自分の夫が「仕事ができない人」だったら、妻は絶望するのか
見た目もよくて、仕事もできて優しくて……できればパーフェクトに近い男性と結婚したい、と世の女性は思うのだろうか。たとえば、たくさんある理想の中から、「仕事ができない」ことが発覚してしまったら、そのとき妻はどうするのだろうか。

先日、テレビドラマ『ウチの夫は仕事ができない』を見ていたときに、「世の妻たちは仕事ができない夫に対して厳しい意見を持っている」と聞いて、「えっ、そうなの?」と目を見開いてしまった。
そもそも、結婚してから「この人は仕事ができないかもしれない」と察するものなのだろうか。交際している中で気づくものじゃないのか。
決断が遅いとか。
話が下手とか。
意見を求めても的確なアドバイスをまったくしてくれないとか。
そのわりにやたらと「俺は職場ではすごい」「後輩たちに慕われてる」と大げさに話すとか――。
でも、あなたがそんな疑問も持たず、ともに人生を添い遂げようと信じた人が、もしも現在勤めている会社で正当な評価をされていないのであれば、自分だけでも夫の味方でいたい、と思うのは当然だ。
まさに「あなたの良さが分からない会社なんて辞めちゃっていいよ」って話なのだと思う。
ただ今回思うのは、「わたしたち妻はどのような形で、夫の味方になるべきなのか」ということである。
■仕事ができない、なんて誰も言いたくない
「自分は仕事ができない」。
自覚があったとしても、そんなことをわざわざ他人に言いたくない。男女問わずにそうだ。私も言いたくない。
夫婦で職場が同じではない限り、互いの仕事ぶりを見ることはない。ただし、そんなに仕事ができないんだったら、日常生活での言動や態度から察することになる。
「ああ、この人は仕事ができない人なのかもしれないな」
そう察したとしたら、夫に対してどうするだろう。
私個人の意見としては何もしない。
だって、仕事ができる男になるためにこれしようよ、あれしてみようよ、と言ったところで新社会人ならともかく、30歳も過ぎるとなかなか改善しづらいのではないか。
何より、夫側のほうが仕事ができない上に妻にそんなアドバイスされた日には……と落ち込む可能性も大きい。いや、落ち込むくらいのプライドは持っていてほしい気がする。
■夫は仕事ができない人だ、とわかったときに妻ができること
もし夫が仕事のできない人だったら、妻である自分にできることは「自分の仕事をがんばる」ということだろうか。自分のパートナーが本当に苦しんでいるとき、「仕事、辞めてもいいよ」と言えるように。
もちろん、無職は困るので、何かしらの職には就いてほしい。でも、「そうだな、辞めちゃおう」と夫が思えるくらい、自分自身の仕事を安定させていたい。夫婦ふたりで生活をしているなら、たとえどちらがそういう負担を抱えても大丈夫なようにしておきたい。
それからもし夫が仕事のできない人だったら――どんなことを思うのだろう、と想像してみた。
ひとつは夫の体と精神が無事でいてほしい、ということ。
妻の立場から果てしなく無責任なことを言うと、会社の損益なんてどうでもいい。仕事ができないことで自分を責めないでほしい。
もうひとつは卑屈にならないでほしい。
自分が好きになった人が「俺はダメな男なんだ」「生きてる価値がないんだ」と思ってほしくない。
どちらも妻のエゴで、勝手な言い分だ。

人生のうちで仕事をしている時間というのはとても長い。だけど、そこで人生のすべてが決まるわけではない。
だからこそ、仕事以外の姿を一番知っているのは妻だけは、夫の味方でいてあげたい――というのは甘い考えだろうか。
ただ一応言っておくと、そこに仕事ができないなら、できないなりに努力はしてほしい。
仕事で少しでも成果を出せるように勉強をする、とか。
ひとつでも多くの家事をこなす、とか。
……我ながらなんともワガママな願いを持っているなと思うけれども。
あなたは、自分の夫が仕事ができない、もしくは仕事がうまくいってないときに、どんな願いを、言葉をかけるだろうか。
「できない」のはどんなものであっても苦しい。その苦しさに負けて、どうか夫や自分に呪いをかけてしまいませんように。
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