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“不倫”の先にあるのは心の疲弊と慰謝料。その恋のリスクを再確認

不倫の先に幸せはあるのでしょうか? 妻子ある人と関係を持ってしまったり、愛する夫に裏切られたりと「不倫」は数多くの人を悩ませます。もしも自分が不倫相手になってしまったら、相手の不倫に気づいたら……どういう結末が待っているのでしょうか。取るべき行動を、知識のひとつとして心に留めておくといいかもしれません。

“不倫”の先にあるのは心の疲弊と慰謝料。その恋のリスクを再確認

「昼顔」「せいせいするほど愛してる」など、不倫をテーマにしたドラマが目立つ昨今。しかし、不倫はドラマだけの話ではなく、日常的に起こる可能性があるもの。もしかすると、自分が不倫相手になってしまうことや、夫の不倫に気づいてしまうことだってあるんです。

不倫が相手にバレてしまったら、どんなことが起こり得るのでしょうか。また、パートナーの不倫を確信して離婚を考えたとき、どんな行動をとったら良いのか……。アディーレ法律事務所の弁護士にお話を伺いました。

■不倫の慰謝料はパートナー(夫/妻)・不倫相手、双方に請求できる

たとえば、夫に不倫された場合、夫だけでなく不倫相手への慰謝料請求は可能なのでしょうか?

不倫は、「妻(夫)が夫婦生活を円満に送っていく権利」を侵害するものとして不法行為(民法709条)に該当します。そのため、不法行為に基づく損害賠償請求として、不倫相手に慰謝料請求をすることが可能です。不倫は「夫」と「不倫相手」が共同して行うものですから、法的には「共同不法行為」といって、不倫をした2人、どちらに対してでも請求できることになります。

慰謝料を請求する場合、どのくらいの金額を請求できるものでしょうか?

不倫の慰謝料は「どれだけ傷ついたか」を表すものなので、婚姻期間や不倫の回数・期間など様々な事情を考慮して、金額を決めるもの。ただ、裁判になった場合の相場は「不倫が原因で離婚に至った場合は150万円~300万円程度」、「不倫があっても離婚に至らない場合は100万円以下程度」と、一応の目安はあります。

それぞれの不倫のケースによって金額が変わるなら、専門家にアドバイスをもらう方が良いかもしれません。しかし、不倫で傷ついた心は、お金だけでは解決できない部分も……。しかも、相手と連絡が取れない場合や、不倫したことに対して開き直った態度をとられた場合は、腹の虫も治りません!

その場合は、合意書に「謝罪の意を表する」などと条項を設けることもあります。合意書を作成する際に相談してみてください。

■慰謝料は折半もできる

逆に、自分が不倫相手だったとして、相手の妻から慰謝料を請求された場合、請求通りの金額を必ず支払わなくてはいけないのでしょうか?

不倫をした場合、相手の妻から「慰謝料払え」と請求されれば、法的には慰謝料の支払義務が生じることが多いでしょう。ただ、不倫をした段階で相手夫婦の関係が完全に破たんしていたケースや、相手に妻がいることをまったく知る由もなかったようなケースであれば、そもそも慰謝料の支払義務が発生しない可能性も。

慰謝料が発生するケースであっても、「このケースであれば◯◯万円くらい」といった一応の相場はありますので、あまりに法外な金額の慰謝料請求にそのまま応じる必要はないといえます。このあたりは弁護士に相談してみるといいでしょう。

ケースバイケースで請求額が変わってくるため、その金額が本当に妥当なのか都度確認しておくといいかもしれません。

ときに、高額な慰謝料が発生することだってあります。「不倫して相手を傷つけたのは事実だけど、自分だけが悪いの?」と思うことも。全額自分で負担しなくてはいけないものでしょうか?

不倫相手として慰謝料を支払った場合、当然、不倫相手の男性も悪いわけです。たとえば「私、奥さんに100万円支払ったんだから、あなたもその半分の50万円負担してよね(割合はケースにより異なります)」と、その男性に対して後から請求することが可能です。これを求償(きゅうしょう)といいます。合意書などで求償権を放棄していない限りは、この負担を求めることが可能です。

■社内不倫の先に待っていた結末。事実上の自主退職?

続いて考えたいのは「社内不倫」の場合。関係がバレてしまったら、会社を辞めなくてはいけないのでしょうか。とくに、女性は居心地が悪くなって結局会社を辞めた……なんて話も珍しくありません。

社内不倫が理由で、会社をクビになることってあるのでしょうか?

法的には「社内不倫をしたので解雇する」という処分は、通常許されません。解雇は極めて重い処分であるため、不倫だけを理由に解雇を言い渡されても「そんな解雇は無効だ」と反論することが可能でしょう。

ただ、社内不倫が公になることによって、社内の職場環境を乱したなどの理由で解雇される可能性は、皆無ではありません。大事になれば解雇も有効となり得るので注意が必要です。また、仮に解雇処分とならなくとも、会社にバレた以上、今後働きづらいということで事実上自主退職を余儀なくされることも少なくないと思われます。やはり社内不倫の代償は大きいですね。

社内不倫はどうしても職場や仕事に影響が出かねません。もしも、社内不倫に陥りそう、もしくは現在不倫進行中なら、最悪その仕事を手放す覚悟があるか、今一度自分に問いかけてみて

また、社内不倫の場合、「会社にバラしてやりたい!」という妻の気持ちが生まれることも。アディーレ法律事務所によると、夫の不倫を会社に暴露する行為は、厳密にいうと名誉毀損やプライバシー侵害の可能性が高いのだそう。

しかし、感情が高まってしまったら、バラしてしまうこともなきにしもあらず。社内不倫は、そのリスクが高いことも注意する必要があります。

不倫は、法律的にも慰謝料の支払義務を負う不法行為であるとともに、社内不倫ともなれば職場にも大きな迷惑をかける行為。

恋は盲目となりがちですが、そのリスクをとってリターンがあるかどうか、冷静に考えることが大事です。

協力:アディーレ法律事務所
http://www.adire-rikon.jp/
※この記事は2016年11月2日に公開されたものです

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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