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フランス人に好かれるための大事な一言 【井筒麻三子のパリジェンヌ修行中】

フランスといえば挨拶の基本は「ボンジュール」であることぐらい、ドレス読者の方々なら当然ご存知のことでしょう。バカにしてるの!?とお怒りにならず、今回はもう少しこの一言についてのお話にお付き合いいたけたら。

フランス人に好かれるための大事な一言 【井筒麻三子のパリジェンヌ修行中】

とにかく何があってもなくてもこの「ボンジュール」

「ボンジュール」は日本語で言えば「こんにちは」、英語で言ったら「ハロー」、韓国語で言ったら「アンニョンハセヨ」、スペイン語で言ったら「オラ」、イタリア語だったら「ボンジョルノ」……あ、もういいですね。すみません。何が言いたいかといえば、一番一般的な挨拶言葉であるということ。ところが。パリ生活1年目頃には、なんだかどうも、その常識感が当てはまらないのかも? いや実は、もっと重要なものなのかも? ってことに気が付いたわけです。

フランス人は誰かに会ったら、とにかく何があってもなくてもこの「ボンジュール」という言葉を口にします(もちろん、親しい人たちの間ではSalut! Cou cou! など他に色々ありますが)。まあそれはわかるのですが、お店などで何かをオーダーする時、または尋ねたい時なども、絶対この「ボンジュール」がいの一番に必要なのです。

日本語だと「すみません」と尋ねますよね。英語も同じで「Excuse me, but….」が普通。その感覚で「Excusez−moi…」と話しかけるとしかし、返ってくる言葉は必ず「ボンジュール?!」。まだロンドンに居て、フランス語がままならなかった時は英語でExcuse me? なんて言おうものならば、ささっと奥に引っ込まれたりもしたっけな……(遠い目)。

フランス人はとにかく挨拶とマナーを超重視する民族

はてな? な気持ちに答えを見つけるべく調べていくうち、フランス人はとにかく挨拶とマナーを超重視する民族なのであるという説明に行きつきました。とにかく、あのー? と話しかけるよりも前に「こんにちはー」と挨拶をする。それはもう、きちんと常識をわきまえた人であるという証明には、絶対的に必要なことであるらしい。

日本人としては、普段の「こんにちはー」はするっと出ても、お店に入る際、店員に話かける際もBonjourがマストであること、そして帰りも必ずAu revoirを言わないと人としてアウトであるということに、わりとびっくりしました。特に、英語慣れしていた身には、「すみません」という出だしでさえアウトだなんてー、厳しいねえ〜と。

でもそれは、長いフランスの歴史から培われて来たことなのです。国境の多くを他国に囲まれるフランスは、他民族に対して警戒するのが習わしであり、だからこそ、フランスの常識をわかっているかどうかが、受け入れられる基準。「山」といわれたら「川!」と答えるがごとく、ボンジュールはフランスでの通行手形(例が古っ)そのものなのです。

だからこそ。パリに次来る時は、なんでもかんでも「ボンジュール!」といってみてください。いいんです、そのあとのフランス語はわかんなくたって。その一言は、瞬く間にフランス人の心を溶かし、ともすれば「フランス人って感じいいね!」なんて勘違いをするほどに愛想を振りまいてくれる、魔法の一言に成りうるのですから。 

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