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まだ33歳だから妊娠できる、と思っていたけれど……人工授精と体外受精に駆け抜けた1年間

産婦人科医の指導のもと、33歳でタイミング法を始めるも、3周期しても結果が出ない……。人工授精にステップアップしても、望む結果はやってこない。ハードルは高いけれど、より結果が出やすくなるならと体外受精に挑戦し、妊娠した「もぐもぐ」さんに、不妊治療に取り組んだ1年間を振り返っていただきました。

まだ33歳だから妊娠できる、と思っていたけれど……人工授精と体外受精に駆け抜けた1年間

結婚したのは29歳のときでした。同時に勤めていた会社を辞め、フリーランスのイラストレーターに。とにかく仕事を軌道に乗せることに必死で、寝る時間を削ってでも働き、営業活動などに飛び回っていました。

仕事にのめり込むあまりに、すぐに子どもを作ることはまったく考えられず、「まだいいかな」「もう少し先でも大丈夫だろう」を繰り返していましたが、今思うと自分が親になる自信がまだなかったのかもしれません。気づけば33歳になっていました。

ちょうどその頃、テレビの特集で「卵子は生まれ持った数からどんどん減っていく」ということを初めて知りました。先延ばしにしていた「将来的に子ども持ちたいかどうか」という問題に目を向けるときが来たのだと漠然と思い、軽い気持ちで婦人科の門を叩きました。

まずは基礎体温をつけること、そして、排卵日をチェックしてもらい、その前後にタイミングをとる「タイミング法」から始まりました。先生からは「まだ33歳なのですぐに結果が出ると思います」と声をかけてもらい、ほっとしたことを覚えています。

■「6回も人工授精をすれば、いつかは妊娠できる」と気楽に考えていた

それからタイミング法を3周期するものの結果は出ず、人工授精にステップアップすることになりました。同時に「フーナーテスト」「卵管通水検査」「精液検査」「抗精子抗体検査」など、少しずつ専門的な検査が増えていきました。

先生からは「人工授精は6回を目安に行いましょう」と言われ、そのときはまだ「6回も人工授精をすればいつかは妊娠できるだろう」と気楽に考えていました。

そんな中、2回実施した「フーナーテスト」で「不良」という結果が出てしまい、このとき初めて「もしかしたら私たち夫婦は妊娠しにくいのかもしれない」と思いました。

ちょうど3回目の人工授精がうまくいかなかった時期で、「あと3回人工授精をして妊娠できるのだろうか」と不安になった時期でもありました。同時に体外受精に興味を持ち始め、先生に相談したところ「年齢的にまだそこまで追い詰めなくても大丈夫だと思う」という返事が返ってきたため、Webサイトやブログなどで独自に体外受精の情報を集め始めました。

■20代でも体外受精に挑戦する人がいると知り、受けた衝撃

体外受精にチャレンジしている人のブログを読み、20代でも挑戦している人がたくさんいるという現実を知り、衝撃を受けました。それまではどこかで不妊治療は自分とは無縁のことで「自分はそこまでしなくても妊娠できるだろう」という気持ちがあったのだと思います。

同時に、この先人工授精を繰り返しても、同じ結果しか出ないのではないか……そんな気持ちが生まれていたこともあり、気持ちは体外受精に向けて固まっていきました。

体外受精をスタートするにあたり、情報収集先はやはり経験者のブログがメインでした。体外受精は人工授精よりも肉体的・精神的・金銭的に比較にならないくらい大変なことを、たくさんのブログから学んでいたので、転院先のクリニックを選ぶ際はとても慎重に検討し、説明会もいくつも参加し、独自に勉強しました。

6回目の人工授精の結果が出る直前に、転院先のクリニックの初診を受け、次周期から体外受精をスタートすることになりました。

■妊娠・出産することは奇跡だと思うから、お腹に宿った命に感謝

結果、転院先で2回の採卵と2回の移植を経て妊娠に至りました。最初に婦人科の門を叩いてからここまで約1年間、1周期も休むことなく駆け抜け、使った金額は合計で100万円を超えていました。

私たち夫婦は決定的な原因が見つからない「原因不明不妊」だったので、もしかしたらあと何回か人工授精をすれば妊娠できたのかもしれません。

ですが「この方法だと妊娠できないような気がする」というネガティブな気持ちを抱えたまま何度も人工授精をするよりも「ハードルは高いけれども、より結果が出やすい方法を試してみたい」という気持ちが強く体外受精という道を選びました。

度重なる通院や採卵・受精確認・分割確認など、乗り越えなければならないたくさんの関門に一喜一憂することもありましたが、判定日に先生から「妊娠していますよ」と言われた瞬間は今でも忘れられません。今は妊娠できたという奇跡に感謝して、無事に出産できるように、日々を大切に過ごしています。

Text=もぐもぐ
フリーランスのイラストレーター。33歳で不妊クリニックの門を叩き人工授精・体外受精を経て妊娠。
ブログ「妊婦ってこんなん!?」http://moguninpu.seesaa.net

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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