右往左往する女、思考停止する女

右往左往する女、思考停止する女

結婚しても、子供を産んでも、次から次へと、「どうしよう」の種が、雨嵐のように降ってくる。それは昔から変わらない。すべての女性の人生に宿命のように課されたもの。きっと、「どうしよう」の種に日々迷っているのは、皆同じなのだろう。


■私は、右往左往しながら生きている

2017年現在、「いい塩梅」の年齢の私は、非常に人生にうろたえながら生きている。
人生の選択肢を選べないまま、気づけば私の足元は20代ではなく、30代のベルトコンベアに変わっている……
そんなことを思いながら、自分の身内など、近しくも世代が異なる女性の生きざまを思い浮かべてみる。

■戦争を乗り越えてきた戦前生まれ

親がよしなにとりつけてきた縁談ではたちそこそこ(下手したら10代)で特に好きでもない男に嫁ぎ、子供ができたら産んで育てて、孫ができたら可愛がって……そんなふうに迷いを押し殺してきた世代。
そして、「専業主婦」「兼業主婦」という概念はあまりなく、働きづめで子供を育ててきた女性も少なくない。
夫がたとえ酒乱でも、よそにオンナを作っても、「男はそういうもの。人生、我慢我慢」と悟りの境地で生きていて、女性としては最も精神的にはタフだったんじゃないかとさえ、思う。
ただ、その女性の強さというのは、「戦争がないだけましだ」とか、「ご飯が食べられるだけありがたい」と、今や理解できないくらいのボトムラインから生活を見ている節があるので、むむむ、私にとっては、正直なところ、あまり参考にはならないかもしれない。

■ベビーブーム世代・アラ還世代

戦後のベビーブームに生まれた世代や、バブル世代に結婚適齢期だった、アラ還世代の女性の生きざまは、というと。
ごく一部の人間が四大に行ったり、国家資格を身につけたりするも、基本的には「百恵ちゃん世代」と自分たちを称する先輩方なので、多くは専業主婦になっているように見受けられる。
しかし、在宅でできる、KUMO○式やE○Cの先生になったり、という働き方を広めたのは、アラ還世代の奥さまたちであり、迷いを押し殺して家庭に入るというよりは、人生の選択権を徐々に得てきた世代。

■バブル期に高校~大学に通っていたアラフィフ世代

自称「聖子ちゃん世代」なので、やはり「百恵ちゃん世代」より強よk……失礼しました、アクティブだなぁと思う。
「専業主婦でも婚外恋愛(はぁと)」と称して堂々と他所で愛を培う女性が世間でも暗黙の了解として目をつむられてきている世代だもの。
圧倒的に、アラ還女性よりも、美容への関心度が高くて美魔女を目指す人たちが多いように見える。
そしてまた、特筆すべきはこの世代から次第に、離婚・再婚を堂々とする女性が増えてきたように思うし、「仕事と家庭の両立」とはっきり言う人が増えた。
声の大きい女性だと男性に批判されてもなんのその。そんな「女性の意思」を世に知らしめたのは、この先輩方の功績ではないかしら。

■そんなこんなで、2017年の今、いい塩梅の年齢(アラフォー・アラサ―)の私たちは……?

人生に訪れる、「選択」のタイミングや球数は、男性の人生には多く持たされてきたが、女性は、ひたすらに与えられた人生をまっとうするのが常だったんじゃないだろうか。
だから、女性は「どうする? 私の○○?」と手持ちのカードを睨み、そしてまた自主的にカードを切って勝負していくことは苦手なのだろう。というか、苦手なままであるように社会や家族に育てられてきたのではないか。

しかし、日本の女性の多くにとっては、「与えられた人生を受け入れること」と、「選択肢から選び、決めていくこと」、の比重が、いつからか逆転したようだ。
「どうしよう」の種から、どれをキャッチして水をあげて育て、お花を咲かせるかを自分で決めなければならなくなったということなのでしょうね。
それが、今の30〜40代前後の私たちなんじゃないだろうか。(勝手に「私たち」と総称してごめんなさい。)
大先輩方は「あら~たまたま花が咲いたわ~」って感じだったのに、ね。

■自分の人生を肯定することと、思考停止することは全然違う

そうなると、次に起こりがちなことは何か。
「思考停止」でありましょう。だって、他の選択肢まで査定しだしたら、何を決定打に決めたらいいかわからなくなってしまうのだもの。

結婚が決まった途端に、未婚の女友達に、
「やっぱり女の幸せは結婚だよ? 早くしないと子供産めなくなるよ?」
と、言い放ったり。
 家庭生活が忙しく疲れを見せる既婚女性に、未婚女性が、
「え~なんでまだ若いのに結婚しちゃうの? いつ仕事に復帰するの~? もったいないよ~」
 と、心配をしたふりをしながら、積年の恨みマウンティングをしたり。

言い換えると、盲目的に、「これが私の幸せ」と決め込んで、他を否定するということでもあるのかもしれない。
自分自身や生き方・人生を「肯定すること」と、「思考停止すること」は違うんですけれどね。

■もう、腹はくくれているのだ、本当は

 本音を言うと、私は「思考停止」する人を少しだけ見下して、さも、「右往左往」し続ける自分を偉いかのように、マウンティングしていた。
 今となっては、本当は、自分がとるべき道はどちらでもないことをわかり始めてもいる。

「思考停止」するのではなく、冷静に取捨選択し、自分の人生や幸せの「要件定義」をすること。
一方で、時には賛成できない環境条件であっても、大本の目的から逸れないのであれば……とビジネスマンの意思決定のごとく、飲む勇気や思い切りの心を持つこと。
そのさじ加減が、これからも人生が何十年と残されている、いい塩梅の年齢の私には、必要なこと。

本当は、わかっている。
もう、腹はくくれているのだ、本当は。

DRESSへの寄稿を通して、これから「幸せの要件定義」に右往左往していきますので、皆さまどうかお付き合いください。
よろしくお願いします。

この記事のライター

外資系コンサルで奮闘する会社員です。 最愛の彼氏が死んでしまったり、諸事情を抱え、人生要件定義しなおし中です。 働く女性の視点で、あれやこれやと思考をめぐらすのが好きで、このたび記事を書かせて頂きます。

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