夢を忘れない「工夫」
夢を叶えるためにどうすればよいのか。そもそも夢を持つことは最低限必要なことですが、それと同じくらいに大切なことがその「夢を忘れない工夫」。安藤 美冬(あんどう みふゆ)さんの連載第10弾は、どのようにすれば夢を忘れずに現実にすることができるのか。
自分のやりたいことを実現するためには、夢を持つことはもちろん、「夢を忘れない工夫」が大事だという話を聞いたことがあります。
これは、絢香やSuperflyなど数々のトップアーティストを育て上げてきた元音楽プロデューサーで、現在はニュージーランド(以下、NZ)の湖畔と東京を行き来するという"デュアルライフ"を送る四角大輔さんの言葉です。
四角さんは、「NZの永住権を取得して、大好きなフライフィッシングをしながら湖畔で暮らしたい」という長年の夢を、実に15年という歳月をかけて実現されました。
ややもすると忙しい日常に埋没してしまい、願っていたはずの夢を忘れてしまう……そんなことが起きないために彼が工夫していたのが、「NZに関する本を片っ端から買って読む」「NZの絵や地図を自宅に飾る」「頭にマオリ族(NZの原住民)の模様を入れる」「永住するまでの細かい計画を立てる」など、様々な実践でした。
実は私も、自分のやりたいことを叶えていくために、四角さんと似たような工夫をしています。
■夢を忘れない工夫は「書く・貼る・話す」
ざっくり分類すると、(1)書く(2)貼る(3)話すの3つです。
1)書く
日記やノートなどに
「年の目標(例:大学の非常勤講師になる)」
「月の目標(例:大学教員5人から話を聞く、都内の大学での単発の講義に呼んでもらう)」
「週の目標(例:これまでの講演、講義実績をまとめて自己紹介資料をつくる)」
を書き出して、毎日スキマ時間に眺めては頭に叩き込んでいました。
よく、「夢に日付を入れる」「やりたいことを紙に書き出してみる」なんてことが言われていますよね。実際にやってみたら、現在に至るまで会いたい人に出会えたり、欲しかった情報を受け取ることが増えたように思います。
やるだけならお金も手間もさほどかかりませんから、こうしたアドバイスを素直に実行して良かったなと思っています。
2)貼る
そして(2)については、女性誌やカルチャー誌から写真や記事をスクラップして、手帳やボードに貼ったりしています。
かつては、手帳を毎日眺めたり、スクラップボードをデスク前に貼って、毎日眺めていました。例えば今から4年前ほどに実際に作成したスクラップボードには、某ファッション誌から切り抜いた外国人女性が大きく貼られていました。その写真とは、メガネをかけたオシャレな外国人女性が、カフェに座ってPCを叩いて仕事をしているというもの。「仕事をしています!」と肩肘を張る様子もなく、とってもナチュラルだったのが印象的でした。
「こんな風に、遊ぶように、そしてカジュアルに仕事がしたいな」と思って当時は軽い気持ちでスクラップしたものの、現在の自分の姿とぴったり重なっていて、驚きです。
他にも、ニューヨークのSOHOエリア、都心のマンション、本、ウェディングの写真などを切り抜いていました。都心のマンションに住んで本を書いて出版して、憧れのニューヨーク生活を送る……なんてことがあるといいなと願いつつ(ウェディングも……!)、日々を送っていきたいものです。
いずれにせよ、こうして「ビジュアルで脳に記憶させる」という方法は、「夢を忘れない工夫」として
優れていると思います。
3)話す
最後に、「(自分のやりたいことを)話す」ということ。
父親も妹も学校の先生をしていて、「大学で面白い講義をしてみたい」という夢は昔から漠然と抱いていました。その決め手となったのは、とにかく色々な人たちにこの夢を話してきたこと。取材を受ける時も、友人との食事でも、ひたすら話してきました。
多摩大学の非常勤講師として今年の秋から講義を受け持つことになったきっかけは、2012年末にとある取材を受けた際に、「2013年は、大学生にソーシャルメディア発信を教えたい」という夢を語ったこと。それを聞いたインタビュアーさんが、即日、多摩大学の教授につないでくださったのです!
それからはトントン拍子で話が進み、取材から5ヶ月ほどで内定となりました。
■夢を持った後にこそ、忘れない工夫を。
新しい一年を迎えるにあたって、改めて自分の夢について考えてみる。
(1)書く(2)貼る(3)話すの「夢を忘れない工夫」が、何かのお役に立てたら嬉しいです。