世界一美しい食べ方のマナ- /高橋書店/小倉朋子
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『世界一美しい食べ方のマナー』(小倉朋子著/高橋書店)より、今日から実践できる美しい食べ方のHowToをご紹介。今回紹介するのは「自分ベクトルの法則」。ちょっとした心がけで、相手に上品かつ知的な印象を与えることができます。
ためしに、食事用のナイフの刃を自分の目に向けて、先端をジッと見つめてください。どうですか? なんだかいやな気持ちになってきませんか?
人間は本能的に、鋭いものを恐れるようにできています。
「箸先は人に向けてはダメ」「ナイフの刃は人に向けない」。当たり前のように思いますが、会話を楽しみながら刃や箸先の向きに終始気をつけるというのは、じつはとても難易度の高いこと。刃や箸先を同席者に向けないことだけを意識して食べると、会話に集中できず失礼な食べ方になってしまい、「自分勝手な人」という印象をもたれかねません。
とくに洋食の場合、刃を同席者に向けないことさえ完璧にできれば、ほかのことは覚えなくてもいい、というくらい大事なことだと私は教室でもお話ししています。またお箸の先端は、自分の口を行き来する、恥部ともいえる部位。それを同席者に向けることは、その方に失礼なだけでなく、見た目にも美しくありません。
会話は同席者に向ける。刃は自分に向ける。この両方を上手にコントロールできることこそ、世界一の美しさにつながるのです。
箸先で人や物を指す「指し箸」。話をしながら「そうそう!」と言って、つい人を指すと、たった一瞬でも同席者に嫌悪感を与えるおそれがあります。
会話のときはお箸を箸置きに置けば、無意識のうちにお箸を同席者に向けることもありません。食べないときはこまめに置く、を心がけて。
料理を口に入れたあと、フォークを上に向けたままだと、同席者の視界にずっと刃を入れ続けることに。また汁気も垂れやすくなります。
「ハ」の字をつくるようにナイフとフォークを構え、それを崩さないように食べると同席者に刃先が向くのを防げます。
食べている途中でカトラリーを置くときに、置き場所がないからと料理にのせるのは料理に失礼。
刃がぶつかった金属音というのは、聞く人を不快にさせてしまいます。食器も傷めてしまうことに。
フォークを右手に持ち替えて食べる動作のこと。刃が何度も左右を行き来するのは、見ていてあまり落ち着きません。
『世界一美しい食べ方のマナー』(小倉朋子著/高橋書店)
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