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紬のふるさと結城へ 前編

紬のふるさと結城へ 前編

皆さんこんにちは。着物部 サポーターの北野です。
まだまだ寒い日が続いていますが、風邪などひかずお過ごしでしょうか?!

寒い季節は、ほっこりした質感と温かみのあるきもので心地よく過ごしたいものです。
今の季節に似合う紬のひとつとして思い浮かぶのが「結城紬」。
結城紬と言えば憧れ紬の代表格ですね。
今回はアーティストの方の作品展の鑑賞を兼ねて結城紬の産地結城市を訪れました。

世界に誇る伝統工芸としてユネスコ無形文化遺産にも登録されている「結城紬」。
国の重要無形文化財に指定されている本場結城紬はすべて真綿から手つむぎした糸が使用され、手くびりで絣模様を付け、地機と言われる技法で織られています。
どの工程も熟練の技と時間を要する手間のかかる仕事です。
今回は糸つむぎと地機織の工程を見せていただくことが出来ました。

見学にお伺いしたのは結城駅から徒 歩10分ぐらいの「つむぎの館」。

敷地の中には趣のある建物が。
本場結城紬 染織資料館「手緒里」や、染め織体験の出来る織場館など9つの棟で構成されており、そのいくつかは国の有形文化財だそう。
まずは、資料館に。結城紬の歴史や製作道具、江戸期から現代までの貴重な作品などが展示されています。
1反の紬が織りあがるまでには様々な工程があるのだという ことに触れ改めて感心しました。

そして古民家「陳列館」 に。
こちらには常時200点以上の結城紬が展示されているそう。

昔ながらの味わいがある細かい亀甲で伝統模様を表した紺地の紬や現代的なモダンな装いに人気のシンプルな縞や無地の紬、着物地や帯地など様々な商品にワクワクしながら拝見しました♪

伝統工芸士の方に重要無形文化財の要件である手つむぎと地機織の工程を実際に見せていただきました。

真綿から糸をつむぐ糸とりの様子。指先で細く引き伸ばしながら撚りのない手つむぎ糸を作っていきます。とても素早くキレイに糸がどんどんつむがれている様子は圧巻。
すぐに出来るようになりましたか? とたずねると「商品として使える糸が作れるようになるまでには3年ほどかかるのよ」と。

やっぱりそうですよね。。スゴ技です!
1反分の糸をつむぐのには60日以上、より細い糸をつむぐには150日も要すそうです。

絣括りをしたもの、染色してほどくと絣糸の完成。

結城の絣は亀甲の柄に特徴があり80~200の亀甲を使って
模様表現をしていきます。

そして織りの工程「地機」で織っていきます。
織り手が機に張る経て糸を腰当てに結びつけて腰の屈伸で糸の張り具合を調整しながら織っていきます。

反物幅よりも広い大きな杼を使って織り込むのも結城独特だそう。
こうして織られることで糸に負担をかけることが少なく
真綿の味わいを生かす柔らかで張りのある布が出来上がる訳で す。
全身を使ってリズミカルに織っていく姿がとても印象的でした♪
職人さんの技に感動!!

今回は時間がなく出来ませんでしたが、こちらでは1日完結の
地機織りの体験講座も開催されています。
見ていてもなんだか難しそうですが、一度体験してみたいですね

見学を終えて、ひと休憩。ランチに向かいました。

古民家を改築した趣のある佇まいの「御料理屋kokyu.」へ。
地元のお野菜を使ったヘルシーなメニューがいただけます。

益子の器を中心に使っているという器のセレクトもGood♪
地のお野菜のサラダにメインはカキフライ。
そして玉子とそばろの2色丼+お吸い物+香の物というお昼のコース。
ストーブの温もりを感じながらゆっくり美味しいお料理を楽しめました。

食事スペースの広間を回廊が取り囲み、古ガラス戸からはお庭がのぞめます。
建物の外観も内観も落ち着きと温かみのある設えで、とても素敵なお店でした。

大満足のランチを終え、アーティストの個展に。
この続きは後編で。。

つむぎの館
http://www.yukitumugi.co.jp/

御料理屋kokyu.
http://kokyu.in/

北野 梨恵

自他ともに認める着道楽。 和文化をこよなく愛し、特にきものに魅せられきもの歴は早や20年以上。 きもの文化検定1級に合格し、現在日本きもの学会正会員。 「みんなもっときものを着ようよ!」と休日・週末きものを提案しています。伝...

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