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フランスの有名女性映画監督・マイウェンにインタビュー

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まもなく日本で公開されるフランスの恋愛映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』。対照的な男女がふとしたきっかけで恋に落ちる。男女の10年間の軌跡と葛藤を描き、カンヌ映画祭では、主演のエマニュエル・ベルコに女優賞をもたらしたフランスの有名女性監督・マイウェンにインタビュー。(プロフィールは文末)

フランスの有名女性映画監督・マイウェンにインタビュー

女性弁護士のトニーはスキー事故で大けがを負いリハビリセンターに入院する。リハビリに励むなか、元夫となったジョルジオとの波乱に満ちた関係を振り返る。これほどまでに深く愛した男はいったい何者だったのか。なぜ、ふたりは愛し合うことになったのか。10年前、トニーはかつて憧れていたレストラン経営者のジョルジオとクラブで再会し、激しい恋に落ちる。瞬く間に意気投合したふたりは、電撃的に結婚を決め、トニーは妊娠する……。

Q)この作品をつくるきっかけは?

長年、アイデアを温めていました。いつか恋愛映画を作りたいと……。映画監督なら誰しも恋愛映画を撮りたいのではないでしょうか。とくに私の場合は、今回のジョルジオとトニーのカップルのように、容姿や性格、ライフスタイル、価値観など正反対の男女が恋に落ちるという設定を描いてみたかったのです。

Q)映画でお気に入りのシーンはありますか?また大変だったシーンはありましたか?

Photo:MITSUHIRO YOSHIDA
Hair&Make:Mariko Kubo 

全部ですね。どのシーンも気にいっています。しかし撮影は、簡単ではなく、毎回ボクシングのように格闘しているようなものでした。役者たちにリハーサルをしてもらって、臨むのですが、思った通り運ぶことはなく、毎回シーンごとに頭を抱えていました。シナリオには私の思い入れがたくさんあるので、俳優たちの、セリフ回しや演技が平坦だったりすると本当に落胆して考え込んでしまいました。どうすれば私の理想のとおり描けるか、そのために挑発するとか、いろいろと工夫しました。シーンごとにダメなところが違うので、画一的なアプローチではありません。不機嫌な態度を示すことで緊張感を意図的に高めたりしました。

Q)役者さんたちとのコミュニケーションはどのように?

俳優という職業の人たちは個性的で、羊の群れのように画一的な人種ではないので、画一的なコミュニケーションの取り方では無理なのです。タイプによってちがいますから。
たとえばジョルジオ役のヴァンサンは多くを言葉で説明しないほうがいいタイプの役者さんでしたし、トニー役のエマニュエル・ベルコは言葉を尽くしてちゃんと説明した方がより納得して演じてくれるタイプでした。彼らに限らず、それぞれの役者の個性に応じた対応が必要でした。

Q)トニーはなぜジョルジュに振り回されることに?

©PRODUCTIONS DU TRÉSOR / SHANNA BESSON

トニーはジョルジュという男性に出会ったことで、自分自身のスタイルを貫くのではなく、何とか自分を彼に合わせようと努力をします。自分自身と違う人物を造形していくところがありますよね。でも、フランス的表現かもしれませんが、あわせるために、そのために自分自身が崩壊していく、そういった様子を体現しています。
いっぽう、ジョルジオは気まぐれで、善い面と悪い面が交互に現れる。
トニーが離れようとすると、急に恋しくなる。たとえれば、ライオンが檻の中にメスがいても見向きもしないけれど、檻からメスがいなくなって、外で豹とイチャイチャしているとなると、いてもたってもいられなくなる動物のようなもの。チャレンジャーなのです。

Q)恋愛についてはどう思いますか?

