34歳親友の結婚で確信。結婚適齢期なんて人ぞれぞれだ……
「女性はクリスマスケーキ」はさすがに死語に近いものになりましたが、「結婚適齢期」は今でも耳にする言葉です。結婚適齢期って、なんだろう? いつなの? そもそも全員ひとくくりに同じ適齢期があるの? 一人ひとり違うんじゃない? 親友の結婚をきっかけに、改めて考えてみました。
先日、大学時代からの親友の結婚式に参列した。
友人は学生時代から、ハッキリとした顔立ちの美人。ただ、花嫁姿の彼女は今まで見たどんな彼女よりも美しく、幸せに満ちた柔らかい表情に、彼女の充足感と夫への信頼感が溢れていた。
■「当分結婚しないと思う」と話したあの日
7年前、27歳の夏。
「私ね、当分結婚しないと思う」
結婚準備で慌ただしくしていた私と久しぶりに夕食を共にした日、彼女は唐突に言い出した。
大学時代から結婚願望が強く、ふたりでよく「28歳くらいで素敵な人と結婚したいよね」としょっちゅう話していたのに、ついこの間まで合コンにもたくさん行ってたはずなのに、いったい何が起こったんだ。
びっくりして続きを聴くと、
「周りの結婚した女友達を見てると、『旦那が浮気してるのには気づいてるけど、もう子どももいるし十分なお金を入れてくれればそれでいい』っていう子がいたり、同僚の男の子は結婚しても遊び放題だったり、結婚ってなんなんだろうと思って。かといって、誠実で浮気しないけど全然経済力がないって相手も困る。考えれば考えるほどどういう人とどういう夫婦になりたいのか、わからないんだよね」
だからそのあたりの考えが自分の中で整理できるまで結婚しない、と言う。
大手企業の総合職としてバリバリ働く彼女は、周りのエリートサラリーマンたちの姿を見て、思うところがあったらしい。
何事もきちんと考える彼女らしいなと思った。「素敵な人」を漠然と探すんじゃなくて、実際の結婚生活を思い浮かべながら、ああでもない、こうでもない、とビジョンを定めようとするところが。
私も結婚を決めるまでにパートナーに求める価値観を散々考え抜いたので、その気持ちにはすごく共感した。
その日からしばらく、彼女は本当に結婚しなかった。相変わらず忙しく働きながら、趣味の旅行やダンスを楽しんで世界を広げていた。時間的に余裕のある時期には合コンにも顔を出していたようだが、「これぞ」と思える人には出会わなかったらしい。
■6年後「私、結婚するかも」と言った彼女の目に、迷いはなかった
私の家庭の事情で少し会う間隔が空いた後、33歳になったばかりの彼女を食事に誘った。
おめでとう、33歳はどう? なんて話していると、彼女は「実はね、私、彼氏ができたの」と切り出した。
「それはおめでとう! いつから? どんな人なの?」と矢継ぎ早に聞く私に、彼女は嬉しそうに話してくれた。
マッチングアプリで出会った少し年下の人だという。誕生日も祝ってもらったそうで、そのときの写真や旅行の写真も見せてくれた。どの写真もふたりとも幸せそうに笑っていて、暖かい雰囲気が伝わってくる。
そして彼女は落ち着いた声で言った。「彼と付き合って、初めて『私、結婚するかも』って思った。ふたりの関係についてきちんと言葉にしてくれるし、人柄が信頼できて、すごく落ち着く」と。
なんて嬉しい報告なんだろう。その表情には迷いがなく、かつて「どういう人とどういう夫婦になりたいかわからない」と言った女性とは別人のようだった。
「おめでとう、よかったね」と私はその夜、何度も繰り返した。
■34歳で「適齢期」を迎えた彼女は、いま最高に美しい
その後、ふたりはとんとん拍子で一緒に暮らし始め、結婚を決めた。結婚式で幸せに満ちた友人の表情を見ながら、私は「今が彼女の結婚適齢期なんだな」と確信した。
お互いに「28歳で素敵な人と結婚したいね」と言っていた通りにはならず、私はそれよりも少し早く27歳で結婚し、彼女は34歳で結婚。時期は違ってもふたりとも、「なんとなく素敵な人と結婚」じゃなく「どういう人とどういう夫婦になりたいか」をよくよく考えて、しっくり来る人と結ばれたと思う。
「当分結婚しない」と彼女は言っていたものの、周りの友人がどんどん結婚していく中で、結婚への焦りやプレッシャーもゼロではなかっただろう。でも、それに引っ張られずに、しっかりと仕事をして、趣味を楽しみ、人生を充実させながら「この人だ」と思える出会いを待ったからこそ、彼女の最高に美しい笑顔が今ある。
最初の結婚が34歳というのは、かつて言われた“結婚適齢期”よりは少し遅いかもしれない。でも彼女にとっては、間違いなくいまが適齢期だ。
■一人ひとりの結婚適齢期は違う
結婚適齢期とは、自分の築きたい夫婦像がハッキリして、心から「この人だ」と思える人に出会ったとき、だ。周囲は相対的な感覚で「早い」とか「遅い」とか勝手に言ってくるけれど、それぞれの適齢期は本人にしかわからない。
20歳で結婚して幸せな人もいれば、40代、50代で結婚して幸せな人もいる。振り回される必要はまったくない。胸を張って、穏やかに、自分の適齢期を見定めたらいいのだ。
そしてそのためにも持っていたいのが、経済力と楽しみ。生活のために無理に誰かと結婚しないために、「恋愛してないと何も楽しくない」なんてことにならないために、女性が輝く社会なんて大仰なことは置いておいても、自分のために確保しておきたい。
年末年始にかけて、親や親戚に「あなたもいい歳なんだから、そろそろ結婚しないの? 早いほうが良いわよ」とお決まりのセリフを言われるかもしれない。そんなときには心の中で、「私の適齢期は私が決めるんだから」と(口に出せなくても)思って、胸を張ってほしい。
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※この記事は2018年11月19日に公開されたものです