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ほしいのは、本音で話せる関係性。小倉優子インタビュー

DRESSの『運命をつくる私の選択』は、これまでの人生を振り返り、自分自身がなにを選び、なにを選ばなかったのか、そうして積み重ねてきた選択の先に生まれた“自分だけの生き方”を取り上げていくインタビュー連載。今回のゲストは、モデル・タレントの小倉優子さんです。

ほしいのは、本音で話せる関係性。小倉優子インタビュー

高校2年生でスカウトされ、モデルとして芸能界デビューを果たした小倉優子さん。現在は、3人の男の子を育てながらママタレントとして活躍。ブログやYouTubeチャンネル「ゆうこりんチャンネル」での発信活動も行っています。

「ゆうこりん」の愛称で親しまれている小倉さんが、これまでの芸能活動や家族との時間を通じて大切にしてきたこと、そして母となった自分の変化について、お話していただきました。

ヘアメイク :奥戸あやこ
スタイリスト:水嶋かずえ(La Plage)
文     :卯岡若菜
写真    :池田博美
取材・編集 :小林航平

■石橋を叩かずに渡ってきた子ども時代

小倉優子インタビュー

――小倉さんは、どのような子ども時代を送られたのでしょうか。

3人きょうだいの真ん中で、私が唯一の女の子でした。だからなのか、きょうだい喧嘩をしても兄や弟が折れてくれることが多かったように思います。テレビのチャンネル争いなんかでも、私が見たい番組を見せてくれることが多くて。当時はそれが当たり前のことのように受け取っていましたが、今思うと優しい兄弟だったんだなと思いますね。

――今小倉さんといえば「料理」のイメージが強いですが、幼少期はどんなことが好きなお子さんだったのでしょうか?

とにかく習い事が好きでしたね。3歳からピアノを習っていて、ピアノの先生の影響を受けてフルートも習い始めて。英会話も習っていましたね。ただ英会話は6年間教室に通っていたけれど、今覚えているのは「スイカ」が「watermelon」ってことぐらい(笑)。

性格的に、やってみたいと思ったことにぽんっと飛び込んでみるところがあるんです。そのときは、あとのことをあまり深く考えていなくて。石橋を叩かずに渡って、落ちてしまったときのことはそうなったら考えよう、みたいな。

仕事も同じで、高校2年生のときに渋谷でスカウトされて芸能界に入っているんですが、そのときも「じゃあ、やってみようかなあ」くらいの気持ちだったんですよ。まさかそれを自分の仕事にするとまでは考えていませんでした。慎重に考えずに動いてしまうので、ちょっとここでは話せないような失敗もしてきています(笑)。

その性格は今も残っているんですが、子どもが生まれたことで反省するようにはなりました。今はもう自分の人生が自分だけのものではないから、「これをしたら子どもにどんな影響が出るのかな」と、動く前に考えるようになりましたね。ただ性格自体が変わったわけではないので、「気をつけなきゃ」という意識を持つようにしている感じです。慎重になったのかな? 子どもの存在が、私に“変化”を与えてくれているなと実感していますね。

■本音を言い合いながら築いた10年来の親友関係

――小倉さんが最近開設されたYouTubeチャンネルの第一回に、ギャル曽根さんが出演されていますよね。「ずっと親友だった」とお話されていましたが、どのようなきっかけで交流を深めていったのでしょうか?

10年以上前に同じ番組に出たことがきっかけです。そのときはふたりとも独身だったのですがお互い結婚して子どもが生まれてからもずっと仲が良くて。子どもは同い年で、子どもたち同士も仲が良いんです。友達であり、ママ友であり、仕事の仲間であり……みたいな関係なんです。

――ライフステージが変わったり歳を重ねたりすると、友達との関係性も変わることがありますよね。そんな中でもギャル曽根さんとの関係が続いているのは、そういった共通項があるからなのでしょうか?

それもあるとは思いますが、なにより「お互いに思ったことを本音で言い合える関係」を築けているからなのかなぁ、と思います。曽根ちゃんは人が言いにくいことでも本音を言ってきてくれるんですよ。たとえば、「今日、顔むくんでパンパンだけど、大丈夫?」とか、髪の毛を切ったときに「短いよりも長いほうがいいよ、絶対!」とか。大人になると、本当は似合っていなくても「かわいい! 素敵ですね!」と言う人が多いじゃないですか。私はお世辞であっても「そうなんだ」と受け取ってしまうので、本音を言ってくれるほうが安心できるんです。

あと、私自身、社交辞令が苦手なんですよね。自分が思っていることしか言葉にできないから、それで角が立つこともあって……。だから、思ったことがあってもあまり人には言わないようにしているんです。だけど、曽根ちゃんになら何でも言えるし、曽根ちゃんも言ってきてくれるので、良い関係でいられるのかな。ありがたいですね。

■人と比べず、自分のペースで

――さきほどお子さんが生まれてから「とりあえず、やってみよう」な精神にストッパーがかかったとおっしゃられていました。ただ、見方を変えればその行動力は小倉さんの魅力だと思います。そういったご自身の変化についてはどのようにとらえているのでしょうか?

