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依存を断ち切れる人が、幸せを掴み取れる。

人生は一つひとつの選択でつくられる。だから、もし今あなたが何かに依存しているとしたら、それを人生に加えようと決めたのも自分だ。ただし、依存を続けるか、断ち切ってやめるか、決めて行動するのもあなた次第。

依存を断ち切れる人が、幸せを掴み取れる。

■「やめ続ける」ことの大切さと難しさ

「やめる」のではなく「やめ続ける」ことが大切。薬物依存症リハビリ施設「ダルク」代表 近藤恒夫さんの言葉だ。

報道番組でコメンテーターを務める私は、芸能人の覚醒剤使用報道が出ると、その恐ろしさや、依存から抜け出す困難さをあらゆる角度から知らされる。覚せい剤の再犯率は50%。

二人に一人は一度でも手を染めたら抜け出せなくなるそうだ。

それこそ、何度も逮捕されたことで悪名をはせてしまった田代まさしさん。

視聴者の立場のとき、私は「あらま、何度も懲りないのね」くらいにしか思っていなかった。でも、報道を通じて、どうしてそうなってしまうのか、徐々に実態を知ることになる。彼は現在ダルクで活動を続けており、そのリアルな体験をもとにインタビューに答える。

「毎日面白いことを言わないといけないストレスから逃げたかった」。

それがきっかけで覚醒剤に手を染めたそうだ。そして、逮捕されると、世に晒され、全てを失うのではないかという恐怖で、一瞬心を入れ替える。でも、日常生活に戻ったとき、真の決意が試される。

薬物経験者として周囲から白い目で見られる。だから仕事が来ない。自分は信用されていないんじゃないか。そうやって孤独を感じ、孤立していくうちに、またストレスが溜まる。

そんなときに甘いささやきが来るのだと。

彼は出所後に、再起に向けて活動を始めようと本を出版した。

そのサイン会で握手を求めてきた自称ファンから「お気持ちわかります」と手を握られ、その手の中に白い粉の入ったビニール袋を渡されたという。頭では「良くない。捨てよう」と思っても体が捨てようとしない。

「一度くらいならいいか。神様もご褒美に休めと言っているんだろう」。

そんなふうに脳が自分に都合よく解釈して、一度だけのつもりが最後、再び覚せい剤から抜けられなくなったという。

「やめる」ではなく「やめ続ける」。

その言葉の重みを感じた。そんな報道を見ているうちに、実は私たちの世界にも大なり小なり似たような「依存」があるのではないかと思った。

■私たちの近くにもある「依存」

一度は決意したダイエット。その他、やめたいと思っていてやめられない悪習。

たとえば、恋愛依存。恋愛は素晴らしいが、それが依存となると、女性にとっては薬物のように、時に人生を壊すものになり得るのではないだろうか。

この人と付き合っていてもダメだとわかっている。暴力を振るわれたり、世間にバレたら信用を失ったりする、辛い恋かもしれない。けれど、一人が寂しくて別れられない。

せっかく意を決して別れても「もう一回だけ会おう」「君しかいない」と言われて、ついつい誘いにのって復活してしまった。そんな恋に彷徨い、苦しむ女性もいる。

もちろん、人を愛することは人生の最大の喜びだ。それが幸せであり、人生の発展につながっているのであればだけれど。でも「彼しか考えられない」「全てにおいて優先してしまう」状況は危険だ。本来すべきことから目を背けているのだとしたら、依存の始まりかもしれない。

人生は誰かが幸せにしてくれるものでも、誰かが夢を見せてくれるものでもない。逆に、誰かがあなたを不幸にするものでもない。あなたがそれを人生に加えるかどうか、続けるかどうかを決めるのは、いつだってあなた次第なのだから。

何かに囚われているなら、そこから距離を置いたり、抜け出す仕組みを取り入れたりすればいい。

苦しみに苛まれたとき私は気づいた。辛い、苦しい、孤独、そんなネガティブな感情と、楽しい、笑っちゃう、美味しい、気持ちいい、そんなポジティブな感情は両立しないのだと。

■依存を断ち切るために、スイッチの切り替えを

だから、マイナスの感情がおそってきたら、即座に頭から取り除こう。楽しめるもので自分自身を満たそう。

漫画喫茶に駆け込み、漫画の世界に没頭するでも、マッサージに行って心地よさを得るでも、美味しいごはんを食べるでもいい。お笑い番組を見て笑うのも気軽にできることのひとつ。

実は人間の感情なんて、すぐにポジティブに塗り替えることができるのだ。

何かに依存してしまう傾向があるなら、まずは「スイッチ切り替え」をマスターしよう。

そして、客観的に自分を見つめ、徐々に環境を変えてみよう。もっと生産性のあることに夢中になるのが一番だろう。それがあなたの人生に力と未来をもたらす。

いま、歩いているあなたの道は、自ら選んで歩んできた道だ。人生は、自らの選択でつくられるから、自分の感情の置き場所をポジティブにして、よいものを選び続ければ、あなたは必ず幸せになれるのだ。

■経沢 香保子(つねざわ かほこ)さんのプロフィール

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。オンラインサロン「女性起業家サロン」も人気。

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経沢 香保子

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びキッズラインを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社...

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