ミラネーゼのバカンスは美しい港町ポルトフィーノで。~ミラノ通信 #12
イタリアでは6月に入るとすっかり気分はバカンスモードなのだとか。今回のミラノ通信では、人気の高級リゾート地である港町、ポルトフィーノへの週末日帰り旅をご紹介します。美しい街並みや湾を見渡す景色は必見です。
■電車行くミラノからのバカンス日帰り旅
イタリアでは6月はじめに学校が終わり、3カ月の長い夏休みが始まります。
そして6月になると日差しも格段に強くなり、いきなり夏到来! という感じ。
こんな気候になると、すっかり気分はバカンスモードになるイタリア人。週末はミラノを脱出して海や山に出かける人々が多く、金曜の夕方から車に荷物を詰め込んで出発する姿が見られます。そんなバカンスモードスタートの今回は、電車でもいけるミラノからの日帰り旅をご案内します。
行き先は、イタリアン・リヴィエラでも特に人気の高級リゾート地、ポルトフィーノ。経由地のサンタ・マルゲリータ・リグレでは海辺の町気分も楽しめます。
■美しい海岸線を見渡せば、バカンス気分一色!
ミラノ中央駅からサンタ・マルゲリータ・リグレ駅まで特急列車のインターシティで2時間。車内も
最近では旧式の6人用のコンパートメント列車から、冷房完備の新しい車両になり快適になりました。
料金は利用する時間によって異なりますが、23〜34ユーロ。サンタ・マルゲリータ・リグレ駅を出るとそこは、青い海、美しい海岸線が見渡せる別世界。一気にバカンス気分が盛り上がります。
インターシティの車内と、到着駅ホーム
■美しい海を堪能しながら船でポルトフィーノの港へ
ここからポルトフィーノまでは、船かバスでそれぞれ15〜20分ほど。バスは1時間に1〜2本で3ユーロ、船は1時間に1本で7ユーロ。世界的に有名なポルトフィーノの美しい港に海からアプローチできる、船での到着をおすすめします。
海風を感じながら、途中静かな入江の海水浴場や別荘を眺め、真っ青な空と海のコントラストを楽しめます。ポルトフィーノに近づいていくと、クルーザーやヨットが多数停泊、港をぐるりと囲むカラフルな建物が見えてくる様は、乗客たちから感嘆の声が上がるほど、感動的です。
サンタ・マルゲリータ・リグレの街の光景。海岸沿いの道には色鮮やかなハンギングフラワーが。
船内は観光客でいっぱい、海風に吹かれながら景色を楽しむ2階デッキ。
途中、静かな入江には海水浴場や別荘が。
ポルトフィーノの港に入ると、こんな光景が広がります。
■高級ブランドがひしめく小さな港町、ポルトフィーノ
ポルトフィーノの定住人口は500人余り、この小さな港町は夏になるとセレブリティがクルーザーでやってきてはパーティーしたり買い物をしたりすることでも有名です。
港をぐるりと囲む広場にはカフェやレストランが立ち並び、小さな通りには「ルイ・ヴィトン」や「ロロ・ピアーナ」、「エミリオ・プッチ」など高級ブランドがひしめいています。
港の広場、夏の日差しがサンサンと降り注ぎます。
ちょっと覗いてみるとさすがのセレクション。リゾートに映える洒落たものが並び、ミラノの街の店舗とは雰囲気が違います。
ミラノで大人気の高級時計とジュエリーを扱う「グリモルディ」も、最近オープンしたばかり。デザインも担当するジョルジョ・グリモルディ氏がいらして、デザイン画など見せていただきました。その豊かな感性と創造性に圧倒され、流れるような曲線美にため息が出ました。
グリモルディ氏のデザインノート、特別に1ページ撮影。掲載許可も快くいただけました。
■海風を感じながら人気のレストランでランチ
ランチは、お気に入りのレストランで地元の白ワイン「ヴェルメンティーノ」とシーフードフリット(フライ)でスタート。海風を感じながらのシーフード、最高です。
リグーリア州でペーストといえば、ジェノベーゼソース(ジェノバ風ソース)のことなのですが、バジルと松の実、パルミジャーノ、オリーブオイルで作るシンプルな緑色のソースはこの地方のもの、パスタに使ったり、タコとジャガイモに和えたりしていただきます。
いつ訪れても満席の人気店、トラットリア・トリポリ。サービスも良く、再訪したくなる。
ジャスミンや紫陽花の花盛り、番地表示のタイルもかわいい。
■ポルトフィーノ湾を見渡す
食後には小高い丘の上の教会やブラウン城まで散策してみると、ポルトフィーノ湾の全景が見晴らせます。遠くにはサンタ・マルゲリータ・リグレ、リグーリアの海岸線と連なる山々を一望。
教会広場を挟んだ対岸は、崖下の澄んだ海、水平線まで広がるパノラマは、しばし眺め入ってしまうほどの美しさ。
散歩道からポルトフィーノの湾を望む。イエローの外壁は丘の上の教会、大型クルーザーではランチテーブルの準備中。
対岸の海、水が透き通っている。このパノラマは息をのむ美しさ!
この時期の日没は21時過ぎ、夕暮れを待たずにアペリティーボだけして帰途へつきます。ヨットから上陸したふたり組、日中は沖合に停めたヨットのデッキで日光浴して、時折そのまま海で泳ぎ、夕刻にアペリティーボを楽しんいるのでしょうか。ゆったりした時間が流れているヨーロッパのバカンス、優雅で素敵です。
ヨットから上陸、優雅なバカンスを楽しむふたり。
■ゆったりとした時間が流れるポルトフィーノのバカンス
本格的なバカンスシーズンスタートの前に、ミラノから日帰りで楽しめるポルトフィーノの1日でした。ミラノ滞在中にもし機会があれば、海風を感じにふらりと遊びに行ってみてくださいね。