人付き合いが上手な人は「境界線」を引いている

人付き合いが上手な人は「境界線」を引いている

人付き合いが上手な人は、自分と他人との間に境界線を引いて、そこから立ち入らないよう、ほどよい距離感を保っています。そしてベストな線引きは、自分が持っている「コミュニケーションの前提」で決まってきます。ゆっくり過ごせる時間があるときに、自分の前提を見直してみませんか?


ちょうどいい距離感がある。

1.「コミュニケーションの前提」を知ろう

人と人とのコミュニケーションには、双方それぞれが自覚している、あるいは無自覚の「前提」があり、その前提を通したやりとりで成立しています。

たとえば、「おはよう」と挨拶をしたら「おはよう」と返すとか、外国人に英語で道を聞かれたら、こちらも英語で教えてあげるとか。

「おはよう」に「おはよう」で返すなんてあたりまえだと思うかもしれませんが、でも、これは「挨拶されたら返すもの」という前提をお互いに持っていないと成立しないコミュニケーションです。

こういった前提を無自覚なままでも、日常生活は多くの人が共通認識として持っている前提だけでほとんど成り立っています。それもあって、前提ということ自体を自覚することも考えることもないんですね。

2.コミュニケーションのつまづきは前提の違いが原因

しかし、ふとした場面やふとした相手と、「あれ?」と思うようなすれ違いが生じることもあります。

よかれと思ってしてあげたことに何の反応もないとか、気軽に声をかけたつもりが、すごくこじれる問題になってしまったりとか、自分はいつもと変わらず接したつもりなんだけど、思っていたのと違う方向へ進んでしまい、対応に悩んだり、追われたり。

この場合、きっかけとなった場面をよくよく思い返してみると、そこに必ず原因となる前提を見つけることができます。

そして原因となる前提はふだんは気づいていないことが多く、だからこそ思わぬときにつまづきの原因になってしまうのです。

3.よかれと思ってしたことを、相手は望んでいたの?

ここからは具体例で考えてみましょう。

最近、会社の先輩が悩んでいる様子。とてもお世話になっているし、自分も力になりたいなと思っていた場合。

SNSでも一応つながっているので、2〜3回、ちょっとした応援の気持ちを伝えるメッセージを送ってみた。

でも、数日経っても、先輩からは返事もないし、声もかけてこない。どうしたのかな、私なにか変なこと書いちゃったのかな、気を悪くしちゃったのかな、どうしよう……。

皆さんも、SNSのメッセージでこんな経験、ありませんか?

もしかして既読スルー?

4.コメントやメッセージは必ず返すべき?

この場合、隠れている前提は「コメントは必ず返すべき」「すぐにじゃなくても、日が経たないうちに返すべき」の2つです。

コメントやメッセージは確かに返ってくることがほとんどですが、でも実際は、相手の状況やタイミングによりますよね。

もっと言えば、コメントやメッセージは、そもそも絶対返すべきものでもありません。経営者の方が、重要と判断したときのみに最小限の文字数でメール返信をするというのもよく聞く話です。

それでもなお、「いや、それはそうかもしれないけど、先輩はそういう経営者じゃないし」と思うなら、それこそ要注意です。

ちょっと深呼吸して気持ちを落ち着けて、心穏やかにしてから別の視点で考えてみましょう。

5.間違った前提で自分が苦しむことはない

コメントやメッセージが返ってこないことをどう思うのも自由ですが、それよりも、そのことで自分の気持ちや心がネガティブになってしまうことのほうが問題です。

コメントやメッセージは送信した瞬間に、自分の手から離れます。その後、そのコメントやメッセージにどう対応するかは完全に相手の自由で、すべては相手の裁量次第、相手にすべての決定権が移ります。

それを、心配だとしてもこちらが気を揉んだり不安になったりすることは、まさしく覆水盆に返らず、です。

また、相手の対応を心配するということは、相手をきちんと信頼できていないとも言えます。

だって、本当に相手を信頼していれば、コメントやメッセージが返ってこなくても、相手の気持ちを疑うのではなく、相手の気持ちを思いやれるものです。

「いまいろいろ考えることがあるのかな」「いろいろ忙しいのかな」「まあ、返ってこなくても、結果的に元気になってもらえたらいいな」というように、心配するよりも思いやれるほうが、気持ちもいいと思いませんか?

心配するより、思いやろう。

6.前提を見直せば、ちょうどいい境界線がわかる

このように、コミュニケーションでちょっとしたつまづきが起こったら、それは自分の前提を確かめるチャンスでもあります。

そして、相手を信頼して思いやることができるようになれば、「自分が考えるのはここまで」「あとは相手が相手の都合で返してくること」「返ってきたら、それに合わせてそのときにまた考えればいい」というように、どこまで考えればいいのか、どこまで心配すればいいのか、相手と自分の間に明確な境界線を引くことができます。

そうすると、不要な心配で心を悩ませることもなくなるし、他の人との境界線もなんとなく掴めてくるようになると、次第に面倒な過干渉に巻き込まれることも減ってきます。

いままで確かめたことのなかったコミュニケーションの前提、気づいたときには見直して、あなたが楽になれる人付き合いの境界線を掴んでみてくださいね。

この記事のライター

ことばデザイナー/映像作家/WEBデザイナー/コミュニケーションコンサルタント。20年で21回の転職、40の職種を経験したのちに独立。キャッチコピーやブランドストーリーのライティング、映像制作やWEBデザイン、コミュニケーシ...

