世界一美しい食べ方のマナ- /高橋書店/小倉朋子
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『世界一美しい食べ方のマナー』(小倉朋子著/高橋書店)より、今日から実践できる美しい食べ方のHowToをご紹介。今回紹介するのは「ノイズキャンセルの法則」。ちょっとした心がけで、相手に上品かつ知的な印象を与えることができます。
音は、耳栓をしないかぎり防げないものです。ナイフやフォークを持つ手に力が入りすぎてしまい、お皿にぶつかってカキン! と音を立てる。スープをズズーッとすすってしまう。
これらの音は、マナーが必要とされる食事なら、みなさん気をつけていると思います。しかし、気をつけているがゆえに、いつもと同じようにナイフやフォークが動かせないなど、美しく流れるような所作ができなくなって音を立ててしまうことがよくあります。
「“いざ”は日常にあり」という言葉があります。ふだんの食事から、なるべく音を立てない食べ方を心がけてみてください。
また、ノイズというのは、何も音だけのことではありません。たとえば和食の繊細な香りを打ち消すほど強い香水をつける、香り(嗅覚)のノイズ。露出過多など場にそぐわない服装も目(視覚)のノイズに。状況に合わせて、自分がまわりのおいしさを邪魔する「五感のノイズ」を出していないか考えましょう。
付け合わせのアスパラやかぶなどを切ろうとしたら、意外とかたかったという経験はありませんか。そこで力まかせに切ると、カトラリーがお皿にぶつかってカキン!
切りたい野菜をフォークでおさえたら、ナイフを指先で「押す」のではなく、腕全体を「引く」気持ちで切るのが静かにいただくコツ。
スープを口に運んだとき、唇ですすっていませんか。じつはこれが「ズズッ」というノイズの原因。スープは「すする」ではなく、「流し込む」のが音を立てないコツです。まずスープスプーンを下唇の上のほうにのせたら、少し口をあけスプーンを傾けて、スープを口の中に流し込みます。
料理の香りは、おいしさを左右する重要な要素。その香りを邪魔するような匂いの強い香水や化粧品、整髪料の使用は控えましょう。衣類に香りが残る洗濯柔軟剤にも注意が必要。繊細な風味を大事にする和食店を訪れるときには、とくに気を配りましょう。
楽しい会話がはずむ食事は、料理がおいしく感じられますね。逆に、いやな話題では、せっかくの料理もまずくなりかねません。たとえばお店の悪口。また、政治や宗教の話、自分中心の話などにも気をつけると、同席者のおいしさに配慮できます。
『世界一美しい食べ方のマナー』(小倉朋子著/高橋書店)
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