「良い母親」じゃなくちゃいけませんか?【小田桐あさぎ 連載 #2】

「良い母親」じゃなくちゃいけませんか?【小田桐あさぎ 連載 #2】

子どもを幸せにできるのは子ども自身。母親にできることなんてほとんどない。だから「良い母親」を目指すのはやめて、母親も自分の人生をしっかり楽しもう。そのスタンスが子どもの精神的自立を促し、結果的に「自分を幸せにできる人」として育っていくのだから。


私の子育ての理念は「子どもが自分らしく幸せに人生を楽しめるよう手助けすること」だ。それにはまず母親である自分自身が、お手本になるレベルで人生を楽しみたいと考えている。そのために私が捨てたこと。それは周りの人や世間から「良い母親」だと思われようとすることである。

私は「良い母親」であれば普通はしなさそうなことでも、自分がしたいことは何でもしている。ベビーシッターや夫に子どもをお願いして毎週飲みにいくし、毎月国内外へ旅行に行くし、エステやネイルにも行く。月に2回は夫と二人でデートもする。家事は一切しない。「母親になっても、自分がしたいことはなんでもできる」と知れたのは、出産して良かったことの一つだ。

こんな育て方をしていると「愛情不足な子に育つ」とか「年頃になったら苦労する」といった意見もよくいただく。確かに娘が思春期を迎えたら「ママなんてまともに料理してくれたこともない。いつも仕事や自分に夢中で私のことなんて全然愛してない」と言われることになるのかもしれない。あるいは娘が、私の気を引くために他人に迷惑をかけてみたりトラブルを起こしてみたり、逆に私に迷惑をかけちゃダメ! と思うあまりに人の顔色を必要以上に伺う子に育ったり……何かしらの事態に直面して悩むことも、あるのかもしれない。

が、だからといって私は、自分の子育ての方針を変える気はまったくない。というのは先述の通り、私は人や娘から良い母親だと思われるために努力することには、まったく意味がないと思っているし、私がどんな子育てをしようが、娘からの不満なんていくらでも出てくると思っているからだ。娘が私に不満をもったところで、その原因は私にあるわけではない。不満というものはすべて、本人が精神的に自立をしていないことに起因するものである。これは私自身が身をもって体感していることだ。

■自分の人生を親のせいにする、自立できていない人たち

私は26歳頃まで精神的自立ができておらず、自分の人生の不満をすべて周囲のせいにして生きていた。会社のせい、社会のせい、彼氏のせい、外見のせい……中でも一番の不満の矛先は、なんといっても母親である。母がもっと厳しくしなければ、もっと美人に産んでくれていたら、もっと私の意見を尊重してくれていたら……私の人生はもっと幸せなものになっていたはずだったのに、と本気で考えていたのだ。

しかし少しずつ精神的に自立していくにつれ、自分の人生に起きたことは、すべて自分が選択した結果なのだと考えられるようになった。人生は誰でもいつからでもどんなふうにでも変えていけるし、不満だらけの自分の人生を変えなかったのは、他の誰でもない自分自身だと思い知ったのである。私のように「親が〇〇だったから、自分はこんな人間になった」と考えている人はとても多いと思う。しかしこれこそが、精神的な自立をしていない考え方なのだ。

日本では子どもの責任をすべてその親に押しつける文化が根強くある。人が不祥事を起こすたびに、その親が育て方を糾弾されたり、謝罪したりするシーンが見られるのは「親から自立していません」と全世界に対して宣言しているようなものだ。結局のところ、多くの人が自分の人生の一片を親のせいにして生きているから、何かが起きたときに「その親のせい」だと、無条件で判断してしまうのだろう。だから人に「良い母親」でいることを押しつけるのだ。これは本当に自立していない文化だと思う。

どんな育て方をしようが、どんな人生を選ぶかは子ども自身の問題だ。良い母親に育てられたからといって、子どもが幸せな人生を送るわけではない。子どもを幸せにできるのは子ども自身でしかないし、そのためには本人が精神的に自立する以外に、方法はないのである。母親にできるなど、ほとんど何もない。「良い母親」を目指すのはやめて、母親でも何も我慢せず自分らしく幸せに人生を楽しみ、毎日を機嫌よく過ごそう。それこそが結局は子どもに自立を促し、若い世代の希望へもつながっていくのである。

この記事のライター

株式会社アドラブル代表。女性の魅力を覚醒させる講座や各種セミナーの主催、新時代のワーキングマザー像を提唱する執筆・講演活動などに幅広く取り組んでいる。一児の母。趣味は美味しいご飯とお酒と共に、夫や友人と人生について語り合うこ...

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