再設定するのも面倒……パスワードを忘れない簡単な方法
様々なサイトやサービスでパスワードを作り、それを管理しなければならない私たち。あまりにも多すぎて「忘れた……あれ、なんだっけ?」とイライラすることも。そんな方向けに、『「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方』著者の宇都出雅巳さんが、名前を確実に覚える方法をご提案します。
「あれ? 忘れてた……」
仕事をはじめ、日常でよく起こる「もの忘れ」や「ど忘れ」。
記憶力の悪さや歳のせいにしがちですが、実はそうではありません。
先週の記事「思い出せないと困る……ビジネスシーンで名前を忘れない方法」に続き、「あれ? 忘れてた……」がなぜ起こるのか? どうやればそれが防げるのかを、『「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方』など多くの記憶に関する著作がある、記憶術の専門家・宇都出雅巳さんに解説していただきます。
■「他人に知られない」=「自分も覚えられない」パスワード
前回取り上げた「名前」とは違って、パスワードを忘れても「記憶力が悪い……」と落ち込む人は、それほど多くないかもしれません。
というのも、パスワードというのは「覚えにくい」「忘れやすい」ことが明らかだからです。
覚えられない要因としてはいくつかありますが、以下の2つの要素が大きいでしょう。
・他人に知られないように、書き留めない、口に出さない
・他人に推測されないように、無意味な英数字の羅列にする
また、外部に流出してしまった最悪のケースを想定して、サービスごとにパスワードを変えようとしたり、定期的に変更を求められたりするのも、覚えにくい要因です。
忘れる人が多いからでしょう、パスワードの再設定はすぐにできるようになっていますが、いちいち再設定をするのはけっこう時間がかかります。
また、新しいパスワードを設定すると前のパスワードと混同して覚えにくくなり、さらに記憶に残りにくく、すぐにパスワードの設定が必要になるという悪循環が起こりがちです。
なんとかこの悪循環を断ち切りたいですね。
実はこれもちょっとした工夫で、覚えるべき情報を減らし、覚えやすく、忘れにくくすることが可能です。
■サイトやサービスの名称をパスワードに組み込む
その工夫というのは、そのサイトの名前やサービス名を組み込んだパスワードを作ることです。これによって覚える情報を増やさずに、新たなパスワードを無限に作ることができます。
以下に具体的なやり方をご紹介します。
1.共通パスワードを決める(たとえば、ei2844)
この共通パスワードは「他人から推測されないけれど、自分はしっかり記憶しているもの」を使うことがポイントです。ちなみに「ei2844」というのは、子どもの頃に住んでいた家の電話番号の下4ケタと私の名前のローマ字(ただし、イニシャルではなく、姓・名それぞれ最後のローマ字)を組み合わせたものです。
現在の電話番号は避ける必要はありますが、昔の電話番号であればなかなか推測されないでしょう。
2.利用サイト・サービスの名称から何文字かとる(たとえば、頭3文字)
Facebookなら「fac」、amazonなら「ama」という具合です。もちろん、これは自分なりのルールを作って構いません。
3.共通パスワードと利用サイト・サービスの名称を組み合わせる
最後は上記2つの情報を組み合わせれば完成です。
これもあなたなりの組み合わせ方を考えましょう。利用サイト・サービスの名称の頭3文字を共通パスワードの最後につけるでもいいですし(ei2844fac、ei2844ama)、共通パスワードの間につけてもいいでしょう(eifac2844、eiama2844)。
こうすれば、共通パスワードを一つ覚えておくだけで、たくさんのサイト・サービスのパスワードが違ったものになり、しかも忘れにくくて思い出しやすくなるのです。
そのほか、推測されにくい共通パスワードはどうやって作ればいいのか? 定期的にパスワード変更が求められるサイトに対応するにはどうすればいいのか? など詳しくは『「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方』でチェックください。
このように、覚えようとする情報の性質を考え、覚えなくてもいい情報を活用することで、一気に覚えやすく・忘れにくくなります。
「記憶力」に悩んでいる方はぜひお試しください!
次回もまた日常でよく起こる「あれ? 忘れた?」の具体的ケースを取り上げ、記憶の正体と忘れないためのコツをご紹介します。お楽しみに!
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