世界一美しい食べ方のマナ- /高橋書店/小倉朋子
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『世界一美しい食べ方のマナー』(小倉朋子著/高橋書店)より、今日から実践できる美しい食べ方のHowToをご紹介。今回紹介するのは「絶景キープの法則」。ちょっとした心がけで、相手に上品かつ知的な印象を与えることができます。
料理は「目でも」楽しめる、景色のようなものです。
料理人の手によって、きれいに盛り付けられた料理。これがテーブルに置かれると、自然に気分が高揚してしまいますよね。
しかし、食べているうちにどんどんその形は崩れていきます。仕方のないこととはいえ、考えてみると少しもったいない気がしませんか?
そこで、運ばれた当初の美しさをなるべく長く保つように食べてみましょう。
たとえば、天ぷらや炊き合わせのように食材を重ねた「山盛り」の料理なら手前の上から、お造りなどの平たく置いた「平盛り」なら手前や端から、それぞれお箸を進めると、最後まで美しくいただけます。
料理人の心を汲んで食べる。これこそ和食の心から生まれた日本人らしい食べ方であり、まさに食事を「いただく」にふさわしい所作といえます。
自分が食べている料理も、同席者から見れば景色の一つ。相手の目に映る景色を考えると、器の中が美しいほうが心地よいのはいうまでもありません。そして最後まで「絶景」だと、自分自身もおいしく食べることができます。
たとえばカラッと揚がった揚げたての天ぷらは、とても美しいもの。最初にその美しさを味わう瞬間がないと「この美しさを保とう」という意識が薄れがち。
黄金に輝く衣に、カラッと反り返ったエビの曲線美、旬菜の競演など、料理を出されたら、その美しさを目で堪能しましょう。すると「この景色を保ちたい」という意識で食べ進められます。
お造りは、基本的に右→左→中央の順に食べていきますが、おいしく食べるなら白身などの「さっぱり」したものから赤身などの「こってり」したものへ。
いずれも一種類ずつバランスよく食べていくのが、絶景を長く楽しめるポイントです。
スイーツは人を幸せにする「嗜好品」。フォルムも可愛らしいものが多いため、その存在価値をなるべく保ってあげるのが美しい食べ方です。また平皿で出されることが多いスイーツは、食べあとも目立ちやすいのでとくに配慮を。
たとえば、ソースたっぷりのステーキを食べると、ソースだけがお皿に残りがち。ソースも同じペースで減らして絶景を保ちながら食べるには、切った肉をソースの位置に持っていき、ナイフでソースをやさしくさらうようにして取り、肉にのせます。
『世界一美しい食べ方のマナー』(小倉朋子著/高橋書店)
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