女医流「不妊治療中のストレス」との付き合い方

女医流「不妊治療中のストレス」との付き合い方

不妊治療中はストレスがたまる人も少なくありません。不妊治療が実を結ばないストレスや、不妊治療と仕事との両立によるストレスなど、不安やイライラが募ってしまうことも。今回は不妊治療を経験した女医が、ストレスを解消・発散する方法をお伝えします。


不妊治療を受けていても、いつ妊娠できるか、はたして妊娠できるかどうか、はっきりとはわかりません。不妊治療中のストレスや落ち込みは人によっては相当なものです。

今回のコラムでは、毎回「通院が楽しい!」と感じていた私の、「不妊治療中にストレスをためないコツ」についてお伝えします。

■不妊治療はストレスもあるけれど、治療を始められるのも、ひとつの幸せ

現在、選択的シングルマザーとして生きる私ですが、一度の結婚歴があります。元夫は不妊治療に反対でした。

そのため、子供がほしいと思っていたものの、離婚して新しいパートナーが見つかるまで、不妊治療を受けられませんでした。

通院が始まったときは、「やっとこれでスタートラインに立てたんだ!」と嬉しかったのを覚えています。

パートナーの同意が得られない人の他にも、金銭的な問題や(ただし、高度不妊治療には、所得などの制限があるものの助成制度が使えます)、病気や介護で不妊治療を始めることができない人もいるでしょう。

不妊治療を受けられるということは、少なくともあなたとパートナーが「子どもがほしい」という同じ考えを持ち、協力しながら前に進めているということなのです。

■生理になっても落ち込まない「楽しみ」を用意して

妊娠したいのにできない女性であれば、生理が始まると「今回もだめだったんだ……」と落ち込むと思います。

私はお酒がまあまあ飲めるので、「生理用」に美味しいワインを用意しておき、始まったら飲むことにしていました。もし妊娠したらお酒とは縁遠くなりますので、不妊治療中くらいは自分を甘やかしてもいいと思います。

また、私が通っていた不妊治療専門のクリニックは、都心のおしゃれなエリアにありました。なので通院した日は、クリニックの近くでランチを楽しんで帰ることにしていました。

妊娠すると激しいスポーツはできません。私は不妊に悩んでいたとき、「妊娠したらできないことをやっておこう!」と、スカイダイビングに挑戦しました。

スキューバダイビングや遊園地の絶叫系マシンに乗るのもおすすめです。海に潜って魚を見ると癒されますし、絶叫すればすっきりします。

それから、「12才以下のお子さまはご遠慮ください」といった大人向けの宿に泊まる、小学生以下は入れないクラシックコンサートに行くなど、妊娠中や育児中には難しい楽しいアクティビティはほかにもあります。

■不妊治療中も仕事を続けるほうが、ストレスはたまらない

不妊治療のために仕事を辞めてしまう人もいますが、個人的にはおすすめしません。治療には費用がかかるので、仕事を辞めたせいで高度な治療を受けられなくなるかもしれませんし、時間ができると妊娠のことで頭がいっぱいになる人もいます。

フルタイムの仕事と治療の両立が難しければ、アルバイトやボランティアはどうでしょうか。私は祝日などには1日だけのアルバイトをして治療の資金を稼ぎ、週に1回半日だけボランティアをしていました。身体を動かした方が不妊のことを考えずに済みます。

■妊娠・出産した友人、不妊治療仲間との付き合い方

SNSに友人の妊娠・出産報告があると辛いですよね。私は不妊治療中はあえてFacebookなどのSNSからは距離を取っていました。一生縁を切るわけではありませんから、「今の間だけね」という感じで。

また、私は「お子さんは?」と聞かれたら「ほしいけどできないんです」と、不妊であることを隠してはいませんでした。そうすると「実は私も……」と、同じ境遇にある人が周りにも案外いることがわかりました。

こういう知人や友人とは辛さもわかりあえるので、「不妊であることを隠さない」メリットもあると感じました。もちろん、無理にオープンにする必要はありません。

■不妊治療中、ストレスと上手く付き合えるように

はじめにも書きましたが、不妊治療は何ヶ月、何年かかるかわかりません。ストレスと上手に付き合うスキルは必須だと思います。

「これだけがんばったんだからしばらく休憩」と治療をお休みするのも一つの方法です(治療をお休み中に自然妊娠したという話、よく聞きます)。

これからやってくる赤ちゃんが「こんなお母さんのもとに生まれたい」と思うほどに笑顔で過ごせるといいですね。

不妊に悩んだ女医の妊娠と出産

https://p-dress.jp/articles/2584

不妊に悩む人が珍しくない昨今。不妊の検査を受けたり、実際に不妊治療を始めたり、不妊治療の体験を綴る書籍やブログを読んだり……そんな方は少なくありません。今回は不妊に悩んだ時期を乗り越えて、二児の母となった医師・岡本彩さんの体験記をお届けします。

この記事のライター

1982年広島市生まれ。2007年大阪大学医学部卒業。人間ドックや健康診断など、「病気になるまえの健康管理」を専門にする医師。アメリカ人のパートナーとの間にもうけた2児の選択的シングルマザーでもある。選択的シングルマザーとは...

