果てないお菓子作りへの情熱。パティシエ エス コヤマ新作発表会へ!【大阪会場編】
今年6月に初めて参加したショコラセミナーにおいて、その素晴らしいショコラに感動、そしてその後も継続してセミナーに参加させて頂いている、[パティシエ エス コヤマ]オーナーシェフ小山進氏の「es koyama 2016-2017 SUSUMU KOYAMA`S COLLECTION 新作発表会」に行ってきました。
世界大会受賞作が登場したパティシエ エス コヤマ新作発表会
小山シェフは今年、世界で名高いショコラのコンクール「インターナショナル・チョコレート・アワーズ 2016」において、1700社が出品する中で世界最多の24品が金・銀・銅賞を受賞するという偉業を達成され、また、フランスで最も権威のあるショコラ愛好会「C.C.C.」のコンクールの各付けで6年連続となる最高位(ゴールドタブレット)を獲得されました。
今回の新作発表会では、世界で認められた貴重なショコラの中から8品を、小山シェフの創作にまつわるお話を伺いながら試食させて頂きました。
海外の方々にも日本の素晴らしい食材をもっと知って貰いたいと、常に思っておられる小山シェフのショコラは、個々の素材が持つ力をお菓子という領域の中で最大限に引き出し、まろやかなチョコレートと見事な調和を生み出しているような味わいでした。
小山ロールも“まだまだ未完成”?!
この日は大変興味深いポイントである、“素晴らしい作品が生まれるまでのプロセス”についても伺うことが出来ました。
小山シェフは日々の生活の中で、創作へのヒントとなりそうなアイデアを書き留め、そこから絞り込んで試作に試作を重ねていくのだそう。
例えばかんぴょうなら、かんぴょうのスペシャリストになれる位まで炊き続けると話されていました。
そしてショコラとなったものを、1ヶ月毎日食べ続け、納得したものだけが残ります。でも、それは全体のほんの1割弱程度。
そんな妥協のないお菓子作りへの情熱は、ショコラも小山ロールも同じで、あんなに美味しい小山ロールもシェフにとっては未完であり、もっともっと進化していくそうですよ。
昔から実験が大好きで、小山ロールを焼くための理想のオーブンは、今でもまだ完成していないとか。久々にまたあのロールケーキを改めて食べてみたくなりました。
そして今年の創作テーマである2つ。
「自然の力」、「過去から現代へ、そして未来へと受け継がれていくもの」。
今年は日常生活の中で深堀りし、ヒトと自然の共存を意識したことにより、より多くのアイデアが生まれたとか。
また、今年の新作ショコラのほとんどに使用されているミルクチョコレート。
現代人の私達にとってはごくごく当たり前のものになっていますが、もともとは19世紀に一人のスイス人が大変苦労して産み出した“遺産”。
そんな過去の偉大な先人達が残した遺産を大切に思う気持ちから、今回はほぼミルクチョコレート。
そしてご自身も、未来へと受け継がれていくものを残していきたいとお話しされていました。
2時間弱のお話しでしたが、そこには仕事に対する妥協のない姿勢であったり、生き方等、見習うべきことが大変多くあったように思います。
そして、もっともっと小山シェフの作り出すお菓子の世界を見ていきたくなりました。