関連する投稿


「なぜ?」で詰めるのはアウト。部下や後輩の上手な叱り方とは【大人の上手な怒り術#4】

「なぜ?」で詰めるのはアウト。部下や後輩の上手な叱り方とは【大人の上手な怒り術#4】

怒りと上手く付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事・戸田久実さんがお届けする連載【大人の上手な怒り術】第4回では、職場でパワハラにならない上手な叱り方について解説してもらいます。


僕が携帯電話を持たない理由【林伸次】

僕が携帯電話を持たない理由【林伸次】

大人になると友達を作るのが難しい……。そんな悩みを抱える人は少なくないようです。そもそも友達とは何なのか? 友達を作りたいとき、どう作るのか? 『DRESS』でお届けする1月特集は「トモダチってナニ?」。渋谷でbar bossaを経営する林伸次さんに「友達と孤独」をテーマに寄稿いただきました。


男心をくすぐる女性にはどんな魅力がある?

男心をくすぐる女性にはどんな魅力がある?

男性から人気のある女性は、外見が優れているというわけではありません。女性から見ると平凡だけど、男性が魅了されるようなタイプの女性は存在します。実は、周囲に男性の輪ができる女性には「男心をくすぐるのが上手」という共通点もあるのです。今回は、男心をくすぐるのが上手な女性の魅力についてお話します。


男心のつかみ方! モテるあの子から教わった男性を魅了する方法

男心のつかみ方! モテるあの子から教わった男性を魅了する方法

男心のつかみ方がわかれば、好きな人を振り向かせることが可能です。ですが、そもそも男心とはなんなのか。一体どのようにすれば男心をつかむことができるのか……。今回は、私が知る超モテ女な友人が、実際使っていた男心のつかみ方を紹介! 彼女の口から語られた「男心をつかむために必要なこと」についてお話します。


夫に腹が立ちすぎて困る! その理由と対策とは【大人の上手な怒り術#3】

夫に腹が立ちすぎて困る! その理由と対策とは【大人の上手な怒り術#3】

怒りと上手く付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事・戸田久実さんがお届けする連載【大人の上手な怒り術】第3回ではイラッとしたときの、怒りとの付き合い方をご紹介します。


最新の投稿


岡田将生「人と人とのバランスを楽しみながら、自分を知っていく」――自分らしさのヒント

岡田将生「人と人とのバランスを楽しみながら、自分を知っていく」――自分らしさのヒント

岡田将生の美しい横顔は、もはや凶器だ。映画『伊藤くん A to E』で彼は、イケメンだけど超痛い男の役を演じている。最低なキャラクターなのに嫌いになれないのは、きっと、その言動がどこか人間らしいから。何にも縛られず自分らしく生きることに、私たちは憧れてしまう。岡田将生に、そんな“自分らしさ”について聞いてみた。


冬仕様・タイダイネイルの簡単なやり方【マニキュアでセルフネイル】

冬仕様・タイダイネイルの簡単なやり方【マニキュアでセルフネイル】

夏のイメージが強いタイダイネイル。合わせるカラーを冬仕様にすれば、クールめな冬のネイルアートになります。マニキュアを使って作れるタイダイネイルは、コツさえ覚えれば簡単にできるネイルアート。そんな時短タイダイネイルのやり方を豊富な画像で説明します。


スイーツをイメージ。「夢みるブラ®premium」新作はインスタ映えする華やかさ!

スイーツをイメージ。「夢みるブラ®premium」新作はインスタ映えする華やかさ!

「AMO'S STYLE by Triumph(アモスタイル バイ トリンプ)」では、人気No.1ブラジャーの「夢みるブラ®premium」から、バレンタインにもぴったりの新作デザインを1月19日より発売開始しました。


SUQQUから初の多色展開となる「フロウレス リップ グロス」がデビュー

SUQQUから初の多色展開となる「フロウレス リップ グロス」がデビュー

SUQQUから、着物を仕立てる工程のひとつ「金彩(きんだみ)」をテーマにした春 カラーコレクションが登場しました。全12色でデビューした、SUQQU初の多色展開となるグロス「フロウレス リップ グロス」は、生命の色が透けるような、清らかな艶をたたえたアイテムです。


私たち、行きつけの喫茶店で出会いました【疲れない出会い】

私たち、行きつけの喫茶店で出会いました【疲れない出会い】

『DRESS』1月特集は「疲れない出会い」。恋愛への入口となる「出会い」で、背伸びしたり、無理したり、取り繕ったり。自分を追い込んでつらいと感じているなら、がんばりすぎないで。背伸びせず、自然に過ごすなかで出会って、恋愛を経て結婚したふたりの事例をお届けします。今回は行きつけの店で出会ったふたりをご紹介します。


おっぱい