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私があの子に嫉妬しない理由

恋愛をすると、嫉妬心からつい恋人を縛りたくなったり、過剰に不安になったりしてしまうもの。けれど、「他人にあまり嫉妬心を抱かない」と雨あがりの少女さんは言います。初めての彼氏に浮気されても相手に嫉妬はしなかったという、その理由を綴ってもらいました。

私があの子に嫉妬しない理由

初めて付き合った彼氏に、浮気された。10代のころ、長く片思いをして、好意を伝え、好きすぎてすごく嫌いになったりして、でもやっぱり好きで夜な夜な泣いて、やっと付き合った人だった。「そんなにあっさり浮気しちゃうんだ……!」とびっくりして笑えたが、不思議とそんなに嫌ではなかった。

友人に話してみたら、「最低!」という反応。「え、浮気されて嫌じゃないの? そんなに好きじゃなかったってこと? もう冷めた?」と矢継ぎ早に問われ、「うーん、そうなのかなあ」と返答したものの、何度考えてもやっぱり、彼のことが好きだ。でも浮気されてもそんなに悲しくない。私にとって、狂おしいほど好きな気持ちと「浮気されたら嫌だ」という嫉妬は必ずしも比例する感情ではないのだとそのとき気づいた。

■人には人の地獄がある

私の愛する彼氏と寝た女の子は同級生で、きらきらひかる美人だった。私が彼にとっての「恋人」、その子が「浮気相手」と当時はとらえていたけれど、今思えば逆だったかもしれないし、そもそもそんな順番なんて存在しなかったかもしれない。彼女と彼がお互いどれほど好意を寄せ合っていたかも結局よくわからない。

浮気事件以来、私は彼女に注目していたけれど、「うらやましい」とは一瞬も思わなかった。普通に考えて全然うらやましくない。「そっちも大変だね」と思っていた。

恋愛は事故だと思う。恋をしている人はみんなそれぞれ大変で、何かしらの傷を負っている。私は特にその彼を好きだった期間が、これまでの人生で一番しんどかったように思う。学校で彼の声が聞こえると、ときめきすぎて疲れることがわかっているからあらかじめ憂鬱になった。5秒後に嫌いになって、5秒後にまた好きになった。自分の感情の荒波に日々疲れていて、彼女に嫉妬する余裕もなかったような気がする。

「あんたは私的には可愛いけど、世間一般で言う美人ではないね。でも美人は美人でいろいろ大変だからね」と昔よく母に言われていたことを最近思い出す。「もっと他に言い方ないのかよ」とは思うけれど、とにかく、よく見えたとしても他人は他人で大変なのだと母は教えたかったのだと思う。「美人は恋愛も就職も何でもうまくいくからいいよな」と言う友人もいたけれど、私にはそうは思えない。人には人の地獄がある。

ところで、彼氏に浮気されると、私は彼に嫌われるのだろうか。あるいは女としての順位が落ちるのだろうか。あまりそうは思わない。楽観的すぎるかもしれないが、彼とあの美女がセックスしたからといって、私が嫌われるということはないだろうと思っていた。美女と私は直接は関係ないからだ。浮気されたからといって、女性としての順位も、人間としての価値も、落ちない。だって、私はもともと地の果てでジタバタ暴れて恋をしているだけなのだから。

■嫉妬を愛だと思う人、そうじゃない人

けっきょく彼とは他のきっかけで別れてしまったが、交際のあいだ一度も浮気を咎めることはなかったし、詳細を尋ねたりもしなかった。彼の浮気によって我々の関係に特に大きな変化はなかったと思う。でも、別れる前に彼が「俺のこと本当に好きだった?」と聞いてきたのには驚いた。「好きに決まってるのに。ばかじゃないの?」と当時は思っていたけれど、彼は彼で浮気を咎められたかったのかもしれないなと今では思う。

嫉妬や執着を愛だと思う人もいれば、許容や尊重を愛だと思う人もいる。私は後者に寄っているが、彼と別れた後の人生で、前者のように愛されるのも悪い気はしないと知った。だから嫉妬されたかった(のかもしれない)彼の気持ちも今なら少しわかる。わかるからといって、べつに思い通りにするべきだったとは思わないけれど。自分の思い通りに他人に愛されると思うなよ。

「この人しかいない」と当時は本気で思っていたけれど、別れて10年以上が経つ今はさすがに心底どうでもいい。あんなに大好きだった声の抑揚も、皮膚の奥の匂いも、今では思い出せない。だからこそ今の恋の一瞬一瞬の、知覚や感情に注目していきたいし、私にはやっぱり他人に嫉妬とか、あんまり興味がわかないのだ。

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雨あがりの少女

セックスは舞台。いつも世界の背景に溶けてる地味な私でも、ベッドの上では主役になれる。日々ツイッターでセックス&オナニーポエムを書いてます。

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