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不眠の悩みを解決する新・救世主は「玄関」!?

不眠の悩みを抱える人は少なくありません。そんな人のヒントになりそうな、玄関×睡眠をテーマにしたイベント「meet up event vol.8」(主催:HowScope)のレポートをご紹介します。

不眠の悩みを解決する新・救世主は「玄関」!?

リフォームやリノベーションなど、住にまつわる価値をリデザインするプロジェクト「HowScope(ハウスコープ)」が2月28日、イベント「meet up event vol.8」を開催しました。

テーマは「玄関」×「睡眠」。そこ、掛け合わせる? と不思議に感じる2テーマですが、睡眠に悩みを抱える人が多い昨今、玄関が注目されつつあります。寝室じゃなく、玄関?

仕事から帰宅し、玄関ドアを開けたときに、心身ともにをきちんと「OFFモード」へ切り替えることが、快眠への第一歩につながるという考え方がベースにあるというのです。

本イベントでは、最初にHowScopeを運営するamidusの井上秀法さんと、特別講師としてお招きした伊勢丹新宿本店 リビングフロア担当の鈴木康之さんとで、玄関と睡眠における課題や事例を紹介。

その後、住にまつわるプロから、アロマ、グリーンコーディネーションなど空間提案のプロ、寝具にまつわる小売やメーカー、広告・出版など総勢25名の参加者とともに、玄関という空間のあるべき姿や持つべき機能を再考しました。

このユニークなイベントの模様をレポートとしてご紹介します。

左から井上さん、鈴木さん

■かつて、玄関=心のスイッチを切り替える場所、だった

そもそも玄関が「住居の入り口」として捉えられるようになったのは、江戸時代以降のこと。では、江戸以前、玄関はどのような存在だったのでしょうか。この問いに井上さんはこう答えます。

「もともとは仏教用語で、玄=奥が深い悟りの境地、関=入り口を意味し『玄関』を『奥深い、悟りの道への入口』と捉えていました。言い換えると『心のスイッチを切り替える場所』という意味を持っていたわけですね。現代では、それとは大きくかけ離れた『靴置き場』がある場所として、企業・生活者の間に根づいています」

ほとんど「靴置き場」としての役割しか持たない現代の玄関は、江戸時代以降、数百年変わらぬまま、新たな役割を持つことなく、未開拓領域であり続けている、ともいえます。

■不眠の悩みを5人に1人が抱えている

井上さんはさらに続けます。

「20歳以上の人の平均睡眠時間は7時間。不眠に悩む一般成人の割合は20%。Google 検索での『不眠』ヒット数は2040万件に上ります。また、しっかり睡眠時間を確保したはずなのに、疲れが取れた気がしない。そんな方は睡眠障害を抱えています。

このような眠りにまつわる課題に対して、医学的・科学的なアプローチから様々な商品・サービスが生 まれ、啓蒙がなされてきました。寝室および寝具に軸足に置いたものが大半ですが、どれだけアプローチがなされても、課題は尽きません」

上質な睡眠を得るのに欠かせないのは、「自律神経」のスイッチを切り替えること。自律神経には、体を活発に活動させるときに働く「交感神経」、体がゆったりとしているときに強く働く「副交感神経」の2種類があります。

交感神経が働いているとき、つまりONモードでベッドに入っても、リラックスできていない状態のため、良質な眠りを得ることができません。

ではなぜ「玄関」がスイッチを切り替える場所なのか。「明日の元気を作る場所」をテーマにリビングフロア作りをする、伊勢丹新宿本店 リビングフロア担当の鈴木康之さんの見解は?

■玄関は心のON/OFFを切り替える場所

「伊勢丹新宿5階リビングフロアのテーマは『明日の元気を作る場所』。3年前のリニューアルをきっかけに、寝具売り場は、ただ寝具を売るだけではなく、快眠を叶える空間に生まれ変わりました。

具体的には、眠りのコンサルティングルームを設置したり、眠りのプロである『スリープアドバイザー制度』を取り入れたりしています。

玄関はただいま〜おはようまでの間にある、最初の『くつろぎスイッチ』なんです。玄関を開けた瞬間に、大好きなペットが駆け寄ってきたら? お味噌汁の匂いがしたら?

帰ってきたなぁと心が安らいで、スイッチが切り替わる感じがしませんか? だから玄関という場所を大事にしていきたい。でも、いざ売り場を作ろうと思っても、玄関にまつわるアイテムは圧倒的に少ないのが現状です。今日は新しい発見を楽しみにしています」

その後、2人のお話を通じて知識を深めた「玄関」と「眠り」について、参加者が各テーブルでチームを組み、ディスカッションタイムに。「靴置き場=◯◯」というお題に対し、「靴置き場に和室を持ってくる」「靴置き場に縁側を持ってくる」など、柔軟性のあるアイデアがたくさん生まれ、活発な意見交換がなされる場となりました。

アイデアを書き出す参加者たち

■不眠の悩み、玄関が突破口になるかも?

「靴の脱ぎ履きをする場所」として捉えられていた玄関も、「心のスイッチを入れ替える場所」という視点を取り入れるだけで、多様なアイデアが生まれてきます。皆さんも玄関と睡眠の関係を考え、スイッチをON/OFFできるよう、玄関をカスタマイズしてみては?

HowScope

https://www.howscope.jp/

自分に気付く、住まいを築く、個性が息づく。人との繋がりが、暮らしを豊かにする。HowScope(ハウスコープ)は、リフォーム・リノベーション 住にまつわる情報をお届けするライフスタイルマガジンです。

DRESS編集部

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