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愛されファッションに模範解答はありません

愛されファッションとモテファッション。後者に分類される服は確かに存在するが、男性ウケを狙った服ばかりを選んでいては、「愛される女」からは遠ざかる一方。着ている服によって、愛されるかどうかが決まるわけではない。自分らしいファッションを心から楽しむ女こそ愛されるのだ。

愛されファッションに模範解答はありません

■モテファッションとやらは確かに存在する

一時期、若い女性向けに、モテファッション・モテメイク・モテヘアを指南するのが女性雑誌で流行ったことがある。

日本中の女性の価値観が「モテるか否か」という切り口1択になったような錯覚すら覚えた。当時のモノサシを今なお引きずっている女性はいないだろうか。

長い間、“女業”をやっていると、確かに「男性にウケのいいモテファッション」というものが存在する――ということは、誰だって否が応でもわかってくるはず。

流行の最先端の服よりも、やや保守的な方がウケる。ゆるっとしたシルエットよりも、体のラインがある程度出る服の方がウケる。

甘口なラブリーな服よりも意外とクールで辛口な服の方がウケる。じゃらじゃらとジュエリーやアクセサリーを着けるのは不評。

奇抜な色や柄よりも、白やベージュや淡いきれいな色で。髪はロングかセミロングで、サラッとストレートかゆる巻きで……などなど。

「男ってヤツは……本当にこういうのが好きなんだな……」と呆れるくらい。ある特定の型に人気が集中することに気づく。

しかし、だからといって、それに自分を無理やり当てはめるように軌道修正する、という行為はあまりにも早計ではないだろうか?

ファッションやヘア、メイクでひたすら工夫し、大票田で多数の支持票を集めたところで、一体何になるというのだろう?

たった1人の人から、揺るがない1票を投票され続けることの方が、はるかに大切で意味がある、と誰もがわかっているはずだ。

つまり、ファッションやヘアメイクは何が正解か? という模範解答例は残念ながら存在しない。いや、そもそも解答例を見つける必要もないのでは、と私は思う。

■愛されファッションを知るために、彼に好みを聞く女

あるとき、素敵な恋人ができて嬉しくてたまらない女が、付き合い始めた彼にこんな質問をした。

「あなたは(女性の)どんな髪形が好み? どんなファッションが好み? それに合わせたいの」

彼は困惑した顔で言った。

「何を着ても君は君だから、全然気にしないよ」

彼女はそのとき、くだらないことを聞いてしまったと後悔したという。

しばらくして、今度は彼が彼女に尋ねた。

「白髪……かなり目立ってきたんだけど、気になるよね? 染めた方がいいよね?」

彼女は言った。

「あなたの髪が黒くても白くても、たとえ紫色でも、私は全然気にしないわ」

彼の顔がパッと輝き、「君がそう言うなら染めないよ」と笑った。

■自分が心地よく、幸せを感じる服を堂々と着よう

いわゆるモテファッションに分類される服は確かにある。しかし、愛されファッションについては「これが愛されファッション!」と一概に言えないのでは? と私は思っている。

もしあるとすれば、女性が「パートナーから愛されている」という自信に満ちて、堂々と好きな服を着てリラックスしているとき。

王道のモテファッション・モテヘア・メイクからはかけ離れていたとしても、「彼女らしいな」と彼がオリジナリティをあなたに感じるとき。

その瞬間まとっている服こそが、その人にとっての愛されファッションではないかと思う。

男性は驚くほど、女性の服やヘア、メイクをよく見ている。一方で、矛盾するようだが、服なんかどうでもいい、とも思っている。

だから、そんなことをやたら気にしたり、自分の軸をぶらしたりする必要はなく、自分が心地よくいられる服を堂々と着続ければいいのだ。

■愛されファッション云々の議論がなぜ無意味か

子供を生み、育ててきて、最近感じることがある。

ただ生きて、そこにいるだけで、もう充分。それが親にとっての子供という存在。それに限りなく近い存在を探しているのが男と女。

そう考えると、愛されるファッション・愛されないファッションといった切り口での議論は、あまりにも無意味であるように思う。

子供は親から愛されようとして服を選んだりはしない。

自分で選んだ服は自分を現している。だから自信を持って着て、楽しんで、うんと笑顔でいよう!

その笑顔を「いいな!」と心から思って見ている人がきっといる。

霧香

都内在住の50代主婦。 「50代になっても洋服好き主婦のファッションブログ」を運営。 仕事着&プライベート服の着回し。毎日のコーディネートに真剣に楽しく頭を悩ませる日々。

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