関連するキーワード


不妊 不妊治療

関連する投稿


セックスレスからの不妊治療 - ある夫婦の体験談

セックスレスからの不妊治療 - ある夫婦の体験談

セックスレスであることに不満のない夫婦。だけど子供がほしい。悩んだ末、不妊治療の中でも「体外受精」という手段を選択した夫婦に話を伺いました。


妊娠発覚後にすべきことを、妊娠前から押さえておこう

妊娠発覚後にすべきことを、妊娠前から押さえておこう

妊娠できるか、そして妊娠発覚後の生活が不安な女性に手に取っていただきたい『はじめてママになる人の「妊娠・出産」読本』。著者のにしじまクリニック院長・西島重光医師が、妊娠に関する正しい情報や知識を全7回に渡って解説します。


出生前診断と着床前診断の違いや問題点は?診断技術の進化から考える

出生前診断と着床前診断の違いや問題点は?診断技術の進化から考える

「出生前診断」と「着床前診断」の違いについて、ご存知の方は多いかもしれません。今回のコラムでは、着床前診断の以前から行われていた出生前診断の歴史を紐解いていきます。倫理的な問題が絡んでいるともいえる技術だからこそ、技術ができるまでの背景を十分に理解してほしいと思うのです。


不妊治療にまつわるQ&Aをステップ別に解決

不妊治療にまつわるQ&Aをステップ別に解決

不妊治療に関するQ&Aをまとめた書籍『専門医が答える不妊治療Q&A』が登場。著者は、1999年に千葉市に不妊治療専門クリニックを開業後、18年間で累計1万3000例もの妊娠の実績を積み上げてきたベテラン産婦人科医・高橋敬一さん。不妊治療に関する正しい知識を学びましょう。


卵子の数は年齢を重ねるにつれ減っていく。妊娠を望むなら早めに卵巣年齢検査を

卵子の数は年齢を重ねるにつれ減っていく。妊娠を望むなら早めに卵巣年齢検査を

卵子の数は年齢を重ねるにつれ減っていきます。卵子の数が最も多い時期は、胎内にいるとき。月経が始まる頃には最多時の1/3ほどに減っていて、すべての卵子が失われる閉経へと向かっていきます。つまり、妊娠を考えるなら「卵巣の機能や残されている卵子の数」を、しっかり意識する必要があるともいえるのです。


最新の投稿


コーンショット×スイーツビールを横浜で

コーンショット×スイーツビールを横浜で

食べるカップ「コーンショット」×「スイーツビール」がGW、ヨコハマフリューリングスフェストに登場。


SUQQUのサマーコレクションは「大人のマリン」

SUQQUのサマーコレクションは「大人のマリン」

この夏SUQQUが提案するのは、大人仕立てのマリンカラー。モダンに、上品に、さらりと余裕を感じさせるゆったりと夏を愉しむコレクションの登場です。


超音波検査より詳しい「羊水染色体検査」でわかることは?検査方法、メリット、リスクも知って

超音波検査より詳しい「羊水染色体検査」でわかることは?検査方法、メリット、リスクも知って

羊水染色体検査を通じてわかること、検査の方法、メリット、リスクなどを山中智哉医師が解説します。さらに、1990年代以降行われるようになった、母体血清マーカーテストについても後半で説明します。


嫉妬心をなくすには? 「羨ましい」という感情で自分を磨こう

嫉妬心をなくすには? 「羨ましい」という感情で自分を磨こう

誰かを羨ましいと思うのは人として当然の感情のひとつだ。しかし、それが行き過ぎると自分の心に黒い影を落とすようになる。単なる嫉妬心をなくすには、どうすればいいのか。羨ましいという感情で、自分を磨く方法を考えてみた。


逃げ恥系?家事好きな大学職員の本棚【本棚百景#4】

逃げ恥系?家事好きな大学職員の本棚【本棚百景#4】

本棚の中身は、持ち主の脳内や心の中を映し出していることがあります。他人の本棚や読書スタイルというものは、意外に知らないものですが、読む本の変遷は時にその人の生き方さえも表しています。連載【本棚百景】4回目は、東京都在住リョウカさん(仮名)の本棚をご紹介します。