やっぱり私は深く考えることがあまり得意ではないんですよね。でも一見、計算高いタイプに見えるみたいなんですね(笑)。「本当に計算高かったら、もっと上手に生きているよ」って思うこともあります。

だから、YouTubeも「やってみたいから、やってみる」って感じで始めたんです。もっと勉強して、今なら何がウケるのかを考えてから始めればいいのに、それができない。本当に何もわからないままスタートさせたんですよ。最初はサムネイル(YouTubeの動画内容を訴求するためのトップ画像)も知らなかったんです。「サムネイル、どうしますか?」と聞かれて「何ですか、それ」って。「知らないんですか?」と言われてしまいました。でも、私はやりながら学んでいこうと思っています。先々のことを考えて準備をして……といったことが苦手なので。

――小倉さんはご自身の苦手なこと、得意なことをものすごく客観的に把握されていますよね。たとえば、「他の人に比べて自分はこれができない」にとらわれてしまう人もいると思うのですが、小倉さんにはそういったことはないのでしょうか?

「いいなぁ」とか「素敵だなぁ」と思うことはありますよ! ただ、人と比べて落ち込む……ということはあまりないかもしれません。同じタレントさんでも、やっている仕事も生きている人生も違いますし。自分の失敗に対して、「あー、やっちゃったなぁ……」と思うことはありますが、誰かと比べて落ち込むことはない気がします。

鈍感力なのかな。鈍感だから芸能界のお仕事を続けられている部分があるのかもしれません。最近はそれだけではダメだなとも思っているんですが……。あと、やっぱり「子ども3人を育てていくために頑張らなきゃ」みたいなたくましさは身についてきた気がしますね。

――ライフスタイルが多様化する中、自分とは違う生き方をしている人が羨ましく見えたり落ち込んでしまったり……といった方もいます。小倉さんは「比べすぎているな」と誰かに思うことはあるのでしょうか?

私の周りの人たちが他人と自分を比べず、尊重できるタイプだからなのかもしれません。働いている人も専業主婦も友達にいますが、さまざまなタイプのママ友さんたちが集まっても、誰かの悪口とかはまず言わないですし、そもそも人の噂話とかを口にしない方が多いんです。仲の良い友人は、割とズバッと本音を言ってくれるタイプで、やっぱり自分にとってはそういう“建前”の少ない関係性が大切だなって思いますね。

――ギャル曽根さんと同じく、「本音で話せる」ことが小倉さんにとって大切なんですね。これまで、本音を言えずに苦しんだ時期はありましたか?

嫌だなあと思うことを言われても、その場では何も言わないことが今でもあります。言えない、というより、あえて言わない。「ああ、そういう人なんだな」と思ってすーっと身を引くようにしています。人が嫌なことや傷つくことをわざと言ってくる人もいるじゃないですか。そうなると、そんな相手と揉める時間が私にとってはもったいないので、何も言わずに終わらせちゃいますね。「嫌だなぁ、意地悪だなぁ」と思って、それ以上何も思わないようにして。「いつか痛い目に遭うぞ」と心の中だけで思うことはあります。人にしたことはいつか自分に返ってくるものだと思うので。

■出会いが出会いを呼んでくる。失敗もしながら、安心できる居場所を探して

――本音を言えるママ友に恵まれているとのことですが、3人の男の子を育てながら働く中で、ママ友に助けられることもあるのでしょうか?

あります、あります。私も助けられていますし、私もできることがあればやるという感じです。私は子どもと接するのが苦ではないので、友達のお子さんが「ケーキを作りたい」と言っていると聞いたら、「日曜日にうちにおいでよ。私が一緒にやるよ」と伝えてみたり。逆にとあるママ友さんには、その方が経営しているエステに私の仕事に関する貼り紙をしてもらったり、私の営業につながるサポートをしてもらったこともあります(笑)。自分にできることの範囲内で助け合いをしている感じですね。

――人に助けを求めるのが苦手な人も多いと思いますが、小倉さんのように自分から誰かに頼りながら、お互いに助け合える関係性を築くためにはどうすればいいのでしょうか?

シンプルにまずは仲良くなってみることなのかなって思います。私は割とすぐに誰とでも仲良くなるタイプで、引っ越すたびに隣の部屋の人とか近所の人と仲良くなってきたんです。その縁は引っ越したあとも続くんですよ。

さらに新しく仲良くなった人と元から仲の良い人がつながったり、友達の友達と仲良くなったり、そうやってどんどん友達のご縁が広がっていっているような気がしています。私はあまり人に疑いを持たずに仲良くなりにいくタイプなので、20代のころまでは怪しい人に出会うこともありました。ただ、それも30代になってだんだんわかるようになってきたかなと思います。

今は子育てと仕事で手一杯で、なかなか自分だけの時間はないですし、あまりほしいとも思っていません。ただ、夜に曽根ちゃんやママ友と電話するのは楽しい。そんな風に少しずつ、安心できる人間関係を築いていけたらうれしいです。

小倉優子プロフィール

1983年千葉県生まれ。グラビアアイドルとしてデビューし、現在は​ママ​タレントとして活躍。パン好きが高じて'09年にパンアドバイザーを取得。三児の​ママ。料理上手としても有名。2021年3月には自身のYouTubeチャンネル「ゆうこりんチャンネル」を開設。本人プロデュースの料理本『小倉優子の毎日おいしい おうちごはん』や『小倉優子の毎日ほめられ ごはん』なども大好評。

【衣装クレジット】

カーディガン/ケイト・スペード ニューヨーク(ケイト・スペード カスタマーサービス)

ブラウス/ノーリーズ

スカート/リノーム バイ エーティー(クロスプラス)

【お問い合わせ先】

ケイト・スペード カスタマーサービス
050-5578-9152

ノーリーズ
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DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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