました。
「hanoum」は「飯能に"人と人のつながり"を生む」をコンセプトに、人にフォーカスしたコンテンツをお届けする飯能エリア初のローカルWebメディア。
私は編集長として、このWebメディアを読んだ方々に、「飯能って良いところだなぁ、行ってみたいなぁ」と思ってもらえるような、魅力的なコンテンツの制作に日々情熱を注いでいます。
ローカルなので市場規模はとても小さいですが、競合がいないのでブルーオーシャンともいえます。今後はこのWebメディアをプラットフォームとして、これから様々な外部サービス事業に取り組んでいこうと考えています。
また、近く会社を設立し飯能発のローカルベンチャーとして世界に目を向けていくつもりです。きっと多くの困難が待っていることでしょう。けれども、自分にどこまでできるのか私自身とても楽しみに思っているのです。
埼玉・飯能のローカルウェブメディア「hanoum」の公式ウェブサイトです。「飯能に"人と人のつながり"を生みだす」をテーマに、飯能のグルメ・大自然・アート&クリエーションのコンテンツをお届けします。