無職になった女性の「人生の選択肢が広がった」話

無職になった女性の「人生の選択肢が広がった」話

突然無職になった女性の経験談をご紹介します。日本の伝統的大企業→新興大企業→勢いのあるベンチャーで働いていた自称バリキャリが、体を壊して無職になるまで、無職になってからの話です。無職になって世界や可能性が広がる場合も、ときとしてあります。思考停止に陥りがちな忙しい日々に参考にしていただけたら幸いです。


はじめまして、suniと申します。3月に38歳になりました。

DRESSで連載されている錚々たる方々と比べるとただの一般人ですが、一般人なりの「えっ、そういうのアリ?」という無謀なチャレンジに挑んで、なんとか世界の片隅(フィリピン)で働いています。

これから数回に分けてこれまでのチャレンジについてご紹介します。そのうち連載が現在に追いついてしまい、現在進行系のチャレンジをリアルタイムでご紹介するかもしれません。

読者の皆さまにこの先「やるかやらないか迷っている」という迷いが生じたとき、それを一掃……はできなくても、前向きな判断ができるお手伝いができれば幸いです。

■自称バリキャリでした

学生時代に明確なキャリアプランがあったわけではありません。実家が裕福ではなく、いろいろと苦労したこともあり、「稼げる業界・大きな会社でもりもり働こう」とは強く思っていました。

先生から「システムエンジニアが向いているんじゃない?」と言われたのを真に受けて、IT業界で働きたいと考え始め、体を壊して退職するまでずっとIT・Web業界で働いていました。

1社目では企業向けのシステム開発に携わるシステムエンジニア。2社目ではインターネットサービスの企画・プロジェクトマネージャー。

チームメンバーに恵まれ、担当サービスはぐんぐん成長し、給料もぐんぐんあがり、働く楽しさと給料が上がることの快感を知ったのはこの頃です。

アラサーど真ん中。多少恋愛もしましたが、優先順位は圧倒的に仕事でした。仕事が楽しくて楽しくて、残業、休日出勤にも抵抗はありませんでした。

■33歳で突然無職になる

31歳のときに3社目となる会社に転職し、広報を任されることになりました。サービスを作る側から届ける側の仕事に興味があったため、最初は良かったのですが、期せずして営業もすることになってしまいました。

慣れないかつ苦手な営業職でなかなか実績も出せず、偉い人には「30過ぎて未婚だし何かしら難ある証拠だよね」と言われたり、容姿をdisられたりすることも。

「これは肩たたきってことかな?」と悩みながらも、仕事は終わらなくて、毎日午前1〜2時までハードワークをしていたら、病みました。

右目の視力が落ち始め、原因不明の胃痛に悩まされ、ドクターストップがかかって休職。1ヶ月しかもらえなかった休職終了間際、医者からのGoサインが出なかったため、自動的に退職扱いとなってしまいました。

当時33歳。急に無職です。

それまでFacebookやTwitterで仕事の充実っぷりを投稿していたのに、バリキャリだったはずなのに、結婚を考えていない代わりにひとりで生きていかなきゃいけないのに、突然の無職です。

青天の霹靂とはこのこと。

■そこまでがんばる必要あったの?

そこまでがんばる必要はあったのか……今となっては、そうじゃないなと気づきます。

ですが当時の私は、「歳も歳だから転職も無理だろう」というネガティブ思考と、「だからといって妥協して転職して収入を下げるのも嫌だ」「大見得切って大企業を辞めてベンチャーに転職したのにそこをまた辞めるなんてかっこ悪い」という変なプライドの相乗効果で、

”今いる場所でがんばり続けるしかない”

と自分の枠を自分で作ってしまい、ほかの可能性を探ることもなく殻に閉じこもっていました。

毎晩1〜2時まで残業していたので、ほかのことを考える余裕もなかった、というのが正直なところ。

■無職になったら、選択肢が無限に広がった

無職になって時間ができたら友だちがいろいろなところに連れ出してくれ、話を聞いてくれ、ご飯をごちそうしてくれました。Amazonのウィッシュリストから救援物資を送ってくれた友だちもたくさんいます。

自分でもやりたいことがいろいろ思い浮かんでくるようになりました。

・おろそかにしていた趣味を復活させよう
・親不知を抜こう
・圧力鍋をもらったから鯖の味噌煮を作ってみよう
・本を読もう
・英語をもっと勉強しよう
・バカンスがてらセブ島に語学留学してみよう
・イギリスにサッカーを見に行こう
・いろいろな国を旅しよう
・今までのキャリアに関係なく、私のやりたいことについて考えてみよう

どれもこれも、忙しく働いていたときにはプライドが邪魔して「そんなことに時間を割くなんて」と思っていたり、諦めていたり、そもそも思い浮かびもしなかったことでした。

無職になったのは、「年齢的に転職は厳しいだろうから、今いる場所でがんばり続けるしかない」という選択肢しか持たなかった私、そのわりにはバリキャリというプライドの塊でいけ好かない女だった私にとって、考えを改めるいい機会でもありました。

書いてあることを少しずつこなしていくうちに、体調も良くなり、恐らく顔つきも変わったのでしょう。冒頭の写真、セブ留学中に海に向かって田舎道を走っているところの写真なんですが、Facebookに「セブで元気にしています」というコメントとともに投稿したらいろいろな人に言われました。「笑えるようになったんだね」と。

「あ、私、もう大丈夫だ」と実感した瞬間でした。

■まとめ

ハードワークで無理を重ねていると、徐々に正常な判断ができなくなる、年齢を理由に自分の可能性を狭めていたのは自分だった、ということに無職になってから気づきました。

皆さんにやみくもに無職になるのはおすすめしませんが、思考停止気味な自分にサヨナラしたり、それまでの殻を破ったり、見方を変えるためなら、一度仕事を辞めてみるのも一興です。選択肢のひとつとして考えてみてください。

ただし、数ヶ月分の生活費くらいはないと、職のない生活は精神的に苦しいと思うので、有事に備えて貯金はしておいてくださいね。

この記事のライター

海外就職してフィリピンのベンチャー企業で働いています。1979年生まれ、千葉県出身。自称バリキャリからの33歳で無職→語学留学→34歳でフィリピン就職→35歳でインドネシアで働く日本人と交際開始→36歳で結婚し夫がインドネシ...

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