“魔法の5文字”で人生がいい方向に進んでいく
恋愛や婚活、職場の人間関係、子どもの反抗期、夫との関係。大人なら誰しも、何らかの悩みを抱えているもの。そんなとき「突破口」になり得る、魔法のような言葉があります。人生を一気に好転させる、たった5文字のパワーのある言葉。あなたも声に出して、思いを伝えてみませんか?
■「ありがとう」で心が晴れやかになった日
「ありがとう」の言葉に救われ、気持ちが晴れ晴れとした私自身のエピソードを、今日はお話しします。
いつも行くスーパーのレジで、支払いをするため、列に並んでいたときのこと。夕暮れ時、ちょうど混み合う時間帯でした。
かごいっぱいの食材を手際良くピッと精算しながら、隣のかごへ移していくレジ係の女性。支払いを済ませ、かごを受け取って、足早に立ち去っていく買い物客の人々。
誰もが急いでいますから、レジ係の女性に目を向ける人などいません。それなのにレジ係の女性は、一人ひとりの買い物客にきちんと頭を下げ、笑顔で「ありがとうございます」とくり返していたのです。
並んでいる間、その姿を見ていたせいでしょうか。私の番がきて支払いを済ませ、おつりを受け取ったとき、無意識のうちに声が出てしまったのです。「ありがとう」って。
レジ係の女性も驚いていましたが、「ありがとう」とつい口にした私自身も驚きました。一瞬時が止まって、それからふたり、見つめ合って笑ってしまって……。
「ありがとうございます! またどうぞ!」
ひときわ明るく大きな彼女の声に会釈を返して、かごを手に、私はその場を離れました。
実はその日、仕事で思うようにいかないことがあって、落ち込んでいた私。けれどもその「ありがとう」の一件のおかげですっかり気分が変わって、晴ればれとした気持ちで帰路につくことができたのでした。
帰りの道々、「ありがとう」という言葉の持つ不思議な力について、思いが巡ります。「ありがとう」と言われれば、誰だってうれしいですよね。
けれど、それだけではありません。「ありがとう」と口にした言葉は、ひるがえって自分に沁みてきたのです。とても不思議な感覚でした。
レジ係の女性に、いつもあんなに気持ちよく接客してもらっていたんだな。うれしいし、同じ職業人として、敬意を抱いてしまうな。自分が発した「ありがとう」によって、そう気づかされました。
普段忘れがちなことだけれど、生きていると、毎日たくさんの方にお世話になっているもの。家族や仕事関係の人ばかりじゃない。よく行くお店の人にだって……。人って、独りで生きられているわけじゃないんだな。たしかにみんな、つながり合って生きている。
そこまで思い至ったときには、本当に心がほかほか、あたたまっていたのです。
■気持ちを載せて、心を込めて。声に出して言ってみる
たった5文字の「ありがとう」は、なかなかのパワーを秘めているようです。
そういえば最近、声に出して「ありがとう」を言っていなかったかも? と思い当たったあなたは、ぜひ誰かに言ってみてほしいのです。
たとえば婚活で出会う男性に、「お時間をくださってありがとう」と微笑んでみるのはどうでしょう? あるいは、あなたを悩ませている職場の同僚が、事務的な用件を伝えてくれたときに。
この頃反抗ばかりしてくるわが子が、「取って」と頼んだものを手渡してくれたときに。いつからか笑顔を見せなくなった夫の出勤を見送るとき、その背中に。気持ちを載せ、心を込めて「いつもありがとう」。
言われた方はきっとびっくりして、「何? いきなり」なんて訝しむかもしれませんね。けれどその後で必ず、ちょっとうれしくなるはず。
その人とあなたを包んでいた重苦しい空気に、風穴が開くのではないでしょうか。
ほんの小さな風穴も、あなた自身の人生をさっと好転させてくれる、かけがえのないきっかけです。気持ちを載せ、心を込めた「ありがとう」を、相手の方に伝え、贈り、響かせてみてくださいね。
最後に、このコラムを読んでくださったあなたに、私からも伝えたいと思います。「読んでくださって、ありがとう!」(声でお伝えできなくて、残念です)
2016年9月16日公開
2019年6月23日更新