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世界遺産の村 チンクエ・テッレ、5つの村へ〜ミラノ通信#14

イタリア北西部にある5つの村、チンクエ・テッレをご存知でしょうか。ユネスコの世界遺産にも登録されており、その美しい景観から世界中から観光客がやってくるスポットになっています。ミラノ在住の河見恵子さんによる日帰り旅行レポート、今回は前編をお送りします。

世界遺産の村 チンクエ・テッレ、5つの村へ〜ミラノ通信#14

■ユネスコの世界遺産 チンクエ・テッレへの旅

チンクエ・テッレは、美しい海岸線にしがみつくかのような佇まいの5つの村。「リオマッジョーレ(Riomaggiore)」「マナローラ(Manarola)」「コルニーリア(Corniglia)」「ヴェルナッツァ(Vernazza)」「モンテロッソ(Monterosso)」からなる、イタリアで最も美しい場所のひとつです。

イタリアン・リヴィエラの海岸線にカラフルな建物がひしめくさまは、まるで御伽の国のよう。今回、遊びにきた友人と10年ぶりのチンクエ・テッレ、しかも日帰りで5つの村を制覇しようと、朝7時にミラノ中央駅を出発しました。

このように、海岸線にしがみつくように村が存在する

■チンクエ・テッレへの入り方。車は村の入り口まで

この風光明媚な5つの村には、車が入ることは許されず、村の入り口までしか行けません。駐車場に車を停めたら、最低1キロは歩いて村に入ります。

駐車スペースも限られている為、車を停められずに右往左往することも。チンクエ・テッレに行くには、海岸沿いを走るローカル鉄道、ジェノヴァーラ・スペツィア線が一番便利です。

チンクエ・テッレのマップ。ユネスコ世界遺産に登録され、息を呑むような素晴らしい景観に出会える

ジェノバからイタリアン・リヴィエラを東南に100キロ、「ラ・スペツィア(La Spezia)」まで、ミラノから列車インターシティで3時間(38ユーロ)。そこから5つの村を通るローカル鉄道が出ています。

チンクエ・テッレカード(8.5ユーロ)を購入すれば、村をつなぐローカル線とミニバスに1日自由に乗り放題、ウォーキングコースも何度でも歩くことができます。

5つの村をすべて、列車で巡るのは初めて。なんと、1つ目の駅で降りそびれ(最後尾の車両はホームが短いためかドアが開かなかった!)、2つ目のマナローラで降りて、観光案内所でマップとアドバイスをもらいました。

ウォーキングコースは、リオマッジョーレからマナローラまでの区間は、崖崩れにより現在は閉鎖されているとのこと。2つ目の区間、マナローラからコルニーリアは、かなり厳しい山道でトレッキングシューズが必須。

3つ目、コルニーリアからヴェルナッツァの区間は、比較的緩やかなハイキングコース、しかも海を眺めながらの絶景ポイント多数の1時間半と聞いて、ハイキングはこの区間に決定(その次のコースは2時間、因みに列車ではひと駅の区間3〜4分ほど)。

発車してから目に入った絶景のホームに降り立ちたくなり、まずはリオマッジョーレまで引き返しました。

最初の駅、リオマッジョーレ。海の上に張り出すように立つホームから既に絶景。シーズン中はこのような人だかり

■リオマッジョーレの港はカラフルな建物が人気スポット

村の中心までは、小径を歩いて10分ほど。とにかく坂道ばかり、住民はさぞ足腰が強くなることでしょう。途中の絶景ポイントや、足を滑らせたら数十メートル下の海に真っ逆さまな崖に寄り道しながら、30分あまりで小さな港に到着。

かなり危険な崖でも、景観を損ねるような危険防止ロープや看板などはなく、崖から落ちるのも自己責任、ちゃんと細心の注意を払いましょう、というのが大人な社会で良いですね。

撮影人気スポットでもあるリオマッジョーレの港をぐるりと囲む建物のカラフルなこと! バラバラな色ながら、見事な調和を保っていて美しい。この景観を見に、世界中から観光客がやってくるのです。

崖に立つ住宅の中庭、毎日こんな絶景を見ながらの生活

絵に描いたようなカラフルな建物がひしめき合う、リオマッジョーレの港

■見渡す限り海と空。絶景のテラスのあるバール

世界遺産に登録されるなど、観光収入がメインの小さな町には、カフェやレストランがたくさんあります。しかも、観光価格ではなく、良心的な価格なのがイタリアのいいところ。これは、イタリアでどこに行っても感じる素晴らしい点のひとつだと思います。

まずは朝カフェすることにして入ったバールが素晴らしかった。2階のテラスで、見渡す限り海と空、という素敵な環境でのカフェは格別です。

海辺のバール、2階は絶景テラス席

断崖だらけの土地

■イタリアの強い日差しを浴びながら、コルニーリアへ

この日はミラノではずっと雨の予報、リグーリアもどんより曇り空、この時点で天気は今ひとつでしたが、かわいらしい小径と急すぎる崖で遊んですっかり気分は上々、次の街を目指して出発です。

マナローラは最初に降り立ったので良しとすることにして、その次の村、コルニーリアへ。到着時には懸念だった天気も回復。イタリアの日差しはかなり強く、街歩きしていてもすぐ日焼けするほど。この日も太陽が出るやいなや威力を発揮、あっという間に真夏の日差しとなりました。

コルニーリアの駅から村まで、このように続く363段の階段をひたすら登る

コルニーリア、カットフルーツと水で水分補給する人々

パッケージがかわいらしい、ご当地で採れたレモンやラベンダーで作られた石鹸、採れたてレモンのスムージー

■村から村へはハイキング

ここから次の村へは1時間半のハイキング。その前にランチをして、崖で何度も滑りそうになったウエッジソールのサンダルでは不安だったため、たまたま店先で見つけたビーサンを購入し、ハイキングスタートです。

ハイキングスタート地点から、コルニーリアの村を臨む

温暖な気候で育つレモンの木がたくさん

ランチに食べたシーフードのフリット

世界遺産の村 チンクエ・テッレ、5つの村へ【後編】〜ミラノ通信#15

https://p-dress.jp/articles/4628

イタリア北西部にある5つの村、チンクエ・テッレをご存知でしょうか。ユネスコの世界遺産にも登録され、その美しい景観から世界中から観光客がやってくるスポットになっています。ミラノ在住の河見恵子さんによる日帰り旅行レポート、今回は後編をお送りします。

後編はこちら

河見 恵子

日本航空で15年間、国際線客室乗務員として勤務。退職後はミラノに居住し、東京と往復する生活。ミラノ・ブレラ地区を中心に、身近な情報をブログやFBで発信。ミラノでは在イタリア日本人のために料理教室をオーガナイズ、開催。ワイン好...

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