独立するまで 独立してから #5 平野宏枝
ビューティープロデューサーとして美容関連事業を行う平野宏枝さん。キャリアのスタートはコールセンターや百貨店勤務などでした。雇われていた時代は「他人軸で行動していた」と振り返る平野さんは、独立後、自分軸で生きようと気持ちを切り替え、活躍の幅を増やしていきます。彼女が飛躍した背景を探ります。
みなさま、こんにちは! ビューティープロデューサーの平野宏枝です。
この度、DRESS WEB編集長の池田園子さんとのご縁がありまして、今月から定期的にコラムを提供していくことになりました。ぜひお時間のあるときに覗いてみてくださいね。
今回のお題は「独立するまで、独立してから」 。
いろいろと振り返る機会となり、良い時間となりました。
もともと私はアトピーや肌のコンプレックスを持っていて、中学1年の頃からメイクに目覚め、19歳の頃には師匠となるリハビリメイクの第一人者かづきれいこ先生と出逢い、様々な経験をさせていただきました。
■8年間欠かさずSNSで発信した経験が土台に
この頃の経験は、今でいうと修業(笑)。あのときがあったから「今」があると思いますし、そこでの経験は今の自分の強みだと感じています。最初はコールセンターの配属で1日50件以上電話相談の応対をしたり、またサロン・百貨店運営、商品企画、お客さま相談室のクレーム対応、病院でのメイクケアなどをしたりしていました。
当時は、自分の意志で始めたことだったのに、仕事をやめたいと思ったり、どうしてこんなことをやらされているのだろうと泣いていた日々もありました。
この頃(会社員時代)は、他人軸で生きていた自分。
27歳の頃には多忙を極め、体を壊したことをきっかけに地元岡山に戻りました。すべてをゼロに戻して。
そのときは、「負けてしまった」という悔しい思いもあり、自分に自信をなくしていたなか、徐々にカリスマという美容の先駆者の方のセミナーやサロンなどに上京して一流の技を学んでいきました。そして自分のオリジナルを作っていったのです。また同時にSNSをはじめてアウトプットしていきました。
コツコツ続けて発信し続けていたことが、雑誌に取り上げられ、口コミで広がるようになったのです。当時は、全国にある会社の社員研修やイベントなどにスーツケースを片手に飛び回る生活。今、思えば8年間毎日SNSを続けていたことは、わたしにとって大きな土台となりました。
■他人軸を忘れずに、自分軸で生きる選択を
独立すると自分が進めていくことが、すべて結果につながり責任も伴います。しかし、自分軸で人生の舵をとり生きるようになります。視点が大きく変わりましたね。
他人軸から自分軸へ変化したこと、思考を変えていった様を著書『気持ちいい毎日を生きるLAスタイル~自分も人も大切にできる生き方~』へ綴っていますのでご覧いただけたら嬉しいです。このコラム1本では書き尽くせないので……(笑)。
大事にしている人とのご縁がさらに広がっていき、あるときアメリカに飛び出しました。
それが私の人生や価値観がまた大きく変化した節目になりました。
様々な人種や文化に触れることで、自分らしさや相手らしさを大切にするということ。
それは私の仕事の考え方にもリンクしていきました。
たとえば、美容のプロを集めたエージェンシーBICHELIN(ビシュラン)を立ち上げたこと。ここでは20代~50代まで幅広い年代層の美容家が在籍しておりまして、主に広告やイベントなどのキャスティングをしております。
様々な価値観やメソッドもそれぞれ大切。多角的に、そしてホリスティックに。
また今年開発したジェンダーレススキンケアコスメCERAPLE(セラプル)も年齢や肌質を問わないボーダレスアイテムです。コンセプトはデュアルバランス。
表皮層にある成分をそのままに、肌本来に必要なものをたっぷりと業界最高水準で配合しています。
主力原料との出逢いも、初めて海外の展示会のプロデュースを担当させていただいた機会から得たものでした。こちらはそのときの写真で、世界初の醸造発酵物から抽出された「天然ヒト型セラミド」で、実際に自分の肌が変化した模様をパネルに落とし込んでいます。
このように生き方を通した考えをアイデアとしてビジネスに落とし込んで形にすること、人と人をつないでいくことも好きなことのひとつです。
常にニュートラルな考え方や生き方を大切にしていきたい私の想いが詰まっています。
■つらい経験、泥臭く努力した時間は、あなたの幸せの種になる
私の周りには素敵に年を重ねている女性たちが本当にたくさんいます。自分の役割を決めすぎず、いくつになってもチャレンジしようという気持ちってとても大切なんじゃないかと思います。
何事もバランス。魅力的に映る人は皆、誰もが初めから光を放っていたわけではありません。その背景で大きな努力をされていて、持ち合わせている影の部分も深いなと感じます。その深みや幅が魅力になるのだと思うのです。
自らが体験してきたことやつらい経験も未来の自分からしたらすべて糧になりますし、それをどうプラスに変えていくかも自分次第。自分目線で考えて、自分の心に正直に一歩踏み出してみること。そして、いまの自分を超えてみること。
私自身も、さらに変化していく自分を楽しみ、人生を豊かにつくっていきたいと思います。
心地良く、気持ちいいと感じる心を大切に。みなさまの毎日が、幸せに満ちたものでありますように。
(著書:『気持ちいい毎日を生きるLAスタイル』より一部抜粋)