長く、楽しく働き続けられる自分に
社会保障の対象が厳しくなってもサバイバルできるライフプランが必要になりそうです。
朝、いつものように1人暮らしの母に電話をしたら、「今、ワイドショー見てたんだけど、ママは介護保険を使えなくなりそうだわ」と暗い声。
母のぼやきは、8月5日にまとまった社会保障に関する国民会議の最終報告書によるもの。介護の必要性が比較的低く、食事や洗濯などの家事サービスを利用している「要支援者」を、介護保険のサービスの給付対象から外すことが掲げられたのです。
母はまさに要支援者。週1回、ヘルパーさんにお風呂を洗ってもらったり、お布団を干してもらったりと、比較的重労働の家事支援をしてもらっているのですが、それが使えなくなるかも。これからどうしよう……と心配になったようです。
報告書によれば、保険の対象から外れても、市区町村がフォローしてくれるので、何のサービスも受けられなくなるわけではない様子。でも、質が下がったり、使いにくくなったりするのは必至なので、私も今以上に母のケアをすることになりかねず、こちらのキャリアプランにまで影響しそうです。
報告書ではさらに、現在かかった費用の1割である自己負担割合を、医療保険同様、高所得者に対して引き上げるべきとしています。
私は高所得者じゃないから大丈夫……と思うかもしれませんが、実は他人事ではありません。あと10年もたてば、人口のボリュームゾーンである団塊の世代が医療・介護リスクの高まる「後期高齢者」と呼ばれるステージに入るため、社会保障財政は急激に悪化することが見込まれます。そうなると、高所得者のみならず、一般所得者も2割負担、3割負担ということだって考えられるのです。現に医療保険の場合、70~74歳の高齢者は、一般的な所得者でも、これまで1割の自己負担割合だったのが、来年以降、段階的に2割負担となることが、これまた報告書に盛り込まれています。
一方、年金についても「中長期的な課題」として、さらなる受給開始年齢の引き上げが掲げられました。現在の法律でも、アラフォー世代は65歳まで年金が1円ももらえないのですが、これをさらに67歳とか68歳に引き上げようという議論があるのです。
こうなってくると、マネープランだけではなかなか対応が難しいのが実情です。節約や貯蓄も大事だけど、同時に、年金がもらえる60代後半まで、楽しみながら働けるキャリアを模索することが先決みたい。私もこの夏休み、じっくり自分の今後について考えてみようと思います。