恋愛というのはたとえれば病気みたいかもしれません。本来であったら、ライフスタイルもちがう、考え方もちがう、出会わなかったような二人が恋に落ちる。
私自身は、どんな理由であれ、恋に落ちるカップルを尊重しています。収入が高いから、優しいから、行儀がいいからという理由じゃなくて、ぜんぜん恰好よくない隣の人に恋するとか、すごくユーモアがあるからとか、自然が好きだからとか、皮膚がすてきだとか、においがいいいとか、ささいなきっかけで恋愛する人もいるし、それらもポジティブにとらえています。
映画では、トニーはジョルジュという男性にあったことで、何とか自分を彼に合わせようと努力をします。自分自身を造形する、あわせるために、そのために崩壊していく様子を体現しています。
愛というのは人生においてより快適さをもたらしたり、いろいろ考えることで成長できる、などポジティブな面もありますが、じっさいにそうなるとは限らない。友情と違って、必ずしも約束された誠実な関係ではありません。そこに欲望があるので……。

Q)映画の終わりはハッピーエンドだったのでしょうか?

見方によってはハッピーエンドにも、逆にも思えるという人もいますね。トニーにとっては依存関係にひと区切りができた面もあります。いっぽうジョルジオはまた未練があるようで、そこは男の方が少し遅れて女のあとをついていくというよくある状況です。

Q)来日は4度目と伺いましたが、気に入ってることはありますか?

女性に限りませんが、日本の国民性は、穏やかで好い印象です。たとえば食事の席でも葛藤がないように、調和をしてくれるので、心地よいです。桜をみて帰りたいと思っています。

■映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』作品紹介

​PHOTO: ©PRODUCTIONS DU TRÉSOR

3月25日(土)
YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

© 2015 / Les Productions Du Trésor - STUDIOCANAL - France 2 Cinéma - Les Films de Batna - Arches Films - 120 Films – All Rights Reserved

プロデューサー:アラン・アタル
監督:マイウェン
脚本:マイウェン、エティエンヌ・コマール
撮影:クレール・マトン
編集:シモン・ジャケ
美術:ダン・ヴェイル
衣装:マリテ・クレール
音楽:スティーヴン・ウォーベック

2015年/フランス/フランス語/126分/DCP/2.35/ドルビー
配給:アルバトロス・フィルム/セテラ・インターナショナル

2015年 カンヌ国際映画祭女優賞受賞(エマニュエル・ベルコ)
2016年 セザール賞8部門ノミネート

■『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』キャスト

ジョルジオ:ヴァンサン・カッセル
トニー:エマニュエル・ベルコ
ソラル:ルイ・ガレル
バベット:イジルド・ル・ベスコ
アニエス:クリステル・サン=ルイ・オーギュスタン
デニス:パトリック・レーナル
パスカル:ポール・アミ
ジーン:ヤン・ゴヴァン
ジャメル:ジャメル・バルク
マリー:マリー・ギャール
スリム:スリム・エル・エドリ
ナビール:ナビル・ケシューアン
ニコ:ノルマン・ダヴォー
アマンダ:アマンダ・アデッド
アブデル:アブデルガーニ・アダラ

■マイウェン監督・プロフィール

1976年4月17日生まれ。女優・映画監督・脚本家。
本名は、マイウェン・ル・べスコ。母は女優として活躍したカトリーヌ・ベルコジャ。妹は女優のイジルド・ル・べスコ。母は彼女を3歳の頃から子役として多くの映画に出演させた。
1991年リュック・ベッソンに出会い、翌年16歳で出産。女優業をいったん休止。
93年にはベッソンと結婚し、ビバリーヒルズで子育てをしつつ、ベッソンの94年『レオン』、97年『フィフス・エレメント』に出演したが、97年には破局。
その後、フランスへ帰国し、女優に復帰すべく演技を学び直し、舞台からスタートし、2003年『ハイテンション』(アレクサンドル・アジャ監督)の映画で本格復帰。
2006年には『Pardonnez-moi』で監督デビュー。2009年には『Le Bal des actrices』を発表。2011年の『パリ警視庁:未成年保護特別部隊』でその演出力を認められ、セザール賞の最優秀作品賞を受賞。同作品は監督賞、脚本賞にもノミネートされた。
日本で今月公開される『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』はカンヌ映画祭で、主演のエマニュエル・ベルコに女優賞をもたらした。

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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