1. DRESS [ドレス]トップ
  2. 妊娠/出産/家族
  3. ベビーシッター代は母子を幸せにする必要経費【小田桐あさぎ 連載 #3】

ベビーシッター代は母子を幸せにする必要経費【小田桐あさぎ 連載 #3】

「子どもをベビーシッターに預けて夫とデート」。そんな発言をした女性芸能人が以前炎上した。しかし、ベビーシッターに子どもを見てもらうことは、悪いことだろうか? むしろ、必要なこと。そう考える小田桐あさぎさん流ベビーシッター活用術は参考になる。

ベビーシッター代は母子を幸せにする必要経費【小田桐あさぎ 連載 #3】

私が初めてベビーシッターを利用したのは、娘が生後3ヶ月のときである。学びたい講座に出会ったことがきっかけだった。月に一度平日昼間に行われるその講座に通うとなると、毎月子どもを預ける必要がある。今ではあたりまえのようにベビーシッターを活用している私だが、このときは「生後3ヶ月の赤ちゃんを人に預けてまで」「講座費用とは別にシッター代もばかにならない」「万が一、赤ちゃんに何かあったら」などといろいろと悩んだし、不安もあった。


我が家から1時間半の距離に住んでいる実母に預ける気にはなれなかった。単純に往復3時間かけるのが面倒だったし、それ以上に育児についてアレコレと口出しされることが何よりも嫌だったのだ。母親に面倒をみてもらうというのは、必ず口出しもセットでついてくる。愛情ゆえということはわかっていても、そのたびに母と口論になることは目に見えていた。


そんなわけで外注を探すことにした。検索して辿り着いたのが「キッズライン」というベビーシッター派遣サービス。1時間1000円〜とかなりお手頃価格であったし、何より素晴らしいのが全てのアカウントがFacebookと連動しており、ベビーシッターさんの顔はもちろん、そのシッターさんを利用した方の口コミまでが、顔つきで見られる安心感だった。


■実際にやってみなければ、不安は解消されない

キッズラインにベビーシッターとして登録するには、ネット上に実名・顔写真を公開するのに加え、応募、面接、実地訓練などのプロセスも必要だ。悪事を働くことが目的なら、こんな回りくどい手段は取らないだろう。また、故意ではなく事故が起きてしまった場合についても、「プロのシッターでさえ防げなかった事故を素人の自分や母に防げるはずがない。自分の場合は保険すらおりない」などと考え、不安を一つずつ潰していった。


頭で考えられたものの、心理的な不安は残った。しかし不安というものは、結局最後は飛び込んでみることでしか解消されない。だからとりあえず一度試してみるということにした。試してみてやはり無理だと思ったら、講座に通うのを断念したり、実母に預けたりということを検討すれば良い。何事も試してみなければわからないのだ。


そんなわけで初回は練習を兼ねて、私が家にいる状態で来ていただいた。シッターさんに面倒を見てもらいながら、私は隣の部屋を閉めきって勉強をしてみた。30分が経過する頃には、今までの不安がバカらしく感じた。とにかくシッターさんの手腕に感心したのである。やはりプロは違う。私が見るよりよっぽどきめ細やかで手厚いし、なにより子どもが好きだからこの仕事についているのが、本当によく伝わってきた。そりゃそうだろう。自らこの仕事を選んでいるのだ。海外のように、高校生や貧困層がお金欲しさのアルバイトをする世界とはわけが違う。


最初は講座に通うときだけと考えていたベビーシッターだったが、あまりの素晴らしさに今度は夫とのデート時にも利用するようになった。夜3時間だけお願いして、大好きなお店に行く。月に一度こんなデートがあるだけでも、私も夫もかなりの息抜きになった。実母だとこうはいかない。迎えに行くときに申し訳なさそうにしなければいけなかったり、迎えに行けば「もっと〇〇したほうがいい」だの言われたり、といったことを考えると、息抜きどころか逆にストレスが溜まりそうである(笑)。


■ベビーシッター代は心に余裕を持って子どもと向き合うための「必要経費」

私も自分が実際に利用するまで、ベビーシッターというのは外国人かセレブ専用のものだと思っていた。しかし調べると上述したキッズラインに限らず、たとえば区の育児サポートなどでも1時間800円から訪問育児をお願いできる制度があったり、1000円から一時保育をお願いできる施設があったりと、今は本当にいろいろなサービスが展開されている。


育児というものは母親1人がするものではなく、社会全体でするものだ。遊びたいときに誰かに任せて遊びに行くことは雇用の機会も生み出すし、赤ちゃんにも新しい刺激になるし、自分にも夫にも息抜きになるし、良いことづくめである。育児のストレスというのは自分で思っている以上にかかっているものだ。私も自覚がなかったが、初めて子どもを預けて外出したときに意外とストレスが溜まっていたことを心から実感した。


育児のストレスを我慢したり、罪悪感を感じたりする必要はどこにもない。月に一度、数千円で育児を外注して好きなことをするのは「子どもと心から余裕を持って向き合うための必要経費」と考えよう。まずは一度、在宅時やちょっとしたお出かけから検討してみることをおすすめしたい。


小田桐 あさぎ

株式会社アドラブル代表。女性の魅力を覚醒させる講座や各種セミナーの主催、新時代のワーキングマザー像を提唱する執筆・講演活動などに幅広く取り組んでいる。一児の母。趣味は美味しいご飯とお酒と共に、夫や友人と人生について語り合うこ...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article