人との距離感をとるのが上手い人の特徴。人付き合い6つのポイント
人付き合いが上手な人は、自分と他人との間に境界線を引いて、そこから立ち入らないよう、ほどよい距離感を保っています。そしてベストな線引きは、自分が持っている「コミュニケーションの前提」で決まってきます。ゆっくり過ごせる時間があるときに、自分の前提を見直してみませんか?
1. 「コミュニケーションの前提」を知ろう
人と人とのコミュニケーションには、双方それぞれが自覚している、あるいは無自覚の「前提」があり、その前提を通したやりとりで成立しています。
たとえば、「おはよう」と挨拶をしたら「おはよう」と返すとか、外国人に英語で道を聞かれたら、こちらも英語で教えてあげるとか。「おはよう」に「おはよう」で返すなんてあたりまえだと思うかもしれませんが、でも、これは「挨拶されたら返すもの」という前提をお互いに持っていないと成立しないコミュニケーションです。
こういった前提を無自覚なままでも、日常生活は多くの人が共通認識として持っている前提だけでほとんど成り立っています。それもあって、前提ということ自体を自覚することも考えることもないんですね。
2. コミュニケーションのつまづきは前提の違いが原因
しかし、ふとした場面やふとした相手と、「あれ?」と思うようなすれ違いが生じることもあります。よかれと思ってしてあげたことになんの反応もないとか、気軽に声をかけたつもりが、すごくこじれる問題になってしまったりとか、自分はいつもと変わらず接したつもりなんだけど、思っていたのと違う方向へ進んでしまい、対応に悩んだり、追われたり。
この場合、きっかけとなった場面をよくよく思い返してみると、そこに必ず原因となる前提を見つけることができます。そして、原因となる前提に、普段は気づいていないことが多く、だからこそ思わぬときにつまづきの原因になってしまうのです。
3. 人付き合いが上手い人はメッセージを送る or 送らないで悩まない
ここからは具体例で考えてみましょう。最近、会社の先輩が悩んでいる様子。とてもお世話になっているし、自分も力になりたいなと思っていた場合。SNSでも一応つながっているので2〜3回、ちょっとした応援の気持ちを伝えるメッセージを送ってみた。
でも、数日経っても、先輩からは返事もないし、声もかけてこない。どうしたのかな、私なにか変なこと書いちゃったのかな、気を悪くしちゃったのかな、どうしよう……。皆さんも、SNSのメッセージでこんな経験、ありませんか?
4. 人付き合いが上手い人はコメントやメッセージを必ず返すべきとは考えていない
この場合、隠れている前提は「コメントは必ず返すべき」「すぐにじゃなくても、日が経たないうちに返すべき」のふたつです。コメントやメッセージは確かに返ってくることがほとんどですが、でも実際は、相手の状況やタイミングによりますよね。
もっと言えば、コメントやメッセージは、そもそも絶対返すべきものでもありません。経営者の方が、重要と判断したときのみに最小限の文字数でメール返信をするというのもよく聞く話です。
それでもなお、「いや、それはそうかもしれないけど、先輩はそういう経営者じゃないし」と思うなら、それこそ要注意です。ちょっと深呼吸して気持ちを落ち着けて、心穏やかにしてから別の視点で考えてみましょう。
5. 人付き合いが上手い人は間違った前提で自分が苦しまない
心配するより、思いやろう。
コメントやメッセージが返ってこないことをどう思うのも自由です。けれど、そのことで自分の気持ちや心がネガティブになってしまうのだとしたら問題です。
コメントやメッセージは送信した瞬間に、自分の手から離れます。その後、そのコメントやメッセージにどう対応するかは完全に相手の自由で、すべては相手の裁量次第。相手にすべての決定権が移ります。
それを、心配だとしてもこちらが気を揉んだり不安になったりすることは、まさしく覆水盆に返らず、です。
また、相手の対応を心配するということは、相手をきちんと信頼できていないとも言えます。だって、本当に相手を信頼していれば、コメントやメッセージが返ってこなくても、相手の気持ちを疑うのではなく、相手の気持ちを思いやれるものです。
「いまいろいろ考えることがあるのかな」「いろいろ忙しいのかな」「まあ、返ってこなくても、結果的に元気になってもらえたらいいな」というように、心配するよりも思いやれるほうが、気持ちもいいと思いませんか?
6. 前提を見直せば、ちょうどいい距離感がわかる
このように、コミュニケーションでちょっとしたつまづきが起こったら、それは自分の前提を確かめるチャンスでもあります。
そして、相手を信頼して思いやることができるようになれば、「自分が考えるのはここまで」「あとは相手が相手の都合で返してくること」「返ってきたら、それに合わせてそのときにまた考えればいい」というように、どこまで考えればいいのか、どこまで心配すればいいのか、相手と自分の間に明確な境界線を引くことができます。
そうすると、不要な心配で心を悩ませることもなくなるし、他の人との境界線もなんとなく掴めてくるようになると、次第に面倒な過干渉に巻き込まれることも減ってきます。
いままで確かめたことのなかったコミュニケーションの前提、気づいたときには見直して、あなたが楽になれる人付き合いの境界線を掴んでみてくださいね。