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私らしく生きるために必要なのは「美意識」を鍛えるトレーニング

美意識、鍛えていますか? 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』を読んで気づいたのは、私らしさを出すためにも、仕事とのより良い向き合い方にも、美意識が欠かせないということでした。

私らしく生きるために必要なのは「美意識」を鍛えるトレーニング

趣味は読書、というほどではありませんが、多すぎることもなく、少なすぎることもなく、適度に本を読んでいます。

美容関係の本やビジネス書など、仕事がらみの本が多いのですが、ビジネス書でも案外「美」というものと考え方につながる内容があり、けっこう面白いのです。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』――タイトルに惹かれて買ったこちらの本も、いわゆるビジネス書というジャンルに入ると思いますが、ビジネスというよりも「美意識」について考えさせられた1冊。

■世界のエリートたちが美意識を鍛える理由

本に書かれている内容を要約すると、

世界のエリートたちが美意識を鍛える理由は、

1.論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある
2.世界中の市場が「自己実現消費」へと向かいつつある
3.システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

ということから、論理だけでは解決できない問題について、意思決定をするための判断力を身につけるため。

判断力を身につけるということは、すなわち教養を持つということであり、ここで言う美意識とは、単なる美しさのことだけではなく、感性や直感、倫理など、広い意味での美意識のことです。

■本当の意味で私らしくあるためにも美意識は大事

この説明だけでは単なるビジネス書のままですが、これをビジネスではなく個人に置き換えてみても、「美意識」って大事、と思わされます。

まず、1の「論理的・理性的な情報処理スキル」というのは、簡単に言ってしまえば、「他の人と同じ答えを出すためのスキル」。

ビジネス的にいえば、他社との差別化を図りたいのに、論理的に経営戦略を練ってみたら、実は他社と似たようなことをやっていた、というようなこと。

今はみんなが「私らしさって何?」と、考えているはずなのに(これは2の「自己実現」ですね)、SNSやメディアの情報を参考にして流行りの服やコスメを買う、影響力のあるあの人と同じものを持つ。

そんな風に「他の人と同じ答えを出すためのスキル」を駆使して、個性を出すつもりが、実際は大勢のうちのひとりになっている、ということが、少なからずあるのではないでしょうか?

こうすればこんな風に見せられる、という知識はもちろん大事ですが、まずは自分がどんな風にありたいのか、という軸がなければ、そもそも意味がない部分。

また、その知識も自分なりに応用できなければ、ずっとみんなと同じまま。

自分なりの解釈や価値観、判断基準を持って「私らしさ」を出すためにも、芸術や哲学、文学に触れて、それが何を言わんとしているのか自分なりに考える力を養い、感性を鍛えること、つまり、美意識を高めることが必要になってきます。

■自分をとりまくすべてを「作品」だと思ってみる

また、本来の内容とは少し離れますが、「会社を“作品”と考えてみる」という、面白い考え方についても書かれていました。

どういうことかというと、

今後の社会をより良いものにしていくためには、ごく日常的な日々の営みに対しても「作品を作っている」という構えで接することが必要なのではないか(中略)ビジネスパーソンであれば自分が関わるプロジェクトを、アーティストとしての自分の作品だと考えてみる。(中略)そのような態度で仕事に接するとき、私たちは全員が社会彫刻に集合的に参画するアーティストということになり、であればアーティストとして相応しいだけの美意識を身につける必要がある
(29~30ページより引用)

自分が関わることのすべてが「作品」であると思えば、自宅や職場など、自分を取り巻く物理的なものや環境はもちろん、仕事に対する向き合い方、人との接し方、日常生活の習慣、さらには自分という「作品」に対する意識も変わってきそうです。

また、自分ではどうにもならないものだと思っていたもの・ことも、作品であるというならば、自分で作れるものだ、という発想の転換もできるということで、この考え方を基準に行動したら、もしかしたら人生までがガラリと変わるのかもしれません。

そして、その「作品」を作る際に、正しいか・正しくないか、美しいか・美しくないか、いいか・悪いか、を判断するためにも、やはり美意識が必要になってきます。

■自分の世界を広げて美意識を鍛える

一見、自分が興味や感心を持っていることではない本でも、こんな風に、読んでみて自分の興味があることに変換すれば、そこから学べることも多く、案外面白いもの。

かくいう私はというと、この本を読んだおかげで、日本人にはなじみのない「哲学」を学ぶ意味がすとんと腑に落ちたので、次は哲学の本を読むのもいいな、と思っているところです。

こうやって、自分の世界を広げていくこともまた、美意識を鍛えるということなのでしょう。あなたは、美意識、鍛えていますか?

木村 瞳

美容鍼灸師 自身のニキビ肌や毛穴の開きに劇的な美容効果をもたらした美容鍼灸に心酔し、鍼灸師の国家資格を取得。 美容鍼灸施術やワークショップ、美容コラム発信などを行う。

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