ポジティブな離婚 【DRESS WEB編集長コラム 今月のDRESSな男女#2】
3組に1組が離婚する時代。もはや離婚は珍しい話ではない。でも、実際に離婚を経験するまで、それを現実味のある数字として受け止めたことはなかったと、自らを振り返って思う。
最近、私は独身に戻った。Facebookを通じて離婚の経緯や心境を報告したところ、たくさんのコメントやメッセージが寄せられた。私たち夫婦の前向きな決断を応援するものばかりで、読んで気持ちが澄み渡ったのを覚えている。
そんな中、インパクトのあるメッセージが届いたのは、報告した翌日のこと。差出人は私が尊敬し、憧れる、とびきり素敵な女性経営者だ。
「卒業おめでとうございます。きっとすばらしいパートナーにまた巡り会えるので、その旅の途中を楽しんでください。バツイチだってバツ2だってモテモテです。女は器ですから……」
すぐにスクリーンショットを撮って保存した。自信を失ってしまったとき、元気を出したいときにときどき読み返して、パワーをチャージする宝物になった。
離婚後「おつかれさま」と声をかけてくれる方は多くいたが、「卒業おめでとう」とは初めてだ。なんてプラスに響く、未来への道を示す言葉だろう。
一度目の結婚生活は、わずか2年2ヶ月で終了を迎えた。代わりに、彼女の言葉にあるように、私は再び旅路を歩き始めた。目的地を定めない、心の赴くままに移動する旅だ。
行く先々では様々な出会いがある。1週間前も昨日も、そして今日だって、たくさんの人と会った。私は旅人として、そのプロセスや彼らとコミュニケーションを図る瞬間を心から楽しんでいる。
離婚の事実を隠そうと思ったことは一度もない。むしろオープンにしたかった。「こういう選択肢、考え方もあるんですよ」と周囲に、さらに大げさに言うならば、世の中に提示したかったのだ。
私はごくごく一般的な、今年三十路に突入する女。だからこそ、ひとつの「女の決断サンプル」として、女性たちに参考にしてもらえるのではないかと思った。
一度きりの人生なのに、我慢して生きるのはもったいない。自分の感情に素直に従い、判断を下し、行動に移すのが一番幸福な生き方だ。自分で自分を不幸にすることほど悲しいことはない。
悶々としているなら、卒業を選択肢に入れたっていい。旅に出たっていい。ただし、後悔だけはすべきでない。自分の決断を信じて、前を向いて歩き続けるうちに、いつしかゴールがクリアに見えてくるはずだから。