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別れ際に「何もかも壊さないと気が済まない」男性の弱さ

どんなにこちらがまともに会話をしようとしても、一切受け付けない挙げ句に電話も着信拒否。会えば罵詈雑言を吐かれて心の傷ばかり深くなる。こんな男性は、別れた痛みを引き受けられる器がないので、女性を傷つけることで心を保とうとします。DVにもつながりかねない修羅場を乗り切るには、どうすれば良いのでしょうか。

別れ際に「何もかも壊さないと気が済まない」男性の弱さ

■「どうでもいい」「興味がない」と悪意ばかり向けた元カレ

「恋愛経験のない41歳の男性と『友達以上恋人未満』のような関係を半年ほど続けていました。仲がよいときはセックスも楽しめるし、デートもそれなりに充実した時間を過ごせるのに、一度ケンカになるととたんに心を閉ざし、連絡もなくなれば返事も素っ気なくなるのが嫌で、なかなか告白する勇気を持てずにいました。

そんなとき、別の男性と知り合って、そちらに心が動くように。バツイチで女性の気持ちをよく汲んでくれて、何よりちょっとつまずいたときでもきちんと向き合って話をしてくれるところが信頼できて、『付き合うならこういう人のほうが幸せなんだろうな』と思うようになって。

それで、41歳の彼とは少しずつ距離を置くようになり、相手からも接触がなく、このままフェードアウトでもいいか、と思っていました。

ところが、ある日突然『あなたから逃げる』という意味不明なメールが彼から届きました。『何を言われてもいい。自己責任だから。もうついていけない。俺は逃げる』あまりにも一方的で理解できず、まるでこちらが追いかけているかのような言い方にカチンときて、彼に電話しました。

すると、彼の反応は『何の用ですか?』と硬い声に敬語。それだけでこっちも話す気が萎えたのですが、とりあえず誤解だけ解きたいと思って『あなたのことは何とも思っていないし、私に好かれているって思いこむのをやめてほしい』とはっきり言いました。

すると、『もう関係ない』『どうでもいい』『もう切るよ』ととにかく攻撃的で。何であんなメールを突然送ってきたのか、どうしたいのか、話をしたいのにまったく進みませんでした。

イライラして思わず『あのね、私もうほかに好きな人がいるから。もう関わらないでほしい』と言ってしまい、受話器の向こうでぐっと息を呑む感じがして、次に言われたのは『だから、俺もあなたのことなんかもう好きでも何でもないから、いちいちそんなこと言わなくていいよ。

相手にしてくれる男がいて良かったね。まぁ俺には関係ないけど。俺はあなたに苦しめられるばかりだった。逃げろっていうのも友達に言われた。俺こそ、二度と関わりたくない』と激高した声と言葉が返ってきました。

どうして最後までこの人はこんな上から目線なんだろう、と思いながら、そのまま電話を切り、今はLINEやフェイスブックなどすべて拒否設定しています。この人はどうしてこんな終わり方しかできないのですか?」(40歳/販売)


関係の終わり際、相手をこてんぱんにやっつけないと気が済まない。すべて壊さないと終われない男性というのは、向き合っても傷つくばかりでこちらもまともではいられません。

どうして傷を負わせないと引き下がれないのか。それは、男性が別れを受け止められる「心の器」を持っていないからです。別れに耐えられない、女性に捨てられる自分を見たくない、だからとことん相手を貶めることで自分のプライドを守る。

感情のキャパシティが狭い男性は、女性に「ダメな男」と責められることを恐れます。好きなら好きなぶん、女性に拒否されることはアイデンティティが揺らぐほどのショックを受けるのですね。そうやって自分の怒りを正当化することで、女性より優位な状態で終わらせようとします。

別れられない男性

■優位に立ちたいのは弱いから

上述した男性の場合、女性が自分以外の男性と親しくしているのは知っていました。彼女が報告していたからです。そのうえで、彼女から「あなたに心が開けない」と言われており、メールを送っても彼女から返信はもらえない状態でした。それが2日ほど続き、いきなり彼女に「あなたから逃げる」という言葉を突きつけたのですね。

彼女は、「こんな連絡が来るのはわかっていた」といいます。「いつもケンカするとろくに話もせず一方的に切ろうとしてきた人だから、今度もそうなるだろうと思った」と。ですが、彼女が気になったのは「逃げる」という表現。追いかけてもいない、メールも無視しているのに、「逃げる」などと言われたことに違和感を覚えたのですね。

