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再婚するまで 再婚してから #1 子どもの「この人にパパになってほしい」直感は正しい

一度目の結婚は残念ながらうまくいかなかったけれど、再婚して幸せに過ごせているーー。心地よい再婚生活を送る方に寄稿いただく企画が始まります。第1回目はフリーライターの千葉こころさん。お子さんが本質を見抜いたおかげで、穏やかで素敵な男性と出会えたと振り返ります。

再婚するまで 再婚してから #1 子どもの「この人にパパになってほしい」直感は正しい

七夕になるとまぶたに浮かぶ光景がある。幼稚園の園庭で、色とりどりの飾りをなびかせる笹につるされた娘の短冊。覚えたてのつたない文字で書かれた願いごとは「パパができますように」。

■七夕の夜空へ乞う、幼い娘の切なる願い

私が「妻」という役を降りたとき、娘はまだ1歳だった。私と娘、そして2歳の息子という3人の生活は決してラクではなかったけれど、マイペースに進む日々は笑いに包まれていて、「母ひとり子ふたり」が、私たちにはあたりまえの世界だった。
ところが、幼稚園に上がると事情が変わる。友だちとの会話や父の日・参観などのイベントを通して、子どもたちが「父親」というものを知ることとなったのだ。

「どうしてウチにはパパがいないの?」
「パパがほしい」

その言葉を耳にするたび「パパはあなたたちを愛しているけど、ママとケンカして一緒には住めないの」と説明していたけれど、おぼろげな父の記憶からなんとなく理解を示す息子に対し、存在すら覚えていない娘は1時間近く「パパがほしいぃぃぃ」と号泣した。

母として、できる限りの夢や希望は叶えてあげたい。でも、「パパ」はスーパーに売っていないし、ポイントを貯めても引き換えられない。そればっかりはどうにもできないのである。泣かれるたびにただ抱きしめて、娘の心が落ち着くのを待つしかなかった。

そして迎えた七夕。彼女の切なる願いは、織姫と彦星に託された。それから毎年、話題のおもちゃよりも、憧れの職業よりも、「パパ」が手に入ることを娘は願い続けた。

■再婚相手を見つけるのは砂浜に落ちたダイヤを見つけるより困難

シングルマザーが「再婚」を考えるとき、お相手にはさまざまな条件がつく。自分との相性はもちろん、子どもとの関係性も見極めなければならないし、“同じ思いを味わわずに済むか”など、好き・嫌いではないパーソナルな部分も吟味する必要がある。相手の両親が自分たちを受け入れてくれるかどうかだって重要だ。

再婚を勧める周囲の声には「すべてをクリアする人なんて、そうそういない」と、砂浜に落ちたダイヤを探すくらい困難だと話していたけれど、そもそも、一度目の結婚で、浮気に暴力、暴言、嘘と裏切りの限りを尽くされた私は、正直こりごりだったのである。

それでも一度だけ、再婚を考えたことがある。優しいお兄ちゃんに子どもたちはすぐ懐き、彼も一生懸命子どもたちを喜ばせようとした。しかし、子どもはイミテーションを見抜く。「◯◯くんはなんだか好きじゃない」との言葉通り、化けの皮はすぐにはがれた。やはり私は男を見る目がないんだと悟り、金輪際ダイヤ探しはしないと心に決めた。

■「私たちに合う家族」をいちばんよく知っているのは子ども

そんなこんなで離婚から7年が経ち、娘が「パパがほしい」と泣くこともなくなった。短冊に込める思いも、幼少期の物欲的なものではなく、「パパがくれば、ママは今ほど働かなくて済むでしょ」と、私への労い半分、ママが不在がちな寂しさ半分に変わっていた。それでも、この先も娘の願いが叶えられることはないだろうと思っていた。

ところがこの年、長年願い続けた娘の根気に、織姫と彦星がついに音をあげる。娘を介して知り合った友人宅のパーティで、ダイヤのごとき男性と出会ったのだ。その男性を最初に見初めたのは子どもたち。「この人にパパになってほしい」と、子どものほうから懇願された。そして彼もそれを望んでくれ、ほどなくして我が家のパパとなった。

とはいえ、過去の結婚で心の傷と男性への不信感を抱いていた私は、はじめから再婚ウェルカムだったわけじゃない。交際前、突然2児の父になることへの腹づもりを聞き、失礼極まりないこともたくさん質問し、とにかくとことん話し合った。私自身のだらしない面や、嫌われてもおかしくないような悪い話もすべて打ち明けた。それでもムリや偽りなく向き合ってくれる姿をみて、ようやく「この人なら」と思えたのだ。

知れば知るほど、仏の生まれ変わりなんじゃないかと思うほど和やかで我慢強い人で、出会ったその日に見抜いた子どもたちの直感には驚かされるばかり。私たち家族にしっくりくるパパのことは、案外子どもがいちばんよくわかっているのかもしれない。

再婚から6年。一度目の結婚生活からは想像もできないほど、穏やかな毎日が続いている。子どもたちとパパとの関係も良好だ。そして、受験を控えた娘の今年の願い事は、志望校への合格。自分の将来を願えるようになったことが、母は嬉しい。

Text=千葉こころ

自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するフリーライター。人生は一度きり、酸いも甘いも楽しみに変えなくちゃもったいない。そんな旺盛な好奇心と食欲に突き動かされ、グルメ、旅行、美容から女のアレコレまで、幅広いジャンルで活動中。
https://cocolochiba.amebaownd.com/

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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