【編集部おすすめ】結婚は「誰もが見るドラマ」じゃなくなった【オンナの抜け道 #2】小野美由紀
https://p-dress.jp/articles/3598結婚は「誰もが見るドラマ」、たとえば昔の月9みたいなドラマではなくなった。人々のライフスタイルや人生の選択は多様化し、今や「結婚=して当然のもの」ではないからだ。小野さんの連載【オンナの抜け道】#2では結婚をテーマに書いていただきました。
どうして赤の他人から結婚する・しないについて、ああだこうだと言われ続けなければならないのだろうか。もっと他人の人生について無責任であってもいいのでは、と思う。誰かの「しなくてはならない」が私たちを息苦しくさせる。
ネットニュースで、ある女性芸能人が結婚したという記事を目にした。才色兼備のアラフォー女性。へえ。
結婚したという話題を聞いて、その女性が独身だったと初めて知ったのだけれど、そんなに世の中って芸能人の既婚・未婚に興味があるものなのかといつも疑問に感じる。
自分が好きな有名人なら何かしらの感情が湧いてくるだろうけれど、それ以外の人なら翌日になれば忘れてしまいそうだ。
でも、そうはいかないらしい。有名人は大変だ。
とくに今回はずっと独身だった人の結婚ということで、まるで親のように「やっと結婚できてよかった、よかった」と言い始める。みんなそんなに彼女に結婚してほしかったんだろうか。
「どうして結婚しないの?」となんとも人は簡単に聞くのだろう。相談をしてもいないのにあれやこれやとアドバイスしてくる。
女性となると、それはさらに顕著な気がする。
「今はその気がなくて」と言うと、それこそ鬼の首をとったように「んまーっ、そんなこと言っていられるのも今のうちよ、いい? 結婚というのはね……」とおせっかいな人たちが湧いて出てくる。
100歩譲って親きょうだいならともかく、何の縁もゆかりもない人たちにどうしてそんなことをお話しいただかなければならないのだろうか。
「婚期逃すわよ」って言うけど、一般的な婚期=私の婚期だと誰が決めた。結婚したときが婚期だ! ……などというのは少し乱暴だろうか。
「私が結婚していないことで何かご迷惑をおかけしたでしょうか?」
「あなたのためを思って言ってあげてるのに」
それを人は大きなお世話、というのだ。
人生は思っているより短い。なのにやりたいことはたくさんある。時間が足りない。
趣味に時間を費やしたい、もっと仕事がしたい、恋愛をしたい、子どもを産みたい……。
その優先順位は人それぞれだ。しかし、どうしてみんな「結婚相手を見つけること」「結婚すること」をトップに持ってきたがるのか。
仕事が忙しいと相手を見つける暇がないから、仕事をセーブする。趣味にばかり時間とお金を使っているといい顔をされないから、趣味を隠す、控える。
そこまでして結婚してはたして本当に幸せなのだろうか。「結婚」の優先順位が低ければ、「譲れないこと」を受け入れてくれるパートナーと出会うまで、探せばいい。
それで結婚の年齢が遅くなる、あるいは結婚しない、となるのならそれも自分が選んだ道。いつになったら、自分が歩きたい道を歩くことを許してもらえるようになるのだろうか。
今は別に結婚をしなくてもいい時代のはずだ。それでも、いわゆる適齢期に結婚していないとイケナイことのように言われる。
周りにそう言われれば、本人に自覚がなくても、なんだか悪いことをしているようなそんな気分になってくる。相手がいるのに結婚をしないと、その人のことまで悪く言い始める人だっている。
もう一度問いたい。「私が結婚していないことで、あなたに何か迷惑をかけましたか?」と。
他人の人生に対し、人はもっと寛容になれないものだろうか。人の結婚に口を出しているその口と時間で、明日の天気の話をするほうがよっぽどマシだ。
【編集部おすすめ】結婚は「誰もが見るドラマ」じゃなくなった【オンナの抜け道 #2】小野美由紀
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