まず、ここに男性の心の弱さがあります。こんな状態で選ぶ表現としては、「離れる」が一般的ではないでしょうか。「逃げる」はどこか相手に非があることを思わせ、自分は被害者であるような印象を受けます。これが「逃げる」ではなく「離れる」であったなら、彼女は「対等なふたり。対等な距離」を感じてもっと素直に受け入れられたでしょう。

勝手に追っていることにされるのは気持ちが良いことではありませんが、男性にとってはその感覚こそが真実。本当は、追いかけているのは自分のほうなのに、それを受け入れてもらえないことから「逃げる」。つまり、好かれない痛みから逃げるのですね。

電話の最中も、彼の態度はどこか「上から目線」であったと彼女はいいます。

「捨てるのは俺のほう」
「俺は悪くない」
「こんな結果になったのはお前のせい」


そんな雰囲気がプンプンしていて、まさに「取り付く島もない」状態。優位に立ちたがるのは、弱さを隠すためです。愛されないことから逃げる自分を悟られないように、怒りで心を武装しているのですね。

■怒りの下には悲しみがある

彼の本心はどうだったのでしょうか。ろくに話し合いもしないまま、一方的に彼女を遠ざけて、本当に彼は満足するのでしょうか。彼が望んだのは、「そんなこと言わないで」という彼女の姿だったのではないでしょうか。

突然おかしなメールを送るのは賭けのようなものです。彼女が受け入れてしまえば関係は終わるし、反対にすがりついて「終わりたくない」と言ってくれたら、また続けられる。彼女を自分のもとに留めておける。ほかの男性ではなく自分を選んでもらえる。

本当は「ほかの男と会ったりしないで」「俺から離れていかないで」と言いたいけれど、それを伝えたところで彼女は応えないだろう。そんな予感が心を占めるから、素直に気持ちを伝える代わりに怒りで彼女を傷つける。そうすれば彼女はこちらを向いてくれる。

「あなたに愛されないことが悲しい」
「あなたのことが好きでたまらない」


そんな悲鳴を、男性のメールからは感じます。怒りの下には悲しみがあります。そこから目をそらすことで自分を守りますが、相手に痛みを負わせれば負わせるだけ、虚しさも孤独も自分に返ってきます。

怒り、悲しみ、別れ

■「シャットアウト」で刃を避ける

別れ際に男性が怒りだすと、その勢いを止めるのは難しいことがよくあります。自分を守ることで頭がいっぱいで、相手の気持ちまで考える余裕がなくなると、怒りはどんどんふくらむ一方。相手の言葉を受け止める隙間もないし、また自分の態度を反省する冷静さもありません。

最終的には、暴言を吐き続けたり暴力に出たりとDVにつながる恐れもあるので、こんな状態になったら女性のほうからシャットアウトするのが正解です。

男性の目的は、女性を傷つけることで満足したいのではなく、女性が自分の思い通りの対応をしてくれること。

女性が泣いてすがるまで、男性の怒りは続きます。その姿こそ、男性の悲しみを癒やすたったひとつの答えだからです。もし相手が逆上してきたら、すぐその場を離れること。「私はまともに話したいから」と説明して、今の状態では相手をする気がないことをきっぱりと伝えましょう。

男性の怒りに付き合えば付き合うほど、傷は深くなります。そんな理不尽な刃を受け止める必要はなく、自分の身を守るのを優先することは男性にも責められません。

男性の怒りは、女性ではなく男性自身の問題です。悪い空気はこちらから絶ち、男性の弱さに飲み込まれないようにしましょう。それが、自分の心を守る姿を男性にも伝えることになり、冷静になるように促します。何もかも壊さないと気が済まないのは男性の弱さです。それを思い出す余裕を、忘れずに持っていたいですね。


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※ この記事は2018年11月28日に公開されたものです。

ひろた かおり

37歳で出産、夫と子どもの三人暮らし。何歳になっても恋愛ネタ大好物。恋愛相談家としてこれまで多くの男女から話を聞いてきた経験を活かし、復縁についてのアドバイスや不倫などさまざまな「愛のカタチ」について書いていきます。 人生...

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